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【⭐️5,000ブックマーク】愛用のクッションがどうもなにか変【累計350万PV】  作者: 一級フラグ建築士
第3章 なんかクイーン・ビーを討伐したいんですけど

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なんかフレーバーテキストじゃなかったんですけど

えっ今日は4話目を読んでいいのか!?

 私達は死力を尽くして、ナイアを退けることに成功した。もともと向こうは本気でなかったが、隙をついて、効果的な一撃をいれることで撤退に追い込めた。これは成功ともいえるが、失敗とも言える。可能ならここで倒しておくべきだったが、そこまでは届かなかった。そして、どうやら余計な置き土産をしてくれたようだ。


 氷漬けで無力化していた、高橋と山田の氷が溶けていた。だが、様子がおかしい。


 「げっゲェ」

 「あが…がが…」


 虚ろな目をしながら、地面を這いずるように動いている。手足の関節なんかは、すでに人間のソレを無視した方向に曲がっている。折れているのではない、曲がっている。


 「()()()()()か。」

 「うっ…なんてことを。」

 「なにか仕込まれてるわね…一体何を仕込まれたのやら。」

 「このままじゃ、まずいんじゃねぇか?」

 「…残念ながら、もう手遅れね。」


 「ガボ…ガボボボボボ」


 「…すまん、ふたりとも、すまん。」


 佐藤さんはそう言いながら、二人組の首を切り落とそうと剣を引き抜く。霧島さんは、私の目を塞ごうとしたが、私は首を振った。


 「私は…見ます。」

 「高校生が見るには、辛いわよ。」

 「狙われていたのは私です。私には見る義務があります。」

 「…強いのね。理恵ちゃん。」


 二人ともゲスだった。だが、モルモットにされていい道理はない。弄ばれて、結果今こうやって死ぬしかなくなった。しかも、半分は私が狙われたせいだ。


 「…南無三。」


 佐藤さんは二人の首を切り落とした。二人の首から血が吹き…出ない。


 ブリュブリュリュリュ。


 気持ち悪い音を立てながら、高橋からは透明な液体が、山田からは茶色の液体が吹き出す。どちらも粘っぽくて、ゼリーみたいで、そうスライムのような…。スライム?二人の内側から、溢れてきた液体は、二人の体を飲み込み、溶かし、膨張を始める。私は佐藤さんに引っ張られて、金田さんは自分で走って、霧島さんは加藤さんを引きずって、距離を取る。


 やがて、クイーン・ビーの住処だった洞穴いっぱいに、2つの巨大なスライムが出現する。見た目と臭いは、マッドスライムとアシッドスライムのそれだ。違うのは、真ん中に怪しく光る赤い宝玉があることと…もとはこれが人間だったというところだ。


 「ふざけんなッ!!命をなんだと思ってやがるッ!!」

 「生命への冒涜…」

 「吐き気を催す邪悪…か。」


 そして、何より違うのは。


 「黒川!奴隷、に、シテヤル!」

 「青山、ト、雨森、モダ!」


 「元の意識があるのかコイツら。」

 「最悪極まりない、ナイア…やつは、人類の敵ね。」

 「しかも、コイツらたぶん強いぞ。ナイアほどじゃないが。」

 「あの赤い宝玉から、非常に嫌な魔力を感じる。スライム数百匹にも相当するわ。」


 そう言えばこの空洞にたどり着いた時…。


 <<たどり着いて最初に見えたのは、先程の空洞ほどではないが、広いスペースである。そして、そこら中に転がる、大量のキラー・ビーの死体と、空中に浮かぶひときわ大きな蜂。最後にその蜂に、水弾と泥弾を打ち込む二人組。>>


 あれは、水弾じゃなくて、硝酸弾だった?となれば、あの時から、この状態だったんじゃないか?そして、この二人がユニークを討伐したら、更に何かが起きていた可能性が?人間をスライムにして、あのナイアは何がしたかったんだ?


 「…って、えっスライム?」

 「黒川さん、下がって、いくらスライムでも、消耗しているあなたでは…。」

 「あれって、スライム?」

 「そうね、もう人間には戻れないわね。原型を留めていない。倒すしか無いわ。」


-----------

●スライムを滅ぼすもの

スライム属はもはや敵ではない。

対スライムにて補正。ステータスに補正。

-----------


 私は称号の、()()()()()()()()()を思い出す。『スライム属はもはや敵ではない。』という一文を。そして、もう一つ。集団探索に来て、初めてスライムを討伐した瞬間も思い出す。


 次の瞬間、私はここに来て、初めて使う棍棒を引き出して、山田と高橋だったものに走り出した。


 「理恵ちゃん!?」「戻れ黒川さん!」


 これだけ大きければ、蹴り飛ばす必要もない。振れば当たるんだから。佐藤さんの指導を思い出し。まずは、山田だったマッドスライムに向けて、棍棒を振り下ろした。次の瞬間。


 「パァン!」


 風船が割れたかのような音とともに、巨大なマッドスライムは四散した。泥々のスライムジェルが、四方八方に飛び散り、赤い宝玉だけがその場に残る。風魔法で飛び散ったジェルが当たらないように防御しておいたおかげで、今回はジェルまみれにならなくて済んだ。…いや正確には泥だらけか?


 「「「は?」」」


 「―アシッドスライムは、丸ごと凍らせて叩き割れば、酸が飛び散らないんでしたよね?」


 薄々気がついてた。いかにオーバーキルでも、スライムがあんなに弾け飛ぶのはおかしいって。これで確信した。私が攻撃するだけで、どんなスライムも倒せる。対スライムに限定すれば、私は無敵だ。

新作あり〼

触手 in クーラーボックス(仮)

https://ncode.syosetu.com/n1200kj/

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― 新着の感想 ―
いつか出てくるであろうショゴスとかが泣いてるよ。だって勝てねえんだもん
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