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【⭐️5,000ブックマーク】愛用のクッションがどうもなにか変【累計350万PV】  作者: 一級フラグ建築士
第3章 なんかクイーン・ビーを討伐したいんですけど

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なんかお宝の気配なんですけど

 「ところで、ここって隠しエリアって認識でいいですよね?」


 加藤さんが何やら気になることを言い出し始めた。金田さんもそれに続く。


 「そう言われればそうだな。3階層のメインフィールドはジャングルで、洞窟の奥クイーン・ビーの巣からもはずれて、上層のどこかと繋がってると思われる。別の出入り口と言ってもいいな。」

 「となると、宝箱とかあるんじゃないです?」

 「あ、宝箱って本当にあるんだ…。」

 「そうだよ黒川さん。まぁフィールドで見つかるようなものは、ゴミしか入ってないけどね。」

 「まぁ、かなりありえるな。しかも、隠しエリアとなるとレア度の高いものも期待できる。」

 「そーねー。あー、この硝酸の湖の中の可能性とかー、普通にあるー。」

 「あー…」

 「何言ってるんだお前ら。」


 佐藤さんが部屋…というか空洞の隅を指差す。


 「入った時からあっただろ。」

 「…マジ!?」「あらー。」「えっ、本当ですか?」「あるんだ…。」


 どうやら佐藤さん以外の目は節穴らしい。いや、普通にあるな。なんで気づかなかったんだってぐらい。もろに宝箱だ。


 「金箱だ!!俺初めて見た!!」「あー、しかも金箱ー。」「えっ金箱じゃないですか!?」


 探索者のみなさんが、口々に『金箱』だと驚いている。金田さんなんて、もう目をキラキラさせて、文字通りお宝を見つけてテンションが上がっている。あ、宝箱まで走って行っちゃった。


 「あの、金箱ってなんですか?」

 「見た目で分かるのー。簡単に言えばー、SSR確定ー。」

 「よく分かりました。」


 霧島さんが、一発でよく分かる例を出してくれた。


 「もう少し詳しく言うと、まぁSSR確定ではある。苔が生えているからちょっと分かりにくいけど、こうやって苔を取り除くとだな…ほら、金色だろう。見た目もちょっと違うんだ。アイテム識別IIがあれば、スキルで識別もできる。」

 「本当ですね。キラキラしてる。」

 「ただ、これはこのまま置いていくしかないな…。」

 「えっなんでですか!?」


 佐藤さんは、せっかく見つけたお宝を置いていくという。確かに、今は、高橋と山田を追うのが優先だけど、せっかくだから開けていけばいいのに。


 「我々のメンツでは、開けられない。」

 「…あっ!?」「そーねー。」「あー。。。」


 えっそんな!?開けられないの!?


 「えっ、そんな!?なんでですか!?」

 「宝箱はその色と形で、レア度と難易度が変わるんだ。難易度が上がれば上がる程に、中身のレア度も上がっていく。これを開けるには、高度な探索技能に加えて、高度な解錠技能がいる。探索者でも訓練を積めばなんとかならないこともないが…金箱は通常の探索で見つけられる最高ランクなんだよ。」

 「これを開けるには、シーフ系の職業か、冒険者系の職業、あるいは商人系の職業を持って、『探索技能I』と『解錠II』以上のスキルの両方が欲しい。」

 「力技で開けてー開けれないこともないけどー。その場合は十中八九罠があるわねー。」

 「あとは、外を破壊したのはいいけど、中身も壊れるパターンがありますね。」


 なるほど。そういうものなのか。


 「特に金箱は厳重に()がされているものだから、中身を取り出すのは難しいんだ。」

 「かと言ってー、これを今から持って行くのはねー。」

 「まぁ、また来た時に開ければいいさ。…その時まで残ってる保証はないけどな。」


 …本当に置いていくしかないのか?…いや、私の第六感が「開けるべき」と囁く。さっき佐藤さんも言ってたじゃないか。私の直感は、スキルや称号の影響の可能性があるって。となれば、この直感を信じて今ここで開けるべきだ。何か手は…力付くで開ける?いや、駄目だ、危険すぎる?解錠を試す?スキルもないのに?…ん?スキル?待てよ?厳重に封が…封…封を開ける…中身を出す…開封する?


 「…」

 「どうしたの黒川さん?」

 「封…開封…開ける…中身を出す…」

 「黒川さんー?大丈夫ー?」

 「…これって封されてるんですよね?」

 「その通りだけどー?」

 「ダンジョンで見つけた宝箱って、誰のものですか?」

 

 そう、そこをクリアできれば、もしかして。


 「まー、基本は第一発見者?この場合は佐藤さんですかね?」

 「いや、こっちの探索を最初に主張したのは黒川さんだから、黒川さんかな?」

 「私のものってことでいいですか?」

 「…うーん。どうだろうか?俺は第一発見者の佐藤さんになるかと思うぜ?」

 「だけど、それが一体どうしたんだい?今からこれは放棄して、戻るところだけど?」

 「ならば、放棄した場合って、どうなります?」

 「誰のでもないかな?また発見したら、その発見した人のものでいいかも。まぁ普通は、宝箱を見つけて放棄するってことがなかなかないんだけどね。木箱や銅箱なら普通に開けれるし。」

 「じゃぁ、これ、()()()()ってことでいいですか?」

 「別にいいけど…開けられねぇだろ?」


 よし、これで私のものという認識になるはずだ。厳重に「入れ物に封じられている」のであれば…。私の第六感を信じろ。出し惜しみは無しだ!きっと、ここが使い所だったんだ。


 「…パッケージング!開封II!」


 カツン、コロコロ…。


 宝箱の中身を、宝箱の隣に指定して『開封』したところ、金色をした丸い物体が、硬質な音を立てて床を転がった。


 「「「「は(ー)?」」」」


 …で、何これ?コレが中身?中身が金色キラキラじゃん。何これ。

金田「(金◯)」

霧島「あなた、それ口に出したら殺すわよ?」

金田「…なんでわかるんだよ。怖ぇよ。」

加藤「(いや、あなたの思考がわかりやすすぎるんですよ。)」

佐藤「(金田はもう当分はDランクかな…)」

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― 新着の感想 ―
あ、やっぱり宝箱もいれものか〜
>カツン、コロコロ…。 足元どろどろじゃなかったの?
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