表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オズの異能使い(改稿中)  作者: 鋭角マニア
第1章 オズ編
10/10

第7話 歪な心と地獄のような

大変遅くなりました!そして文字数の少なさはお許しください!

「それじゃ、体調も大丈夫みたいだからもう行って良いわ」

「いつもありがと、コナー!」

「いいのよ、アリス。その代わりと言ってはなんだけど、私の依頼は優先的に受けてくれない?」

「勿論!そのくらいお安い御用だよ!」


 仲良さげだ……別に悪い事じゃないと思うが、なんだろう疎外感を覚えて少し寂しい。そう考えていたところに、コナーが話しかけてくる。


「私が作ったそれは、肌身離さず持っていて。それは貴方の心のようなものだから」

「心?」

「それがコナーの異能なんだっけ」

「そう、私は人を詳しく調べて、その心を武器として具現化する。そういうことが出来る異能を持ってる」


 なるほど、分かったような分からないような……けどその理屈だと


「つまりこれが俺の心の形?」


 刃の長さが中途半端で赤黒くて、その上刃と柄の長さが同じ……少し歪過ぎないか?


「……そうね、今まで色々作ってきたけど貴方ほど歪な形をしているのは珍しい方」

「だよね、ボクはそんな歪なの初めて見るかも」

「二人して歪って言わないでくれません?心が歪って結構悲しいんですけど」

「あはは、ごめんごめん!じゃあコナー、またねー!」


 そう言ってアリスは素早く俺の両腕をホールドし、空中へと飛び上がった。


「低空だからちょっと我慢してね、正宗」

「ひぎゃあああああ!!」


 再び気絶することで、俺の脳は恐怖から逃れることを選んだ。


 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇


「正宗の野郎起きたみたいっすよ、師匠」


 目が覚めた時、3人の知り合いに青空の下で囲まれていた。言わずもがな、それはアリスと燕さんと恭介。昨日集まったメンバーだ。


「よし、正宗君も起きたみたいだし早速始めようか」

「そうだね、じゃあボクは依頼を受けに行くから正宗は任せたよ」

「え、いやちょっと待って何が何だか」


 アリスの手を掴もうとすると、風のようにかわされそのまま空中に逃げられる。


「大丈夫大丈夫、正宗なら生きて帰れるって信じてるから!」

「何が!? その言葉が不穏なんだけど!」

「じゃ、じゃあね!」


 その言葉と共に飛び去ったアリスの後ろ姿を、俺は口を開けてポカンと見ている事しか出来なかった。


「えーっと……帰って良いですか?」

「駄目です」


 燕さんの楽しそうな表情を見て、これから俺にとってろくでもないことが起こるであろうことは容易に想像することが出来た。


「これからひ弱なてめえを鍛えようってんだよ。感謝しやがれこの野郎!」

「口は悪いですがそういうことです。心技体全てが足りない君を、これから徹底的に鍛えます……死も覚悟してください」


 ……地獄を見るほどの状況に陥ったことが無い、俺でも分かる。これから始まるのは、俺にとっての地獄だ……それでも良い、何もせずに死んでいくよりも、生きようとして死ぬほうがまだましだ。


「よろしくお願いします。俺を鍛えてください」

「振り落とされないように捕まっていてくださいよ?」


 頭を下げる俺に、燕さんは悪魔のような笑みでそう言った。ていうか俺、オズに来てから頭ばっかり下げてる気がする。


 それからは、俺にとって過酷と言っても足りないほどの苦行を強いられた。基礎となる体づくりを終えた頃にはもう指一本動かすことが出来ず、結局燕さんに担がれて戻ってくることになった。


 用意された昼ご飯は喉を通らず何度も吐き出し、その分を胃に詰め込んだ。


「大丈夫ですか?二人とも、死にそうな顔をしてますよ?」

「「…………」」

「これから毎日これを続けます。慣れるように頑張ってくださいね?」


 マジか……これを毎日か……俺ほんとに死ぬ……

~今日の一幕~

コナー「異能力者でもないのに、最初からあんな心の人は初めて見た。興味深い……」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ