橙の雷
ヨリョカの案内でエンディとヘルオーラは進む。
ヨリョカと楽しそうに話すヘルオーラに少し不満を感じるエンディ。
何故か判らないがその様な気持ちになってしまう。
屋敷の中に入ろうとするが扉を開けずともビリビリとした振動が伝わってくる。
「ちっ、ラジェンか。」
「かなり怒ってるヨ~。」
エンディとヨリョカには中にいる人物が誰かわかり反応をする。
「ヘル。私の後ろから絶対に出るな。」
「わかったよ。」
ヘルオーラは頷きエンディの後ろへ行った。
ヨリョカが扉を開けるとドゴーンと開けた扉の前に雷が落ちる。
「ただいま~。情熱的な歓迎だね?」
ヨリョカが少しずれた言動のせいか、雷を落としたとされるラジェンは更に怒りバチバチと音が激しくなる。
ラジェンは長い橙の髪に橙の目をしていた。
年齢はヨリョカと同じようだが小柄なせいか少し幼くも見える。
「あんたのせいでしょー!」
ラジェンは叫びながらヨリョカに雷の玉みたいのをぶつけようとしていた。
ヨリョカは軽やかに避けていく。
どうやらラジェンが本気でないから避けれるようだ。
「大体、あんた戦おうともしなかったじゃない!」
「相性悪いからパス。負けちゃうヨ~。」
「根性でどうにかなさい!」
「ラジェンの熱血~。」
等と言い争いをするヨリョカとラジェン。
どうしたら良いか分からず二人で目を合わせてしまうエンディとヘルオーラ。
ラジェンはヨリョカの頬をつねる事でヨリョカへの怒りが収まったのかエンディに向かって話し出す。
「エンディ、あたしとあんたの相性は関係ないから思う存分やれるわね。」
「それは私の台詞だな。」
凶悪な笑みを浮かべるラジェンに悪寒がするヘルオーラだがエンディも凶悪な笑みを浮かべてるのはヘルオーラから見えていない。
そのエンディの笑みを見てヨリョカは"ヘルオーラくんと端の方にいよう"と決意するのであった。