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第七話:突破

 ガシャ、ガシャ、ガシャ、ガシャッ!


 無数の硬いものが床を擦る、不快で耳障りな音がフロア全体に満ちていた。それは足音ではない。もっと異質で、生理的な嫌悪感をかき立てる音の群れ。視界を埋め尽くすのは、人間ではありえない動きで床を這い進んでくる、おびただしい数のマネキンの群れだった。あるものは滑るように腹ばいで、あるものは蜘蛛のように四つん這いで、またあるものは関節をありえない方向に捻じ曲げながら、コマ送りの映像のようにぎこちなく、しかし着実に俺たちとの距離を詰めてくる。その全てが、プラスチック製の無機質な顔をこちらに向け、感情の欠片も映さない瞳で俺たちの存在を正確に捉えていた。それは軍勢というより、獲物に群がる蟲の大群。その無慈悲な進軍が、俺たちに向かってくる。


「うおおおおおっ!」


 恐怖に凍りつく俺の隣で、アリアが獣のような咆哮を上げた。片手で軽々と振り回しているとは思えない、身の丈ほどもある長剣が銀色の斬撃を放つ。しかし、切断されたマネキンの胴体と足はそれぞれ機能を続けていた。


「キリがないぞ、こいつら!」


 アリアが悪態をつきながら、さらに二体の首を刎ね飛ばす。だが、首のない胴体は一切動きを止めず、両腕を無秩序に振り回しながら前進を続ける。床は、あっという間に切り離された腕や足、頭部のない胴体で埋め尽くされていった。

 そして、その破片の全てが、まるで生命を与えられたかのように蠢き、のたうち回り、俺たちの足首に絡みついてこようとする。まさにプラスチックでできた地獄の蟲の巣だ。


 シルフィの周囲には、すでに青白い魔法陣が展開されていた。


「風の刃」


 シルフィが呟くと同時に、不可視の刃が扇状に広がり、前方のマネキンたちをなぎ払った。ズバスバスバッ、と肉を断つような音とは違う、硬いプラスチックを無理やり引き裂くような乾いた音が連続する。数体のマネキンが体勢を崩し、パーツを砕かれて動きを鈍らせる。しかし、風の刃が通り過ぎた後には、店の奥から現れたさらに多くのマネキンが待ち構えていた。砕け散った指先までもが、床の上でピクピクと痙攣し、俺たちの方へ向かおうとしている。


「だめだ、こいつら!」


 アリアが悪態をつきながら、さらに二体の首を刎ね飛ばす。だが、首のない胴体は一切動きを止めず、両腕を無秩序に振り回しながら前進を続ける。床は、あっという間に切り離された腕や足、頭部のない胴体で埋め尽くされていく。そして、その破片の全てが、まるで生命を与えられたかのように蠢き、のたうち回り、俺たちの足首に絡みついてこようとする。まさにプラスチックでできた地獄の蟲の巣だ。


 俺にできることは何もない。アリアのように戦う力も、シルフィのように世界を書き換える魔法もない。ただ、二人の後ろで、迫りくる悪夢の光景に歯を食いしばることしかできなかった。サバイバルナイフを握りしめてはいるが、こんなものであのプラスチックの軍勢に立ち向かえるとは到底思えない。無力感が全身を重く支配する。


(何か、何か手はないのか……!?)


 思考だけが、現実から逃避するように高速で回転する。この状況を打開できる、何か。このショッピングモールの構造を利用した、何か。俺だけが知っていて、彼女たちが知らない、現代の知識。

 必死に活路を探す俺の視線が、ふと天井を捉えた。等間隔で設置された、白い円盤状の物体。そして、フロアの中央を一直線に横切る、天井の不自然な溝。床にも、同じラインが薄く引かれている。

 見た瞬間に、脳内で全てが繋がった。


 火災報知器と、防火シャッター。


 防火シャッターの位置をよく見る。すると、このシャッターが作動すれば、このフロアの大部分を分断することができそうだ。


 これだ。これしかない。


 あのマネキンの大群を分断し、俺たちが逃げるための、唯一の手段。

 問題は、どうやってそれを下ろすかだ。防火シャッターは、火災が発生した時に自動で、あるいは手動で作動させるもの。どこかに起動スイッチがあるはずだ。しかし、この広大なフロアで、蠢くマネキンの残骸の海を渡りながらスイッチを探し出すのは不可能に近い。


(待てよ、自動……? 火災を検知して、自動で……)


 天井の白い円盤状の物体。火災報知器だ。あれが熱や煙を感知すれば、警報が鳴り、シャッターが閉まるはずだ。

 でも、どうやって? 火を起こす道具なんて持っていない。ライターもマッチも、俺の手元にはない。


(……いや、あるじゃないか。火を、熱を作り出せる存在が)


 俺はシルフィの方を振り返った。彼女は今、氷の礫を連続で放ち、マネキンの動きを鈍らせている。彼女は魔法使いだ。炎を生み出すことだって、きっとできるはず。


「アリア!シルフィ!」

「なんだ!今、忙しいんだ、手短に頼む!」

「……」


 アリアはマネキンたちに斬撃を繰り返しながら、答えた。シルフィも魔法の使用で精神を集中している。


 しかし、俺は天井を指差しながら叫んだ。


「天井に、あの丸いのが見えるだろ!あれは火災報知器だ!高熱や煙を感知すると、とんでもないデカい音を鳴らして、シャッターが自動で下りてくる仕組みになってる!それでこのフロアのほとんどを封鎖できる!」


「そうか!フロアの封鎖か!聞いたか、シルフィ!火の魔法だ!」


 アリアがマネキンの胴体を蹴り飛ばしながら、シルフィに阿吽の呼吸というもので指示を飛ばした。


「シルフィ!あの丸いのに、火が届けばそれでいいんだ!」


 俺が捕捉する。俺やアリアの言葉に、シルフィは無表情のまま、ちらりと天井の火災報知器に視線をやった。彼女の青い瞳が、何かを分析するように細められる。


「……了解。詠唱する。少し時間がかかる。アリア、時間を稼いで」


 シルフィが短く告げ、目を閉じた。彼女の手の中で、杖の先端にはめ込まれた宝玉が淡い光を放ち始める。そこの空気が、彼女の周囲で密度を増していくのが肌で感じられた。


「よし!時間稼ぎは、わたしに任せろ!」


 アリアが雄叫びを上げ、長剣を風車のように回転させる。彼女の周囲にいたマネキンたちが、一瞬にしてプラスチックのガラクタへと変わった。


 ガシャガシャガシャ!


 いくら倒しても、周囲のマネキンたちは増えていく一方だった。床を擦る音を立てながら、俺たちへと迫ってくる。足元の破片が、俺たちの足首を掴もうと一斉に手を伸ばす。

 俺はナイフを握り直し、アリアの近くに立つ。戦力としては、完全に足手まといだろう。しかし、少しでも、彼女たちのお荷物にならないようにする。それが、今の俺にできる唯一のことだった。


「おい!来るぞ、ジュン!」


 アリアの警告と同時に、マネキンの波が俺たちに襲いかかった。俺はナイフを握り直し、アリアの隣に立つ。

 迫ってくる一体の腕を狙って、ナイフを突き出す。ガリッ、という嫌な手応え。ナイフの刃が、硬い樹脂の一部をかすめ取った。体勢を崩した俺の顔面に、マネキンのプラスチック製の腕が迫る。


「危ない!」


 アリアの剣が横から割り込み、その腕を叩き折った。しかし、腕を失ったマネキンは動きを止めない。残った片腕で、なおも俺を掴もうとしてくる。床に落ちた腕も、芋虫のように蠢いて俺の足元に迫っていた。


(シルフィ、まだか……!)


 焦りが全身を駆け巡る。ちらりと背後を窺うと、シルフィはまだ目を閉じたまま、集中を高めている。彼女の唇が、かすかに動いていた。俺には全く理解できない、古代の言語で魔法を編んでいるのだろう。


 その時、アリアの防御網をすり抜けた一体が、シルフィに向かっていくのが見えた。


「しまっ……!」


 アリアも気づいたが、別のマネキンと戦闘中でとっさに動けない。俺の身体が、思考よりも先に動いていた。


「うおおおおおおおお!」


 意味の分からない叫びを上げながら、俺はシルフィの前に立ちはだかり、迫りくるマネキンにナイフを突き立てた。ほとんど虚勢だった。


 ズブリ、と鈍い手応え。


 ナイフがマネキンの胸に突き刺さった。しかし、マネキンは全く意に介さず、俺のナイフを握る腕を、万力のような力で掴んできた。


「ぐっ……!」


 まずい、捕まる!俺がナイフを引き抜こうともがくが、深く刺さりすぎて抜けない。マネキンの指が、俺の腕に食い込んでくる。


 ビュン!


 鋭い風切り音と共に、アリアの剣が閃いた。俺の腕を掴んでいたマネキンの腕が、肩の付け根から断ち切られる。


「おい、ジュン! 大丈夫か!」


 切り裂いた胴体に蹴りを入れながら、アリアが叫ぶ。


「ああ!ありがとう、アリア!」


 そういいながらも、俺は自分の腕に視線を落とし、ぞっとした。本体から切り離されたはずのマネキンの腕が、まだ俺の腕にがっちりと食らいついたままなのだ。


「こいつ……離れない!」


 必死に振りほどく。まるで芋虫のようにしか見えない、それを何とか振りほどくことに成功し、俺は遠くに投げ捨てた。


「――小さな灯火」


 背後から、凛としたシルフィの声が響いた。


 次の瞬間、シルフィの掲げた杖の先から、ピンポン玉ほどの大きさの、小さな火の玉が撃ち出された。それは、俺の頭上をかすめ、美しい放物線を描きながら、一直線に天井の火災報知器へと向かっていく。


 俺は、腕にまとわりつく不気味な感触と、天井へ向かう火の玉を、スローモーションのように見ていた。


 火の玉は、吸い込まれるように火災報知器の白いカバーに命中した。

 ジュッ、とプラスチックが焼ける嫌な音と匂いが、一瞬だけあたりに広がった。火の玉の熱量で、カバーがバターのように溶け、内部の繊細なセンサーが剥き出しになる。


 何も変わらない。ただただ、マネキンたちが迫りくる音だけが、変わらずに響いていた。


(……失敗か?)


 絶望が、俺の心を黒く塗りつぶしかけた、その瞬間だった。


 ジリリリリリリリリリリリリリリリリッ!!!


 鼓膜を突き破るような、けたたましい警報音が、ショッピングモール全体に鳴り響いた。それは、俺が予想した通りの音だった。


「な、なんだこの音は!?」


 アリアが耳を塞ぎながら叫ぶ。マネキンたちも、一斉に動きを止めた。


 そして、警報音に続いて、重々しい金属の作動音が聞こえてきた。


 ガガガガガガガガガガガッ!


 見ると、フロアの中央、俺が特定したラインの上から、巨大な金属のシャッターが、轟音と共に降りてきていた。それは、天と地を分かつ壁のように、ゆっくりと、しかし確実に、フロアと通路との間を二つに分断していく。


「やった……! やったぞ!」


 俺は歓喜の声を上げた。作戦は成功したのだ。


「おい、喜んでる場合か!逃げるぞ!」


 アリアの檄が飛ぶ。そうだ、まだ終わっていない。俺たちは、シャッターが完全に閉まる前に、通路へと渡らなければならない。


 俺はシルフィの手を掴み、アリアは俺たちの前を走る。目指すは、シャッターの向こう側の通路。それは安全地帯。


 マネキンたちも、再び動き出していた。警報音の意味は理解できなくても、獲物が逃げようとしていることは理解したらしい。


 ガシャン! ガシャン!


 シャッターが、床に叩きつけられるように、一メートル、また一メートルと落ちてくる。残された隙間は、もう人の背丈ほどしかない。


「急げ!」


 アリアが先にシャッターの下をくぐり抜ける。俺もシルフィを強く引き、その後に続いた。


 俺たちがシャッターを通り抜けた、まさにその瞬間。


 ゴオオオオオオンッ!!!


 耳をつんざくような轟音と共に、防火シャッターが完全に床まで閉鎖された。防火シャッターは、マネキンの群れを俺たちから遮断した。


 シャッターの向こう側から、ガシャン、ガシャンと何かを叩きつける音がしばらく続いたが、それもやがて諦めたように遠ざかっていく。

 後に残されたのは、非常灯の赤い光だけが照らす薄暗い通路と、俺たち三人の荒い息遣いだけだった。俺は壁に背中を預けたまま、ずるずるとその場に座り込んだ。全身の力が抜けて、指一本動かすのも億劫だった。


「はぁ……はぁ……、なんとか、なったのか……?」


 誰に言うでもなく呟いた言葉は、しんとした空気に吸い込まれていく。隣では、アリアが巨大な剣を床に突き立て、肩で息をしていた。彼女の金色の髪は汗で頬に張り付き、全身を覆う鎧のあちこちには、マネキンの樹脂を斬りつけた生々しい傷跡がついている。


「……ああ。ひとまずは、な」


 アリアが、いつものような覇気のない、それでいてどこか安堵を含んだ声で応えた。彼女はゆっくりと顔を上げ、非常灯の赤い光に照らされた俺の顔をじっと見つめた。その琥珀色の瞳には、これまで向けられたことのない種類の感情が浮かんでいるように見えた。それは警戒でもなく、侮りでもない。もっと、こう、対等なものを見るような、そんな色合いだった。


「おい、お前」


「……なんだよ」


 座り込んだまま、俺はかろうじて顔を上げて答える。もう反論する気力もなかった。


「……やるじゃないか」


 ぽつりと、アリアが言った。あまりに意外な言葉に、俺は一瞬、何を言われたのか理解できなかった。


「え?」


「だから、大したもんだと言っているんだ! あの状況で、あんな鉄の壁を動かすなんて芸当、よく思いついたな!」


 アリアはガシャリと音を立てて俺の隣に腰を下ろし、鎧のこぶしで俺の肩をどんと叩いた。普通に痛い。だが、その痛みよりも、彼女の言葉がもたらした衝撃の方が大きかった。


「いや、あれは……こんな場所では、当たり前の設備だから」


 俺がしどろもどろに説明すると、アリアは「ふうん」と興味深そうに相槌を打った。そして、俺の隣で静かに佇んでいたシルフィに視線を移す。


「シルフィ。お前もそう思うだろう? こいつ、ただの非力な男じゃなかったぞ」

「……知識。未知の法則。有効な手段を判断できる。彼は優秀」


 シルフィの青い目が俺に向けられる。


 アリアは腕を組んで、ふう、と大きなため息をついた。それは疲労からくるものだけではない、何かを吹っ切ったような、すっきりとした響きを持っていた。


「正直に言う。最初、お前のことを見た時、どうしようもない足手まといだと思っていた」


 あまりにもストレートな物言いに、俺は思わず苦笑いを浮かべる。


「だが、お前には俺たちにないものがある。きっと、このおかしな世界、その少なくとも半分は、お前のいた世界とやらが元になっているんだろう。ならば、お前の知識は武器になる」


 アリアは真っ直ぐに俺の目を見て言った。その琥珀色の瞳は、非常灯の赤い光を反射して、まるで炎が燃えているかのように見えた。


「わたしは力で道をこじ開けることしか知らん。シルフィは世界の理を解き明かそうとするが、それには時間がかかる。だが、お前はそのどちらでもない方法で、俺たちを生き延びさせた」


 それは、紛れもない事実だった。マネキンの大群を前にして、アリアの剣もシルフィの魔法も、決定的な解決策にはならなかった。それを覆したのは、俺が持っていた現代の知識という、彼女たちにとっては未知の力だった。


 沈黙が落ちる。シャッターの向こうの気配はもうない。今は、この先のことを考えなければならなかった。


「……なあ、ジュン」


 不意に、アリアが俺の名前を呼んだ。今まで「お前」としか呼ばれたことがなかったから、俺は少し面食らった。


「……なんだよ、アリア」


「わたしたちのパーティに、正式に入れ。お前も、わたしたちの『仲間』になれ」


 その言葉は、静かだったが、有無を言わせない強い響きを持っていた。パーティ。仲間。RPGやアニメでしか聞いたことのない単語が、今、現実の重みを持って俺の目の前に突きつけられている。それは、単なる馴れ合いの言葉じゃない。この狂った世界で、互いの背中を預け、命を預けるという覚悟の表明だ。


 俺は、アリアの真剣な瞳を見つめ返した。彼女の隣で、シルフィも静かにこちらを見ている。彼女の青い瞳もまた、アリアと同じ色の同意を浮かべていた。


 迷いはなかった。いや、迷っている余裕なんて、とっくの昔になくなっていた。この世界に一人で放り出されたあの日から、俺はずっと誰かとの繋がりを求めていた。それがたとえ、異世界から来た騎士とエルフだったとしても、今、俺の目の前にいるのは、共に死線を乗り越えた、信頼できる存在だった。


「……ああ。よろしく頼む」


 俺がそう答えると、アリアはニカッと歯を見せて笑った。それは、初めて見る彼女の屈託のない笑顔だった。


「よし、決まりだな! 歓迎するぞ、ジュン!」


 再び肩を叩かれる。今度は、さっきよりも少しだけ手加減してくれたようだった。


「……歓迎。これで三人」


 シルフィがぽつりと言い、俺とアリアの腕を交互に見た。


「ならば、儀式をしなければな」


 アリアが真顔で言う。


「儀式?」


「そうだ。『絆の紋章』を、お前にも刻む。……だが、こんな通路の真ん中でするわけにもいかんな。ひとまず、安全な場所を探すぞ。それに、この先に出口があるかもしれん」


 俺たちは頷き合い、立ち上がった。


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