024
年は14、15ぐらいだろう。
どちらも細く、スレンダーでクリームみたいなアルビノ肌。
透き通る滑らかな銀髪に、片方は童話のに出てくる意地悪な魔女のように不思議と人をどわすような美しい顔立をしており、漆黒のいくたものフリルやレースが重なり長いスカートが膨らんだ一国の姫が着る黒と紫のドレスを着て、そのドレスとは不釣り合いな古ぼけた長い太刀だろうか?それを手にしている、右眼は輝く金の瞳に左は水晶のように透き通った蒼い瞳の少女。
もう片方は、なんでも許してくれそうな優しい柔らかく美しい顔立ちをしており、片方の漆黒のドレスとは全くの真逆、純白の服が煌めていて見えるいくたものフリルやレースが重なり長いスカートが膨らんだ白と蒼のドレスを着た、澄んだ蒼い瞳の少女。
どちらも見た目、お人形さんのように美しい少女だった。
けれども――二人とも魔性だ。
特に高らかに笑いを上げた黒い方は、邪悪な憎悪を象徴する可能ように、どす黒い圧力をはなっている。
女神を纏う二人を圧倒さえするほどの、圧を放ち、それだけで人間の領域をとうに超えているのはよくそこに居るだけでよく分かる。
なによりも――
「少年――あれはマズいは」
ミレアが僕へと危険を告げたからだ。
「――じゃま!」
邪悪な黒の少女が、足元に居た銀のフード付きコート来た、申子を見つけると胸ぐらを掴んで、瓦礫の外へと投げ捨てた。
よく見ると、他にも先ほどの爆発に何人か同じコートを着た子が巻き込まれているようだ。
酷い……。
酷い光景だ……。
全員、死んでいるのか、意識を失っているのか、分からない。ただ――
小さな女の子をゴミのように投げ捨てて、その彼女に、僕は何か許せないモノを感じる。
「エリザ――可哀そうだよ!」
白い方は黒い方の行動を咎めているようだが、
「ミレア、あの二人は……」
人ならざる感じと圧力を、感じさせる圧倒的な存在感を放つ二人を見て、僕はミレアへと問う。
「きゃはは――黒い方は黒薔薇のエリザベート。白い方は白薔薇のエリーゼ。勇者の守護者よ。少年――引きなさい、きゃはは。あの二人は守護者の中でも核が違うわ。特に――あの黒い方は世界を破壊しようとすればいつでもできる。きゃはは――ワタシたち女神とはレベルが違う。でも――どうしてここに……」
疑問を浮かべるミレアに僕は構わず前へ出る。
「クラリア?分かってるわよねぇ」
………っ。
怖い。
そう感じた。
一瞬こちらを憎悪のまなざしで見るも、興味ないという感じで捨て、クラリアへとその死票を向けるが。
一瞬だけの視線だが、凍りつくような悪寒と共に前へ出た僕の足は硬直した。
人間の本能から発信される危険信号とでもいうのか?
僕の体は、本能的に硬直をしてしまう。
獰猛な獣にでも睨まれたかのように――いいや、それ以上だ。彼女はただ睨んだだけで僕の体へ恐怖を植え付けた。
足がすくみそうになるとかそう言うレベルではない。
動けない。
動くことすら許されない程に。怖気づいて足を崩してしまうことすら許されない。
それを真っすぐ向けられている、クラリアは、苦しそうなほどに顔をしかめの前の化け物へと対自している。
精神力の差なのだろうか?数百年生きているクラリアだからこそなのか分からないが、その圧倒的破邪の視線を向けられても、動きは止められいない。
それでも、動きには重さを感じさせる。
見るからに、
圧倒的だった。
女神の力を宿し、ここに踏み立つ自分たちですらまともに立っているだけで、狂ってしまいそうな死圧は、何もかもを超越してることを現していた。