039
「だから、そう睨むなって。なあクリア」
そう言う勇者は薄く笑みを浮かべて、クリアを抱き頭を撫でる手を頬へと移しそしてなぞるように顎を撫で、縋るクリアをさらに抱き寄せ顎を引く。
されるクリアの瞳は緩んでいて、縋るように力は抜きその身を預け――
引いた彼女を味わうかのように勇者はクリアに唇を重ねた。
その光景に、エリザベートとエリーゼは唖然として驚いているのは言うまでもない。
「ん……っ、ごしゅじ……さま……」
更に小さなクリアを強く抱き寄せ、
唇を重ねるだけでは飽きありず、勇者とクリアは重ねた唇を押し付け合い練りこますかの様に、絡めだす。
「ん……」
そうして離れた時、とろんと力の抜けきったクリアが勇者へと抱き着く。
「フレデリカ」
「バカみたいバカみたい……」
甘えるクリアをゆっくりと離し、今度はフレデリカを呼ぶと彼女が勇者の元へと行く。
そうして、寄って来たフレデリカを抱き上げると、彼女の耳を舐め、片手をドレスのスカートの中へと忍ばせる。
「ん……」
舐められその感触に甘く声を漏らす彼女は勇者の首へと腕を回し、そして更に小さく震えそうして、震える彼女の頬を舐め。
「っ……あ……」
腕を回し震える彼女も勇者の首筋を自分の吐息と声をふさぎ込むように、吸い付く。
「っ――んっ……」
震え、何かに耐えるようにするフレデリカ、けれどもそれは痛みと言う感じではなく。
クリア動揺、顔を上げると勇者強く唇をすり合わせた。
「くっ、あ……」
震える体は背が剃り、
その刺激に思わず唇を外すと、フレデリカは静かにへたりと勇者にすべての体重を預ける。
そうして、反されたフレデリカずりずりと滑るようにして、勇者の足元へと力なくして膝を着いた。
なんだ――なにを……。
「レア」
勇者は次の女へと手を出す。
「もぉ――待たせすぎ……」
他の二人よりも積極的で、レアは自ら勇者へと強く抱き着き、その体を擦り合わせ唇を重ねていく。
「ん……ふあっ……。ご・しゅ・じ・ん・さ・ま……」
二人よりも積極的なレアは薄く笑って、
「もう我慢できないの……」
自ら勇者の肩手を取り、片手を胸元へ、片手をスカート中へ導いて勇者を抱きしめた。
無論――それに勇者は抵抗などせず、むしろ好意的に、その手は行為へと移行する。
「……ふあ……」
小刻みに震え、甘い声を漏らすレアだが、それでも勇者を抱きしめる力だけは、彼を自分のモノだと言わんばかりに緩めない。
それに勇者も答えて、見えぬ手は動きを増し、それと共に彼女もまた震え甘く声を漏らす。
「……っ、んっ、あっ――はあ……」
震えた彼女が強く勇者を抱きしめると、途端力は抜け勇者へともたれかかった。
「っ――」
なんなんだ、なんなんだよ。
僕は何を見ている。
なんで突然こんなこと。
目の前で行わる行為が、なにかなんて分かっている。
分かっているからこそ理解できない
いきなり、どうしてこんな。
見た目、小さい彼女らが故に、犯罪とすら思わせるソレは――
すごく、見ていて、胸糞が悪かった。
気持ち悪るい。
へ垂れたクリア、フレデリカが抜けた力を取り戻すと、二人は左右片方づつレアに正面から抱き着かれる勇者に、左はクリア――右はフレデリカ。抱き着いた。