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【⭐️5,000ブックマーク】愛用のクッションがどうもなにか変【累計350万PV】  作者: 一級フラグ建築士
第2章 なんかついに集団探索なんですけど

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なんかジャングルにいるんですけど

 ―暑い


 先程まで清涼とした川辺で水遊び…じゃないな。スライム遊び?をしていたはずだが、今は打って変わって、ジャングルの中にいる。眼の前にはうっそうと茂った木々と、ぬかるんだ地面。この景色がまるでどこまでも続くかのようにすら思える。…正直言って、ここまで環境が激変するとは、ダンジョンは本当に不思議だ。地上のジャングルに訪れたことはないが、本当のジャングルもこんな感じなのだろうか?


 試しに地図作成Iを発動してみると、MAPいっぱいに広がる木々しか表示されていない…これ自分の現在位置も分からないのか。


 「あー、足跡ばっちりだ!2人分!」

 「そうですねー。くっきり残ってますー。」

 「他の足跡もあるけど…これはより前につけられたやつだな!」

 「…佐藤さん、今3F以降に潜ってると思われる探索者って何名でしたっけ?」

 「20名だが、全員7F以降に前から潜ってる中堅からベテランだな。おそらく3・4Fにはいないだろう。」


 緊急招集で集められた6名の内、佐藤さんと合流した探索者は3名。残り3名は位置が遠すぎて後ほど合流する手筈になっている。いずれも、2F巡回で3F入口近くで巡回をしていて、すぐに駆けつけられたランクD~Cの探索者だ。


 『「初心者殺しの3階層」…突破するだけならDランクでもなんとかなるけど、人探しとなると別だわ。』

 「任せてくださいよ!伊達に長いことFPに潜ってませんから!」

 『あなたが一番心配なのよ、金田。』


 一人目が金田さん。いかにもな男性探索者。Dランク。


 「大丈夫ですー。いざとなったら私が金田を気絶させますー。」

 『それはそれで大丈夫じゃないわよ。霧島。』


 二人目が霧島さん。特徴的な喋り方の女性探索者。Cランク。


 「指揮は佐藤さんにお任せします。霧島さんだとちょっと…。」

 「安心しろ加藤。もとよりそのつもりだ。」


 三人目が加藤さん。落ち着いた風貌の男性探索者。Dランク。


 これに佐藤さんを加えれば、Cランク2名とDランク2名の編成であり。3階層を突破するだけならば、特別問題がない編成である。


 「ところでー。どうみてもニュービーなそちらの女の子はー?なんでこんな場所にいるんですかー?お家へおかえりー。」

 「霧島。この娘は黒川さんだ。このまま連れて行く。」

 「はー?どう見ても「初めてダンジョン潜りました!」感満載のEランクじゃないんですかー?危険ですよー?」

 「違う、彼女は仮免許だ。」


 合流した三名組が驚いた顔をして、空気が変わる。


 「…正気ー?」

 「…えっ!?」

 「それマジ?」


 (私だって行きたくないんだけどなー)


 「冗談ではなくシリアスだ。彼女は今探索に同行する。」

 「佐藤?いつからお姉さんに冗談を言えるようになりました?あなたはユーモアが言えるような人じゃなかったはず。」


 あ、普通の喋り方できるんだ霧島さん。…あ、金田さんと加藤さんがさっきより更に驚いた顔してる。たぶんいつもこんな喋り方なんだろうなこの人。


 『霧島、残念ながら佐藤の言うとおりです。佐藤の指示に従ってください。』


 すかさず岬さんからフォローが入る。


 「…問題になりますよ?西部支部の岬さん?十文字さんはご存知なんですよね?」

 『十文字さんから許可が出ています。』

 「…それが西部支部のやり方です?」

 『そう取ってもらって結構です。』


 「…ならもう私は何も言わないー」

 「…反対…と言いたいけど無駄なんでしょうね。」

 『決定事項です。』

 「それなら俺も問題ない。こっちの責任にならなければな。」

 「西部支部の命令であればしょうがありませんね。…後で抗議はさせてもらいますが。」

 『終わった後も同様の考えならどうにでもして。』

 「…そうですか。わかりました。」


 どうやら話はまとまったようだ。


 「霧島。」

 「…なにー?さとー?」

 「守ってやってくれ。」

 「…がんばるー」

岬「霧島と佐藤のCランクに、加藤と金田のDランク…まぁとりあえず投入するだけなら大丈夫か」

岬「追加人員はどうなってる?」

職員「それが…残り3名全員と連絡がとれません。」

岬「…最終交信はいつ?」

職員「10分前です。」

岬「…もしかしなくても、やられたわね?生死は?」

職員「確認中です。既に西部支部からの応援を、最終交信地点に向かわせてます。」

岬「次から次へと…でもこれで、計画的で周到な襲撃なことほぼ確定ね。…舐めたことしてくれるわね。」

岬「ダンジョン封鎖及び、非常事態宣言も視野にいれます。生徒の安全確保急いで。」

職員「了解しました、準備します。」

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― 新着の感想 ―
さくっと死者でとる? これはハード系フィクションの予感!
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