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証拠に、弾いたティアラ、ユーリは弾いた反動に苦い顔をしているのに対して、エリザベートは片手で太太刀を軽く振り力負けしたような素振りも見せていない。
「ティアァラァ……」
睨み、酷く憎しみのこもった言葉を流すエリザベート。
それだけで、強い殺気が放たれて、それと共に彼女の周りに魔力が渦巻いて足元の建物の残骸をパラパラと浮き出しすり潰す。
やはり、同じ守護者でありながら攻撃してきたティアラを憎んでいるのか。その憎しみは、圧倒的に異を超えている。
その、獰猛な獣のごとく威圧するエリザベートにティアラが声をかける。
「エリザベート――何故アナタがここに居るんですの?ここには守護者の立ち入りは世界再創生以降、禁止されているはずでは?」
「――お前がそれを言うか……裏切りもの」
ブワッと彼女の持つ太太刀が纏う黒炎が強く上がる。
「エリザ!」
今にも飛び出しそうなエリザベートに止めようとエリーゼが叫ぶ。
が――それを無視して、彼女は飛び出し。
「くっ――!?」
真っすぐティアラへと飛び込んだエリザベートの太太刀をティアラは受け止め、じりじりとその力で出され始めて、
「なっ――」
カキンと弾かれ、ティアラが後ろへと飛ばされた。
「こっちじゃ!」
弾かれ、地面を削りながら下がったティアラに追い打ちをかけようとしたエリザベートに、クラリアの火縄銃から銃撃が放たれる。
魔法陣を銃口に手のひらサイズ程で展開した火縄銃が、閃光を瞬いて緑色の粒子を銃口から射出する。
「ああん?」
だが、それは――、
「まって!?」
飛翔した7つ7色の宝石がエリザベートを元へと飛び、それが広がって魔法陣を展開。クラリアが放った攻撃は阻まれ四散。
「ひどいよ!なんでこんなことするの?」
阻んだのはエリーゼだった。
そのエリーゼの周りには大小形バラバラのカラフルな色をした宝石が浮かび、浮遊している。
同じよに、エリザベートの周りにも魔法陣を展開した宝石が陣形を変え、それが彼女にまとわりつくように浮遊する。
エリーゼの宝石にまとわりつかれ、エリザベートは追撃の行動を止めた。