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短編

この広い宇宙の中で、

作者: 物怖じ

あたしの友達のせーくんは宇宙人みたいな子。

髪がキラキラであたしみたいに黒くなくて、目もお空みたいに青い。



「みーちゃん!!」



声がする方を見る。あ、せーくんだっ。やっぱりせーくんの髪はキラキラしてて、太陽の光でよけいに輝いてる。

ちょっぴり羨ましい。



「せーくーん!!」



大きな声で名前を呼びながらせーくんの所に走って行く。



「せーくん、何してたの?」

「お母さんに頼まれた買い物」



あたしに買い物袋を見せてくれた。重たそう。



「あたしも持っていい?」

「ほんと?助かるよ」



ふにゃって、笑う。

あたしはせーくんが好き。

笑ったせーくんが大好き。


せーくんはあたしの家の隣りの家に住んでて、幼なじみ?何だって。でも、あたしは幼なじみの意味がよく分かんなくて、だけど、ママが言ってたから多分そうなんだと思う。



「みーちゃん、」

「なぁに?せーくん」

「ボクさ、遠くに引っ越すんだって」



あたしは不意に「宇宙?」と言っていた。しまったって思ったけど、もう遅くて、せーくんはキョトンとしていた。だけど、ちょっとして悲しいのか嬉しいのか苦しいのか良く分からない表情で「うん」って言った。



「そう、宇宙に行くんだ。ここからとっても遠いい宇宙、に」



星也くんが空を見上げる。つられてあたしも見上げる。太陽が傾きかけててオレンジ色になっていた。



「帰ろっか」

「・・・・・うん」



それから家に帰るまで、あたし達はずっと無言で、何か話さないとって思っても、何を話せばいいか分からなくて、家に着いてしまった。


あたしはせーくんにバイバイって言って家に入ろうとしたら、せーくんがあたしを呼び止める。



「みーちゃん、ボクが居なくなくなっても、忘れないでねっ」

「・・・えっ?」

「もし、ボクが宇宙に行っても忘れないでっ」

「・・・当たり前だよ、あたしせーくん大好きだもんっ!!忘れないよっ!!!」

「ボクもみーちゃんの事大好きだよ」



せーくんが"大好き"って言ったところで、あたしはせーくんに告白していたことに気がついた。顔が熱くて、トマトみたいになってると思う。



「ボクが大人になったら、みーちゃんを迎えに来るからっ!!」

「うんっ!!!」

「宇宙に連れて行ってあげるっ!!」

「うんっ!!!!」



せーくんは、あたしが大好きな、ふにゃってした笑顔を作った。







いつの間にかせーくんはいなくなった。

ママもパパも知らないって、どこの子って、せーくんの事を忘れてた。

隣に建っていた家もいつの間にか無くなってて、クラスのみんなも知らなーいって言う。

みんなせーくんの事忘れちゃったって知って泣きそうになった。でも、あたしは忘れてない。覚えてる。


空を見上げた。

空がせーくんの目と同じ色。うん、忘れてないっ!!



あたしは空に向かって叫んだ。






「早く迎えに来てねー!!」






ばいばい。またね。

せーくんがいる大きなお空に手を振った。



人物紹介

みーちゃん

小学3年生、ぐらい。


星也くん

みーちゃんと同じ小学3年生、ぐらい。宇宙人(?)



多分、続きます。

多分ねっ!!



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― 新着の感想 ―
[一言] 《※一言ではないですが》 はじめまして! すっごくピュアな小説で好み過ぎて、感想とかおこがましいですケド… 思わず書いちゃいました!!! はじめて感想とか書いたので、何書いていいのかサッ…
2012/09/09 20:22 退会済み
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