雪と
掲載日:2014/12/30
雪が降ってきた。これほどにすべてを白く包んでしまうものがあるなんて、と以前は感動したものだったけれど、今では感動することもなくなった。雪が降ると、自分がどこにいるのかもこれからどちらへ進んでいけばいいのかもわからなくなってしまうからだ。今もこうして公園のベンチに座り、ふらふらと落ちては消えていく雪の一粒一粒を見ながら羨ましくなったり、苦しくなったりしている。まったく儚いものだと笑ってみると、どうにも胸を締め付けられて、それ以上は何も思えなかった。
辺りが雪明かりに支配されたころ、静寂を破って声が聞こえた。
「雪、やまないな。」




