011
僕は考えた。
考えて、考えて、考えた。
考えろ、なにかあるはずだ、ミレアを動かす方法・・・。
「興冷めね。少年、キミがそうしているから。ほら・・・」
ミレアが少女を見下ろす。
え・・・そんな・・・。
これは、僕への罰なのか・・・それとも、ただただ、選択も行動もできない僕の失敗なのか・・・。
少女は目を瞑っていた。それに、微かにあった息も・・・。
そんな・・・嘘だ・・・嘘だ、うそだ・・・。
うそだって言ってくれよ・・・。
「お、おい!」
僕は少女の体を揺すった、必死に、彼女の傷も気にせずに、ただ、返事が欲しかった、返事をしてほしかった。
――お願いだから、反応してくれ。
答えてくれ!
「無駄よ」
ミレアが言い捨てた。
無駄なんかじゃない、まだ、まだ!信じない、そんな言葉、無駄なんてことはない、返事をしてくれるはずだ、僕にをまた見てくれるはずだ、僕の声は聞こえているはずだ、まだ泣いてくれるはずだ!
ぼくは、僕は、キミを助けたいんだ!
だから、お願いだ、だから、だから――
「死なないでくれ!」
お願いだから!
「返事をしてくれ・・・」
少女の体を揺する、かけてあげて布がはだけるほどの強さで、それも、少女は返事をしない、反応をしない。
「おねがいだから・・・へんじを・・・」
もうしない・・・、返事をしない・・・死んでしまっている。
「少年」
「返事をしてくれ!」
怒鳴った、返事が欲しかった、答えが欲しかった。
ただ、それだけだった・・・。
「無駄よ、少年」
「無駄じゃない!」
無駄じゃない・・・無駄じゃ・・・。
――っく。
僕がもたもたしていたから、何もできなかった・・・。
僕が、無力だからなにもできなかった・・・。
僕は、しょせん何もできない。
だから、だから、だから、何もできない。
僕は決して助けれない、正しいことはできない。
「・・・・・・」
違う――そうじゃない、そうじゃ、決意しなかった僕が悪い。
答えなんて出てた、昨日ミレアが現れて忠告したときから、どうすればよいのかきっとどこかで察していた。
それに気づかないふりをして、少女を助けようと、別の方法を見つけようとした、これがその結果だ、保留にしてしてきたせいだ。
すべてがハッピーエンドになる方法なんてものはある。
ご都合主義?そんなの知らない。
いきなりすぎる?そんなの知らない。
こんな結果よりはいい、こんな結果よりは。
少女が死ぬなんて、そんな結果よりはいい、僕が決意を決めるだけだ。
僕は少女から手を放し立ち上がった。
「ミレア」
僕はミレアを見て呼ぶ。
「なに?助けない」
僕がまたすがってくるのかともったのかミレアは冷たく言い捨てる。
でも、そうじゃない、僕はミレアにもう助けを求めない、正しいこともしない、誰も助けなんてしない。
だた――決意した、
「お前を脅迫する」




