やっぱりなんか無理無理無理無理無理なんですけど
『開けた者か、使った者の『LUK』に依存するんじゃないか』…そういえば私ってLUK高かったっけ。あ…あー、そういえば補正も入ってなかったっけ?今まで意識してなかったけど、そういえばそうじゃん!
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>PARAM
-LUK:600 / 500+∀100
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って言うか、そうだ、元から異常なPARAMの中で、一際さらに異常だったのがLUKの項目だ。今まで直接影響を感じられなかったから、そこまで注視していなかった。だが、他のパラメータが300~400の中で、素の値が500という異常値。さらにそこに∀(未開示項目)とかいう、ふざけた理由で上乗せで+100。…あれ?私のLUKおかしくない?
「黒川さん。でもここで使わないともっと無理なことになるわよ?」
「そうだな、もし持って帰って売ろうとするなら、奪い合いになるな。オークションに回されて、最低でも数千万円とかか?」
「唯一世界に現存する『レジェンダリーのスキル宝玉』よ。数億。」
「そんなにか…」
「確定申告、多額納税、絶対に世界中にバレる。」
「…それは、ダンジョン協会としても勘弁してほしいなぁ。」
「ね。それ持ち帰ったら、それこそ黒川さん狙われるわよ?」
無理!絶対無理!やだー!!!
「あの、それを避けるには…」
「ひと思いに使いなさい。無くしてしまえばここだけの秘密よ。」
「それに、戦闘系や探索系のスキルなら、黒川さんの生存率があがるわ。この後の事を考えても、今、あなたが使いなさい。」
ぐぇ。一理ある。確かに有用スキルが手に入れば、生存確率が上がる。霧島さんになんとかしてもらおうと思っていたけれども、その霧島さんも使えというし、佐藤さんも頷いている。ここで決定権を持つ上位者二名が、私がコレを使うことで意見の一致を見ている。詰んだ。
まぁ確かに、ここで使ってしまえば、後腐れがないのは分かる。だが、思い出してほしい。私はまだ高校生だ。数万円という金額でも、私にとっては大金だ。その私に「数千万~数億円をあげるから一瞬で使ってなくしてしまえ」と、言っているのと同義なんだよ。あー、もう!なんでこんな激レアアイテムなんて出るかなぁ!あ、私のLUKのせいだった!自業自得じゃん!
「金田と加藤も、言いふらしたら…協会が黙ってないぞ?」
「言いふらしたら私が氷漬けにして殺すから安心して。」
「絶っっっっ対に言いません。絶っっっっ対に!勘弁してくださいっ!」
「言いませんよ。それこそ私達まで狙われるじゃないですか。」
そして、私以外の意見の一致をもって、私が『スキルの宝玉』を使うことになった。いや、使いたくないんだけど、持ち帰った未来のほうが悲惨だと言われれば、もう腹をくくるしかない。
「…使い方って?」
「飲み込めばいいわ。噛まずに。」
「…はーい。」
投了である。おとなしく、スキルの宝玉を口の中に放り込む。…あ、洗えばよかったかも。いや、今から吐き出すのはもっと嫌だな。大人しく飲み込もう。
「…(ごくん)…これでいいんですかね?」
…数億円の味?無味無臭だね!!…ダンジョンから生きて帰れたら、奏たちとスイーツバイキングにでも行こう。そうしよう。っていうか、行く。
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STATUS / ●NOTICE / QUEST
>新規通知
-ステータス関連
◯レジェンダリーの『スキルの宝玉』が使用されました。
-クエスト関連
◯達成したQUESTがあります。(+)
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安心?と信頼?の通知機能君が仕事を始めた。まぁ今回は心の準備ができてたよ。というか、通知がない訳がないからね。…あ、そういえば、QUEST欄の確認してなかったっけな。あとで確認しておこう。
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STATUS / ●NOTICE / QUEST
>新規通知
-ステータス関連
◯レジェンダリーの『スキルの宝玉』が使用されました。
◯『セキュリティ機能』の有効化を確認。
◯『スキルDB』へのアクセスを試みます。
◯『セキュリティキーI』で『スキルDBセキュリティレベルI』の範囲のロードに成功しました。
◯以降『スキルDBへのアクセス権限』が付与されます。
-クエスト関連
◯達成したQUESTがあります。(++)
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この流れ前にも見た!!ねぇ待って!!待ってよ!!ねぇ、待ってってばぁ!!!
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STATUS / ●NOTICE / QUEST
>新規通知
-ステータス関連
◯『スキルの宝玉』の内包スキルの解析が完了しました。
◯『スキルの宝玉』の内容は『中級魔法使いスターター』です。
◯SKILL『統合元素魔法』『応用元素魔法』『統合中級MP補助』『統合中級魔術補正』を獲得しました。『スキルの宝玉』による取得のため、熟練度キャップはありません。
◯火魔法、水魔法、風魔法、土魔法の所持及び、MPとINTの既定値到達を確認。『魔法使い』のJOBを獲得しました。
◯『魔法使い』のJOBの効果により『統合元素魔法』は『統合元素魔術』に成長しました。
◯氷魔法、電気魔法、金属魔法の所持及び、MPとINTの既定値到達を確認。『魔法使い』は『中級魔法使い』に成長しました。
◯複数の設定可能中・上級JOBの所持を確認しました。『複数JOB設定機能』が開放されました。付随開放のためSP消費はありません。
◯HOLD_JOBの検索を行います。
◯自動的にJOB_SLOT1に『上位探索者』、JOB_SLOT2に『中級魔法使い』を設定しました。
◯WARNING『英雄』は設定条件を達成していません。
◯ステータスを更新します。
◯JOBによる魔法使い関連のSKILLを開放します。
◯JOBによりPARAMに補正が入ります。
◯JOBとSKILLとFEATUREによるステータス変動を反映するために、ステータス画面と各種機能のアップデートを行います。
-クエスト関連
◯達成したQUESTがあります。(++++++)
◯QUEST報酬が受け取れます。
◯一度に多くのクエストが達成されました。達成数が既定値を超えたため、QUEST機能がアップデートされます。
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通知機能君っていつもそうですね!私のことなんだと思ってるんですか!?普通の女子高生ですよ!!…って言うか熱い!体の底から熱が湧いて出るみたい!あ、これがもしかして魔力!?…今までも使ってたけど、確かに認識はできてなかったっけ。…あっなんか次々溢れてくる、なんか凄いかも!!
通知機能「クイーンビーの巣の中にいる上に、金箱からスキルの宝玉を引き当てる人が、普通の女子高生の訳ない」
スキルの宝玉「それは本当にそう」
霧島「ところで、暇だったから魔法で二人組おいかけてるんだけど、なーんか、ずっとジャミングされてんのよねぇ。大まかな位置はわかるけど、たぶんクイーン・ビーと戦ってるかも。」
佐藤「…いかんな、安全は確保できたから出入り口を塞いで、そろそろ出発しないと。」
加藤「気が抜けてきていたけど、いよいよクイーン・ビーだ。気を引き締めないと。」
金田「(霧島の姉さん、なんでもありだな。っていうか、この人本当にCランクか?)」
霧島「金田ー。そこから先考えたr「しません。勘弁してくださいっ。」よろしー。」
金田は短慮ではある。短慮ではあるが、殺気には誰よりも敏感であった。




