深くより暗きから蠢きすべてを飲み込み2
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ではそうなると、「では実際にどうやって討伐するのか?」という話になる。自衛隊(と一応警察)に配備されているのは、火器であり、実銃であり、現代の科学に基づく武器・兵器である。ミサイル・マシンガン・戦車・航空機・ドローン…などなどだ。これらでモンスターに立ち向かえるのか?と言われると、「部分的にイエス。部分的にノー。ケース・バイ・ケース」である。
もし、今回の相手が『キラー・ビー』や『クイーン・ビー』であれば、機関銃の掃討射撃だけでも十分以上に戦果が挙がったことだろう。なんならば、警察官の拳銃でも十分な効果が見込まれたはずである。だが、今回の敵は違っていた。もちろん機関銃は試し…なんなら今も撃ち続けている。だが、着弾したスライムのボディは、表面が弾けるだけで銃弾の威力を吸収してしまう。これが小型だったならばそれだけで吹き飛ばせたことだろうが、今対峙しているのは『FP支部一つを飲み込む程に巨大なスライム』である。さらにその上再生能力を持っていた。
スライムの表面をバカみたいに削っても、削っても、次から次へと再生するのだ。では『魔法で凍らせた部分に機関銃を打ち込んで削っていくのはどうか?』となると、今度は確かに有効なのだが、これもまた再生能力の前に徒労に終わる羽目になった。ただし、スライムの動きを阻害する事は出来たので、探索者とダンジョン警察・そして自衛隊が行っているのが、この方法を使った遅滞戦術である。
となると、次はより火力のある兵器でスライムを叩く…となるならば、まず最初に候補にあがるのはミサイルなどになってくるが、ここで一つ問題がある。フォレストパークの近くには、市街地が存在するということだ。こんなところにすぐさまミサイルを撃ち込む事ができれば、こんなに楽な話はない。そして更に言えば、「ミサイルを撃っても本当にアレに効くのか?」という疑問もある。
結果として、自衛隊と探索者協会・ダンジョン警察が合同で考えたのが、氷魔法をエンチャントしたミサイルによる、「物理・魔術複合攻撃」である。地対地のSSM(surface-to-surface missile)の弾頭を取り除き「無弾頭」の状態にし、ミサイル本体に数十人がかりで氷魔法をエンチャントし、そのミサイルを直撃させることで、大規模な氷魔法をスライム本体深部に叩き込み、スライムを丸ごとを凍結させた上で着弾の衝撃で粉砕するという作戦である。このミサイルは、I県K基地より発射予定であり、自衛隊と探索者協会I県支部により、現在、氷魔法のエンチャントが進められている。
そのために、警察・自衛隊・ダンジョン警察は合同で、フォレストパーク周囲の範囲6kmを警戒区域に指定。全民間人の退避を進めている。現在、退避は順調に進行しており、30分後には、ここに残っているのはもはや、探索者と合同作戦に従事する各組織の人間のみとなる。残された関係者は一箇所に集まり、複数名の探索者による防御魔法にて、ミサイル着弾を凌ぐ計画となっている。
そんな中、フォレストパークの外れから、暴れまわる巨大スライムを見つめる男がいた。
「あらら、やっぱり死んじゃってたんですねぇ。…ふーん。憎悪でこれだけ巨大化しましたか。少し頭を弄っておいたんですが、ここまで効果が出るのは想定してませんでした。次からは使えそうですね。覚えておきましょう。まぁ、今日はもう疲れましたので、このまま帰りますか。あとはどうなろうがどうでもいいですし。」
地上に逃げてきたナイアである。だが、その影を更に後ろから見つめるものが、ここに一人。
「次があるかな?」
「…あら?隠蔽はしていたはずですが?」
「水原をあんなのにしたのはお前か?」
「水原?あぁ、あの劣等感の塊の男のことかな?いろいろと、ちょうどよいモルモットでしたね!」
「そうか。では、心置きなく…殺せるな。」
十文字の閃光が暗闇を走り、ナイアを切り裂く。
「…痛い!今のは!痛かったぞ!」
「十文字剛、推して参る。」
「ッ!貴様が十文字か!」
「そうだ、潔く死ね。」
「お断りします。あなたと遭遇したら、何をおいても逃げろと言われてますので。」
「そうか、貴重な情報をありがとう。」
「…しまった。」
その瞬間、音もなく、ナイアの左腕が飛ぶ。
「…この私の左腕をいとも容易く。」
「次は首だ。」
「お断りします。私は逃げますので。さようなら。」
音もなく、ナイアが消える。
「…逃がしたか。だが、ネタは割れた。次は逃さない。」
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