赤の炎
エルメリーは魔法と錬金術の国だ。
国土の多くは自然に溢れており都市は近代的に発達している。
周囲の国とも魔法と錬金術でそれなりに友好的である。
「あれ?人が倒れてる?」
少年が倒れている少女を見つける。
少年の名はヘルオーラ。
年齢は12、3歳で茶色の肩よりも長い髪を後ろで1つにしばっており青色の瞳をしていた。
おろおろと悩む様子も見せずヘルオーラは魔法で少女を家まで運んだ。
「姉ちゃん!」
ヘルオーラは家の扉を開くなり大きな声で姉を呼んだ。
「ヘル?どうしたの?」
家の奥から姉のフルエーラが出てくる。
年齢は20歳くらいに見え、ヘルオーラと同じ茶色の腰くらいある長い髪は一部しばって後は垂らしており紫色の瞳をしていた。
フルエーラはヘルオーラが連れてきた少女を見るなり目の色を変えた。
「大変!大怪我じゃない。すぐに手当てしないと。」
「頼むよ、姉ちゃん。」
「2階の部屋に運んでちょうだい。」
フルエーラの対応にヘルオーラはすぐに反応し少女を2階に運ぶ。
フルエーラは珍しい回復魔法が少しだけ使えるので、それを駆使し怪我の手当てをする。
一段落した所でヘルオーラが部屋に入ってきた。
手当てされ体を綺麗に拭かれた少女は見た目15、6歳で黒いボブくらいの長さ髪をしていた。
「様子はどう?」
ヘルオーラはフルエーラに聞く。
「とりあえず止血はしたわ。回復魔法が効きにくい体質みたいだけど回復力はあるみたいだわ。目を覚ますまで様子をみましょう。」
フルエーラの言葉に少し安心したようでヘルオーラはふっと笑った。
「下で栄養のつくものを作りながら待ちましょう。」
フルエーラに言われ2人は下に降りていく。
料理を作りながら少女が目覚めるのを待つのだった。