やっぱりなんか通知内容が変なんですけど
さて、理恵が1年次でこなさなければならない課程は次のとおりだった。
■普通課程(五教科)
現代の国語(2)
言語文化(2)
歴史総合(2)
地理総合(2)
公共(2)
政治・経済(1)
数学I(2)
科学と人間生活(2)
英語コミュニケーションI(2)
論理・表現I(2)
■普通課程(その他)
体育(1)
保健(1)
音楽I/工芸I/美術I(選択/2)
家庭基礎(1)
■商業課程
ビジネス基礎(1)
簿記(1)
ビジネス・コミュニーケーション(2)
情報処理(2)
プログラミング(1)
マーケティング(2)
商品開発と流通(2)
■探索者課程
探索者基礎(2)
やはりいかに商業科といえども普通課程は"必修"であるため、1年次は多くの普通課程の履修を行わなければならない。その結果必要となる教材・オンライン授業もそれなりに多い。これらは1年を通して取り組めばよい訳であって、最初の4月と5月の時間は、集団探索を控える探索者課程と、6月検定に備える簿記の履修にとられる。また体育の時間は基礎体力をつける訓練があるので、実質的に探索者課程となっている。すなわちランニングなどの体力づくりを体育で、座学を探索者基礎にて分担しているのが現実である。
そして商業科としては「公共」「政治・経済」と、2年次以降に学ぶ「グローバル経済」あたりは、実は共通点が多い。そもそも公共が必須となる前は「現代社会」という科目名であったが、そのころから、「現代社会」と「政治・経済」の授業にはかぶる部分が多かった。そこにさらに経済の部分は、ビジネスが商業科で学ぶ「ビジネス」の範囲がダブつく。一方で情報Iと情報処理は、代替が認められているものの実際としては内容がかなり違う。
商業高校では情報処理検定の取得を目指すのであるが、さらにその上位となるとITパスポートや基本情報処理技術者(FE)という国家資格があり(※FEは高校での受験者は少なく、合格すれば新聞記事になる程度にはすごいことになる)これを学ぶのには、実は情報Iのほうが入門としては適している。
というわけで、この1年次に使う教科書であるがこれが膨大な量となる。その結果として、次の教科書と副教材が、理恵が購入しなければならなかった教科書である。ここに問題集や検定対策の教材が加わるわけだ。
■必須教科書
現代の国語、言語文化、地理総合、歴史総合、地図、公共、政治・経済、数学I、科学と人間生活、保健体育、工芸I、英語コミュニケーションI、論理・表現I、家庭基礎、ビジネス基礎、ビジネス・コミュニケーション、簿記、情報処理、プログラミング
必須の教科書に加えて、一部オプションとして理恵が追加購入したのが、次の教科書だ。
■追加購入教科書
マーケティング、商品開発と流通、数学A、情報I、グローバル経済、ビジネスマネジメント
これは、ビジネスマネジメント科特有の事情と、学校側の思惑が一部関係している。それが先に触れた「ITパスポート試験」である。この試験には「企業活動」「法務」「経営戦略マネジメント」「システム戦略」「システム企画」といった、幅広い分野の経営・経済の知識と、情報処理の知識が求められる。これは基本情報処理技術者試験の下位試験であるが、離散数学の知識なども前提となっており、高等学校3年で取れれば「よくできました!」と胸を張って言える程度の難易度を誇る。
そのため、この呉西商業高等学校では、副教材として「数学A」「情報I」の教科書を任意で購入できる。また「ビジネスマネジメント」に「グローバルビジネス」や「ネットワーク活用」などの2年次や3年次に必要となる教科書も、希望者は任意で購入できるのだ。
つまりITパスポート試験に合格するようであれば、高等学校レベルの「公民」「数学」「商業課程全般」の知識を広く習得していると言っても過言ではない。学校側も2年次での取得ではなく、3年次で一部上位成績を持つものが「ITパスポート試験」を、情報処理科の首席クラスが基本情報処理技術者試験に合格すれば大成功!といった程度の考えである。
つまり、何が言いたいのかというと
今理恵は、日曜日を利用して、次々と商業課程のオンライン課題を消化している。理恵としては、簿記・ビジネス基礎・情報処理の入門程度をこなしているつもりだ。実際ぱっと見は、多くある課題リストのほとんどは、こなせていない。山と積まれた教科書や教材の中から、最初のうちにある程度こなしておけば、今後、探索者として自分のステータスの謎を解き明かす時間がとれると信じた理恵。今までにない集中力で、次々と無自覚を使って課題をこなしていく。
だが、その課題リストには、2年次・3年次にこなすべき内容が含まれているのだ。そう、そのリストは1年次に1/3埋まれば「よくできました!」であり、できなくても2年次に取り返せば良い。
が、理恵は「必修範囲」の文字だけで、「あぁ1年次の範囲なんだな」と勘違いを起こしている。違う、それは3年まで含めた範囲だと、説明を聴いていれば理解したはずだ。だが、学校側もまさか自分から次々と課題を処理していく新入生がいるとは想定していない。まだ説明がされていないのである。
つまり理恵は、独学で高校1年次に必要な知識を急速に習得していった。入学からわずか1週間で。
■日曜終了時履修済み課程
公共
政治・経済
ビジネス基礎
簿記
情報処理
情報I
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STATUS / ●NOTICE
>新規通知(NEW!)
◯全商簿記3級レベルの修了を確認しました。SKILL「簿記I」を習得しました。
◯全商情報処理3級レベルの修了を確認しました。SKILL「情報処理I」を習得しました。
◯ビジネス基礎の修了を確認しました。SKILL「ビジネスI」を習得しました。
◯商業科1年次程度の知識の修了を確認しました。JOB「駆出商人」が開放されました。
◯高等学校公民の修了を確認しました。SKILL「ビジネスI」が「ビジネスII」に成長します。
◯1日で非常に集中し多数の知識を吸収しました。条件を達成したため、APPELLATIVE「螢雪の功」を獲得しました。
◯トータルで500EXPを獲得しました。
◯称号「螢雪の功」の効果でステータスの補正が入ります。またボーナスのSPを「■■■」獲得します。(※該当機能ロック中につき不開示)
◯多数の知識の吸収により、INTが50上昇しました。
◉重要通知◉(NEW!)
◯いくつかの機能の開放可能性があります。
◯いくつかのステータスの未開示項目が存在する可能性があります。
◯一部権限が不足しています。早急に■■■■■■■■■■。
>>過去の通知
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●STATUS / NOTICE
LV:40(EXP 405→905/4000)
HP:5000/5000
MP:3000/3000 → 3500/3500
>INFO
-NAME:黒川理恵
-JOB:未設定
-HOLD:駆出商人、一般生徒、上位探索者、英雄
>PARAM
-STR:400
-DEF:400
-DEX:300+20
-INT:251→301+50
-AGI:100
-LUK:500+100
>SKILL(SP 390+2α/400)
一般教養(義務教育)、料理IV、洗濯III、掃除V、ビジネスII、簿記I、情報処理I
>FEATURE
通知LV2(有効/10)
>APPELLATIVE
スライムスレイヤー、スライムの不倶戴天の敵、スライムを滅ぼすもの、■■■■の秘密を解明しようとするもの、螢雪の功
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