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【⭐️5,000ブックマーク】愛用のクッションがどうもなにか変【累計350万PV】  作者: 一級フラグ建築士
第2章 なんかついに集団探索なんですけど

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ダン警や!!(ダァン)はよ開けんかいコラァ!!

 「おらァ!!大人しく投降しろ!水原ァ!!」

 「ダン警や!!(ダァン)はよ開けんかいコラァ!!」

 「出てこい水原!!もう逃げ場はねぇ!!投降しろ!!」

 「テメーには、公文書改ざん、3名の探索者の殺人・傷害、業務上横領、それからダンジョン特措法違反、ダンジョン内不法行為で逮捕状が出ているっ!」

 「お前の周りはダン警とA・Bランク探索者が包囲しているっ!証拠はあがってる!大人しく出てこい!」


 FP支部の外には大量のパトカーに、T県探索者協会支部の保安要員がこれでもかと詰めかけ、ダンジョン警察と警察の特殊部隊が既に突入準備をして待機している。更に、万が一を排除するためにダンジョン警察の許可と、ダンジョン特措法の『探索者による犯罪探索者への武力行使規定』の拡大解釈を元に、T県支部・T県西部支部が臨時クエストで招集した、A・Bランクの探索者が周りを固めている。まさに逃げ場はない。


 FPダンジョンは岬の判断を受け十文字の権限により閉鎖された。当然実施されていた、全校の集団探索は中止され、1F及び2Fにいた生徒・冒険者は全員FPダンジョン外に退避していた。FP…フォレストパークは広い公園であるが、退避した大勢の探索者と駆けつける警察、そして、この騒ぎに感づいて駆けつけたマスコミによって、今だけはとても狭く感じられる有り様だ。


 生徒達は人数確認、安全を確保されたあと、T県支部・T県西部支部の探索者協会職員によって、フォレストパーク外の安全な場所に、順次集団で移動していた。なお、一番に移動させられたのはやはり呉西商業の生徒たちである。県外から来ているものは、自分たちの宿泊施設へ、近隣の学校のものは当然学校へと移動している。だが、フォレストパークに残ったものが3名いる。


 「理恵ちゃん…。」

 「大丈夫だよカナ。りえちは大丈夫。」

 「そうよ。きっと大丈夫よ。」

 「京ちゃん…利香ちゃん…。」


 二宮奏、青山利香、雨森京子の3名である。探索者協会は当然、呉西商業へ送ろうとしたが3名が頑なに拒否したためだ。ひとえに黒川理恵を心配したがためである。「理恵が戻って来た時に、3名で待っていてあげたい。」と言われては、周りの探索者も強制的に移動させることはできなかった。

 

 さて、現在FP支部の一室の前は、ダンジョン警察…つまりはダン警がガチガチに固めていた。その固められた部屋の中にいるのが、水原である。岬と西部支部職員の調査によって、ほぼほぼ証拠はあがっている。この水原は、なんとFP支部支部長でありながら、ダンジョン内にいた探索者に危害を加えたのだ。このスキャンダルに、T県探索者協会とダン警が取った行動は素早かった。治安と安全を守るために、即断で水原の逮捕を決定した。


 断固として決定的な対応に、水原は追い詰められていた。もはや未来はない。


 『緊急生中継です!現在殺人の容疑で逮捕状が出ている水原容疑者はFP支部に立て籠もり―』

 『ダンジョン警察が周りを固めています!着々と突入準備が整えられ―』

 『こちら、上空のヘリコプターです!水原容疑者は建物2階の―』

 『ダンジョン警察は水原容疑者の逮捕を即断し―』

 『ご覧ください、武装した探索者がダンジョン警察に協力し―』


 今日のTVはすべてこの生中継である。マスコミもダンジョン支部の支部長のこのスキャンダルを見逃す訳がない。全チャンネルが、FP支部の水原の部屋に突入せんとするダンジョン警察の生中継だ。のちに、このシーンはSNSや動画共有サイトに幾度となくネタにされることになるが、それは別の話だ。


 「くそっ…くそぉ!十文字め!いつもいつも邪魔を!」

 「それに、あの野郎!あの野郎の言う通りにしたのにこのざまだ!くそぉ!」

 「それと、十文字の腰巾着のあの(アマ)!あいつがいなければ!」

 「黒川理恵を捕まえるだけで、一生安泰だった!そのはずだったのに!」

 「…殺してやるっ…殺してやるぞ十文字!道連れにしてやる!」


 水原はポケットから、不気味に光る赤い宝玉を取り出すと、ソレを飲み込んだ―。

「ダン警や!!(ダァン)はよ開けんかいコラァ!!」

岬「(まるでヤクザだな…)」


次から3章です

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