031
「ローザ?――なぜ貴様までまでもここに出ている。お前は薔薇園から永遠に出てはならないと陛下が定めたはず」
「やーね?我があそこを出るのは我の自由よ?
それよりも――随分と、破壊してくれたものね。ここがどこか分かっての狼藉なのかしらね?」
すうっと薄くローザと呼ばれた神は視線を細め、そを見るなりエリザベート、ティアラは慌ててバックステップでクリアの前から両者共々下がった。
二つの刃が離れた事で、クリアの手を降ろされ、その傷から血が滴れ。
「あーあ。良い判断じゃない」
「お母様――素晴らしいですわね」
下がった二人をレア、フレデリカは称えると、クリア横にまたしても薔薇の扉が現れる。
まだ、誰か現れるのか。
そう思う想う僕とは裏腹に、そこに顕現した扉は今まで現れた者たちが出現させた扉よりも豪華な扉が現れた。
一言で言えば、すべての色の薔薇が合わさり描かれたステンドグラス。この時空庭園の入口に似ていていて、どこかそれよりも美しい、金のフレームがガラスから放たれる光を反射し、ソレは黄金の高貴な輝きを放つ。
貴族の宝物庫にあろうかと言う、美しさと神々しさ。
一目見て分かる。
この扉は、他の扉とは違う。ティアラが出した扉とは比にもならない。あれは――この扉の一部に過ぎないのだと。
その扉は――ゆっくりと開き、閃光が隙間から放たれ、彼らは姿を現す。
軍人のようにすきのなさそうなその足運び、一歩踏み出すだけでその強靭ですべてを制しているように感じる身のこなし。彼は誰よりも何よりも間違いなく超越した存在。いくたもの戦場を超え、いくたもの地獄を切り開いた者。それが自身だと言わんばかりの存在感。
僕はその彼を、直感で勇者だと分かった。
銀髪の髪に銀にローザと同じく左右別別の右は済んだ空色に左は黄金の金の瞳、銀のフロックコートを纏って。若々しくもどこか屈強な感じを思わせる青年。腰にはシルバーの銃のようにトリガーの付いた刀。その彼こそが勇者だと。
そして――その左右にいるのは……。
左は小さな黒いドレスを纏う長い黒の人形。90㎝ほどしかなくてもはや人間ではないことは明白。
右に立つのはアイドル?のような、マイクとヘッドホンをつけ、ジグザグと電気を弾いたよう濃い金髪に、フリフリとチアガール見たいな恰好をした女性。
真ん中の勇者は薄く笑み、
「双方――武器を収めろ」
強く圧力のある言葉が響いた。
一瞬、気のせいだろうか、僕と目が合ったような感じがした。
けれど――それよりも。
今は、彼のその存在感に目を僕は奪われた。
この場に現れて、ただ一言で、バラバラと何人もの存在感と意思が混在するこの場所で、彼の存在だけがまるで浮き彫りになるかのように、誰よりも意を放ったから。
間違いない――勇者だ。
すべてを破壊せさんとするエリザベートや、煌めきを振りかざすティアラ、神格とその波動でせめぎ合う女神たち、直視すらできない神――ローザ、その全てをことごとく塗り替えられ、だれも彼には逆らうことができないぐらいに、絶対的な存在としてそこに彼は立っていた。
それに――僕も、僕だけではない全員が目を奪われていたのだから。
彼の言葉で、全員がその武器と戦意を収めた。
と言っても――ほぼ全員がクリアの能力でそれらは無力化されていたけれども、それでも――残っていたものをすべてたった一言で片づけたのだ。




