第一部エピローグ2 混沌より蠢く悪意
誤字脱字報告感謝です。わぁいっぱいだぁ(‘、3_ヽ)_。
もっと見直したほうがいいよ…見直してアレです。駄目じゃんこの作者。
感想が来ている…!ありがとうございます!
7万PVありが…えっエピローグを書いてる間に、9万PVになってる!?(卒倒)
もう踊るしかない。お読みいただきありがとうございます!
T県探索者協会西部支部付属、古城病院の一室。
機密保持のために入院措置をとられた、佐藤孝太朗と霧島響華、そして業務過多(K号担当・FPダンジョン責任者・西部支部職員・ステータス鑑定持ちetc)の岬瞳が、病院の会議室に呼び出されていた。そこに待っていたのは、西部支部支部長十文字剛、そして副支部長の結城志織と、部下の風見丈也の三名である。
この会議室では先程まで、T県探索者協会本部(以下T県本部)と、日本探索者協会の責任者がきており、西部支部の十文字・結城・風見と激しいやりとりをしていた。その内容は「前FP支部支部長水原砂利の不祥事」からはじまり、その「西部支部のFP支部への監督責任」やら、「巨大スライム発生の責任」、「FPダンジョン施設の再建予算」、「FPダンジョンの運営権」の話と多岐にいたる。
なぜこのような事が起こるのか。それは、潜在的な問題となっている、T県の西部と東部の対立にある。山を挟んで、西と東で微妙に文化圏が違うのだ。名目上、『T県本部』の傘下に『西部支部』が存在するが、事実上は県西部においては、西部支部が探索者協会本部の役割を果たしている。西部支部には実質的な独立権があり、『その力を削ぎたい本部』と、『その独立権を守りたい西部支部』は、事あるごとに対立してきた。その事は当然『日本探索者協会』も把握している。そもそもが西部支部に強い権限を与えたのも、『権限が東部に集中し、西部のダンジョン運営がおざなりになる』のを恐れた日本探索者協会の主導によるものである。
無論、今回の数々の騒動に、西部支部に何一つ落ち度はない。もしこれが、通常時であれば、これらの不祥事にかこつけて、なんだかんだと難癖をつけられ、西部支部の権限はかなり削られていただろう。ただでさえ、『FPダンジョン』、『古城ダンジョン』と、西部支部傘下には人気ダンジョンが多い。これは、県西部にも影響力を拡大したい『T県本部』から見れば、まさに垂涎のごちそうである。
だが、箝口令がひかれてはいるが、探索者協会上層部および、警察・ダンジョン警察は、巨大スライムの正体を把握している。現在こそ、原因不明で世間に説明しているが、いずれバレるのは必定。これから探索者協会が一枚岩となって対応していかねばならない時に、いかに権利がほしい『T県本部』と言えども、『日本探索者協会』の意向には逆らえない。また、個体名『ナイア』を取り逃がしている。近い内に再び、その牙は確実に探索者協会へ向かう。今度は、T県本部付きのダンジョンが狙われるとも限らない。故に、T県本部は日本探索者協会からのプレッシャーに屈した。
会議は日本探索者協会主導の下、「西部支部に責任はない。目の前の新時代の脅威に対応する。」という内容で、三者の見解を統一。十文字は、「今回の問題の責任は、前FPダンジョン支部長水原砂利にあり」という言質をT県本部の担当者より勝ち取った。当然水原とナイアの情報は、T県本部・日本探索者協会と共有し、三者一丸となって、これらの問題に対応していくことで合意した。…さらに重要な情報は、T県本部に隠されたままで、だ。西部支部の独立権はそのまま守られた。
つまりはこの会議は、茶番である。そんなものより十文字にとって、これからの会議の方が、T県本部なんかを相手するよりも、はるかに大事な会議なのである。そこには、事前に佐藤・霧島・岬が合同で制作した、「K号に関するレポート」、「FPダンジョン3・4階層に関するレポート」、「二人の探索者仮免許保有者の結末に関するレポート」が配られていた。当然、どの資料にも「機密」の判子だらけである。
これらのレポートは、今後の西部支部のダンジョン運営に、非常に大きな影響を与えることになるが、それはもう少し先の話だ。
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「あら、ナイア、ボロボロじゃない。特に額の十文字の傷、なかなかイケてるわね。」
「あら、ナイア、あなたのモルモット、全然役に立たないじゃない。失敗作。」
「…うるさいですね。ぼーっと見ていたあなた達に言われたくはないんですよ。」
「「だって、そういう指示だったもの、私達は悪くないわ、確かにちょっとは手伝ってあげたけど。」」
「…まったく同時に同じことをしゃべるな。気持ち悪い。」
「あら」「だって」「私達」「双子だもの」「「ねー!」」
「そんなことより、そちらの首尾はどうなんですか?なんで黒川理恵は、あの冒険者といっしょに行動してたんです?あなた達が確保する予定でしたでしょうに。」
「そもそも」「合流」「しなかった」「何故か」「佐藤に」「ついていった」「悪くないもん」
「理由は調べてないんですか?」
「あのあと」「中川と鈴木に」「しっかり見張られた」「機会がなかった」「その上そうそうに引き上げろって」「命令」「されたもの」「今は全員入院中」「潜入しようとしたけど」「断られた」「無理にはいれない」「探索者がいっぱい」「無理」
「普通に話せ、頭が痛くなる。イブ、ナーグ…いや、今は田中と中田でしたっけ?」
「「そうよ。ナイア。」」「私が田中」「私が中田」
黒川「このエピローグで第一部が終わる。」
ナイア「第一部がおわるとどうなる?」
黒川「知らんのか 第二部が始まる」
ナイア「ヒューッ!」
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触手 in クーラーボックス(仮)
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