橙の雷 Ⅲ
ラジェンとヨリョカ サイドです。
「負けちゃった。」
金色っぽい髪に緑の目になったラジェンはエンディとヘルオーラが去った方向を見ながら呟く。
「お疲れ様~。」
エンディとの戦いでぼろぼろになり動けないラジェンの元へヨリョカが近寄る。
「軽い感じに言わないで。」
「ごめんね?」
ラジェンは不満そうに言うが全くこたえてないヨリョカは笑顔だった。
ラジェンにはそれがますます気にくわない。
自分は動けずにいるがヨリョカは暢気なものだと。
ラジェンがそんな事を考えていたらヨリョカは緑の髪に緑の目になっていた。
「ラジェン。力の受け渡しするから回復して~。」
ポワンとラジェンの体が光に包まれる。
ヨリョカが力を送ってくれているのをラジェンは感じていた。
暫くしてラジェンは体が動かせるくらいに回復したらヨリョカは元の赤茶の髪に戻っていた。
「まさか、あんたが戦わなかったのはあたしがこうなった時の為?」
「内緒~。」
にこやかに交わされてはラジェンはこれ以上にヨリョカ言わせるすべを知らない。
マイペースなヨリョカは頑固でもあるからだ。
溜め息を1つ吐いた。
「ありがとう、ヨリョカ。」
お礼を言えば嬉しそうに笑うヨリョカだった。
「さて、これからどうしたら良いかしら?」
「知らないヨ~。」
「そんな事くらいわかってるわよ!」
普段と変わらない会話にラジェンが怒る。
そんな二人に近寄る人達がいた。