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【⭐️5,000ブックマーク】愛用のクッションがどうもなにか変【累計350万PV】  作者: 一級フラグ建築士
第3章 なんかクイーン・ビーを討伐したいんですけど

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なんか無理無理無理無理無理なんですけど

 結論として、『パッケージング』は宝箱にも有効なことが分かった。うまくいくかは不安だったけど、どうやらちゃんと機能したようだ。これがもしも自分のものじゃなかった場合、うまくいったかは微妙である。ただ、感覚として、思ったよりMPが持っていかれた感じはする。おそらくスキル説明でいうところの『梱包の難易度』によるところが大きいだろう。


 「どこからツッコむべきかな。今、目の前で信じられないことがいくつか起きてるんだが。」

 「パッケージングスキル!?商人系のですか!?それにコレって!?嘘でしょ!?」

 「理屈はわかるけどー、普通のパッケージングじゃ無理かなー?」

 「っていうか、おいコレ!!中身ィ!?俺でも分かるぞ!?」

 「SSR確定どころかー。URねー。黒川さーん。アイテム識別IIIって持ってるー?」

 「持ってないです。っていうかコレなんですか?」


 金色でピカピカしているが、大きさは所詮飴玉程度だ。それにしてはやけに硬質な音を立てて、床に落ちたけれども。私はそれを拾い上げて、手のひらの上で転がしてみる。…やはりなんの変哲もない、ただの玉のように見える。「商店街の福引から出てきたヤツ」と言っても、誰もが信じるだろうごとく、ただの玉にしか見えない。これがURなの?


 「これはねー。…あー、その前に、黒川さんは、アイテムのレアリティってわかるー?」

 「それなら仮免許試験の出題範囲の対象でしたので、覚えています。テキスト通りならば、コモン・アンコモン・レア・エピックの順番でしたよね?現実として手に入る範疇であればですけど。」

 「そのとーりー。じゃぁその上は?」

 「レジェンダリー・ミシックです。」

 「そのとーりー。で、これ、レジェンダリーねー。」


 「…えっ?」


 今なんかあまりにもあまりにもな情報がサラッと出たせいで、私の脳が理解することを拒絶した。それはそうだろう。手のひらの上で転がしている、なんの変哲もない玉を()して、信じられないことを言われれば、誰でも脳がバグる。実際今バグってる。


 「…冗談です?」

 「シリアスー。」

 「俺初めて見た!!」

 「当たり前です。レジェンダリーの発見報告なんて数えるしかありませんよ?」

 「その通りだ、そもそもエピックの時点で、報告例が少ない。まぁ、報告してないやつも多いんだろうが、それを加味したうえでもレジェンダリーの出現は完全に想定外だ。」

 「というか、佐藤さん。金箱からレジェンダリーって出るんですか!?」

 「前例は当然ないぞ?」


 「えっ?」


 「えっ???」


 「…今の私は、探索者協会臨時職員でもあるから、可能ならそれを持ち帰ってもらいたいが…まぁ使うだろうな。」

 「…当たり前よ佐藤。これは黒川さんが使うべきだわ。この後の事も考えるとね。」

 「…そうだな。霧島。」


 「えっ!?」


 「黒川さん壊れてねぇ?」

 「無理もないですよ。私も当事者だったら、たぶんこの反応しますから。」


 「…黒川さん。とりあえず説明続けていい?」

 「あ、はい、オネガイシマス。」


 霧島さん()()普通の口調になるって、やばいんじゃない?


 「それは『スキルの宝玉』っていう希少アイテム。使うとスキルが手に入ってー、レアリティによって、見た目がコモン水晶アンコモン、赤い宝石レア銀色エピックと変化する。」

 「ハイ。」

 「入手できるスキルも、レアリティによって変わる。例えばコモン程度なら、『掃除I』とかザラ。アンコモンやレアになると、『水魔法I』や、さっきも言った『解錠II』等の、かなり使えるスキルが手に入る事が多いわ。」

 「ハイ。」

 「ただ、レジェンダリーの『スキルの宝玉』の使用例は報告がないわ。どんなスキルが手に入るのかはまったく分からない。鑑定技能でも『使用時にランダムにスキルが手に入る』ことしか判明してないから。」

 「ハイ。」

 「これは、宝箱も同じなんだけど、中身を事前に見ることは不可能なのよ。鑑定でも分からない。おそらくは、『開封・使用した人物の「LUK」が影響するのではないか?』と考えられているけど、実際のところは検証されたことが無いわ。」

 「ハイ。」

 「これだけのレアリティのスキルの宝玉、たぶん全探索者…いや、魔法使いにとっても垂涎の一品ね。トップランカーたちがこのことを知ったら、是が非でも手に入れたいでしょうねぇ…。」

 「オークションに出したら、いくら値段がつくのか予想できんな。」


 ひぇ。


 「というわけで、黒川さん、ひと思いに使って。」

 「使えませんよ!!!!無理無理無理無理無理!!!そんな高額なもの!!!助けて!!!」


 無理無理無理無理無理無理!!!!

佐藤「(スキルの宝玉のおかげで『パッケージング』についてはうやむやか?まぁもうこれ以上は報告しきれんし、見逃すか…。)」

霧島「あとで黒川さんのスキル、説明してね(小声)」

佐藤「…こっちも把握してない、あとで黒川さんに聞いてくれ(小声)」

佐藤「(霧島は見逃さんか(遠い目))」

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― 新着の感想 ―
主人公はレアジョブ及びスキルの宝玉を使わないエリクサー症候群かと思ってしまう。
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