なんか蜂蜜がおいしいんですけど
誤字脱字報告がこんなに!…本当にありがとうございます。(‘、3_ヽ)_
自分で読み返しても大概きがつかないので、本当に助かります。
そして、PVが次々に増えていくんですけど…。((((;゜Д゜))))
ボロボロになりながらも、ナイアを退けた。だが、あいつは高橋と山田にとんでもないことをやっていた。みるみるうちに空洞を埋めるスライム二体に変貌してしまい、次にアイツに会ったら、絶対に倒さなきゃと決意した。その変貌したスライムも、最後は私の『スライムに対して無敵』が判明し、もっと苦戦するかと思われていたナイアの置き土産は、迅速に片付けられるに至った。高橋と山田は最後には、「ひび割れた赤い2つの宝石」と「二人の探索者仮免許」を残すだけになってしまった。他にも、杖や剣や装備とかがあったはずだが、それらは全部酸に溶けてしまったようだ。
『クイーン・ビー』は氷漬けになっていたままだったので…違った。『クイーン・ハニー・ビー』だったね。そのまま、討伐することになった。ユニーク個体が残っていれば、またいつかナイアのやつが、それを狙って、このFPダンジョンを再び実験場にしかねない。凍ったまま砕くのに、なんとなくずるい気もしなくもなかったが、そのまま討伐した。金田さんはボロボロで、加藤さんは気絶。霧島さんも魔力を使いすぎていたので、私が討伐した。佐藤さんは、その間に甘い匂いがする奥の穴を確認しに行っていた。
結果として、やはり後に新種と認定される『キラー・ハニー・ビー』が集めたとろりとした黄金色の蜂蜜が、溢れんばかりに詰まった巣が発見された。それも見渡す限りの蜜・蜜・蜜。もはや蜜の海といってもいい。ここだけは、キラー・ハニー・ビーが入口を高所に作っていたため、アシッドスライムも侵入せず、最高の蜂蜜が沢山貯められていたみたいだ。
私達もちょっとだけ味見した。…ごめん嘘。疲れた体に糖分が死ぬほど美味しかった。カロリーのことも忘れて、霧島さんと二人で、沢山飲んだ。そして、そのおかげで、それなりにHP回復効果とMP回復効果が、この蜂蜜にある事が判明した。霧島さんが気絶している加藤さんにも少しだけ舐めさせたけど、それだけで青ざめていた顔の血色が、かなりよくなった。金田さんと佐藤さんも、蜂蜜の効果が判明したので、沢山食べていた。
そして私達は、いろんなことがあったキラー・ビーたちの巣を後にした。巣穴から出て帰ってきたジャングルは、入った時と何一つ変わらないように見えた。木々をかき分けてジャングルを進む。ふと後ろを見ると、穴だらけの崖から沢山のスライムが飛び出してくるのが見えた。おそらく奥に追いやったスライム達を封じていた氷の壁が溶けて、出られるようになったんだろう。何故だか、その光景を見ていると安心感を覚えた。無事、あの何もかもを飲み込む闇の中から、脱出できたのだと。
ちびちびと蜂蜜を食べながら、ようやく2階層に戻ってきて、初めに変に思ったのは、やけに静かだったことだ。佐藤さんと霧島さんが、無線で岬さんへ呼びかけるも応答がない。仕方がないので、地上に戻ろうと進んでいく。相変わらず蜂蜜が美味しい。
進めども、進めども、誰にも誰にも出会わない。途中で、つまり今ダンジョンには誰もいないということに気がついた。一体どうしたんだろう。そんなこんなで、入口まで戻るために進んでいくが、もう水筒いっぱいに詰め込んできた蜂蜜は、半分にまで減っていた。いや、本当に疲れているところに、蜂蜜が染みる。2階層のスライムジェルを挟みながら、食べる蜂蜜は本当に美味しくて止められない。…ごほん。それはさておき、最終的に、ダンジョンの出入口まで到着したが、やはり、ダンジョン内では誰にも出会えなかった。
…で、ダンジョンの出入口だけど、なんかぶよぶよしたもので、塞がれてるね?ダンジョン内には入って来れないみたいだけど、なんだろうねコレ?
「なにこれ?なんかぶよぶよしてるんですけど。」
「なんだこれ?こんな封鎖システムは聞いたことないんだけどなぁ。」
「ダンジョンに人っ子一人いなかったしー。なんか変ー。」
「うーん。でもこれじゃ出れねぇぞ?」
「相変わらず無線は返答無いしなぁ。中継地点に常駐しているはずの探索者もいなかったし、ダンジョン外で何かあったのか?」
「うーん。加藤を早く病院に連れて行きたいしー。なんとかしたいかなー。」
「ナイアの嫌がらせ説ってあるか?」
あー、そうかな、そうかも?
「可能性はあるけどー。だとしてもー、何が起きてるのかー、よく分かんないー。」
「って言うか、早く帰りたいな。奏たちも心配だし。」
「黒川さん、一応言っておくが、すぐには帰れないぞ?」
「えっなんでですか?」
なんで?
「…山田と高橋のことを話す必要があるし、蜂蜜やら硝酸スライムやら何やら、色んなことを話す必要があるぞ。」
「そんなー(´・ω・`)」
「まぁたぶんー、全部機密扱いー…。というか、そうせざるを得ないー。十文字さんと直接お話かぁ…。私もごめんだなぁ。あ、でも理恵ちゃんは、その前に病院かなー。もちろん金田もね。」
「…あぁそうか、一度気絶してるしその方がいいか。」
「あぁ、流石に、今日は堪えたぜ。」
「まー、それはそれとしてー、このぶよぶよなんとかしないとー、外出れないんだけどー。」
いい加減にしてほしいな。疲れてるんだ。帰らせてほしい。…やつあたりしてやる。
「えーい!」
私はいろんな思いを込めて、そのぶよぶよをグーで殴った。まぁこれが入口の封鎖システムなら、たぶん弾かれるだろうけれども。…八つ当たりぐらいいいでしょ。
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「目標、遅滞戦闘にて、着弾予定範囲に留まっています。」
「K基地より報告、エンチャント作業完了。発射準備よろし。」
「周辺の探索者及び、ダンジョン警察隊員の退避作業進行中。各員は所定の位置にてスタンバイ。」
「結局、エンチャント作業は遅れに遅れたな。2時間かかるとは。」
「まぁそもそも初の試みですし、付与魔術と氷魔法の両方を使える必要がありましたからね。」
「MP消費の見積もりがかなり甘かったようです。ですが、次はもっと早くできるかと。」
「まぁ次なんか無い方がいいんだがな。」
「それは同感です。ですが、我々はそれに備える必要があります。」
「うむ。」
「我々は対ゴ◯ラを想定していませんでした。ですが、次はもっとうまく立ち回ってみせます。」
「法律改正と、制度の改善要望は、警察・ダンジョン警察・探索者協会と共同で研究の必要がありますね。」
「まさか本当に怪獣を倒す日が来るとはねぇ。本気でス◯パーX IIIが必要かもしれませんねぇ。」
「…確かにあのクソでかいスライム。ス◯パーX III、冷凍戦対応多目的防衛◯があれば…こんなまわりくどい真似をしなくても済んだな。実際に作るのは夢物語だが、超低温兵器の開発研究と、その運用体の模索は現実的解決策の範疇だな。進言しておくか。」
「ミサイル発射まであと5分です。」
「世界初の物理・魔術複合攻撃。世界初のIESSM(Ice Enchanted Surface-to-Surface Missile)のぶっつけ本番運用だ。…国連と米軍から文句が出そうだな。」
「もう来てます。市民団体からも『探索者の兵器運用とは何事だ』と。」
「ほっとけ。それでも煩いなら、スライムの中に叩き込んでやれ。きっと喜ぶだろ。」
「了解です。」
「!?」
「どうした?」
「目標ロスト!」
「何ィ!?」
「何があった!報告しろ!…えっ勝手に弾け飛んだ!?」
「はぁ????」
「…ッ!?IESSM発射中止!止めろ!!止めろォ!!」
パァン!!
黒川「わ!?びっくりした!!」
佐藤「(…空洞のときと同じ感じだが、まさか、まさかな?)」
霧島「(…もしかしてスライムだったんじゃ。でも出入り口を塞ぐほどでかいスライム?何故?)」
金田「(…なんか既視感があるんだが。)」
佐藤・霧島・金田「(…ま、もういっか。これぐらい。)」
三人は考えるのをやめた。
次回、後片付け。
新作あり〼
触手 in クーラーボックス(仮)
https://ncode.syosetu.com/n1200kj/




