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【⭐️5,000ブックマーク】愛用のクッションがどうもなにか変【累計350万PV】  作者: 一級フラグ建築士
第2章 なんかついに集団探索なんですけど

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なんかただの集団探索だったはずなんですけど

活動報告もさせていただきましたが、2万PVを達成しました。本当にありがとうございます。

 「黒川さん」「本当のレベルいくつ?」


 どうやら佐藤さんは、私のレベルがレベル5じゃないと知っている?いや、はったりかもしれない、それに、高橋と山田が消えただけなのに、私のレベルの話になる理由がわからない。―なぜ?なぜ私のレベルの話になる?セキュリティ機能も働いてるはず。実際、仮免許発行時のステータス鑑定でも、問題はなかった。どうして。


 どうして佐藤さんは、私のレベルを。


 「…本当のレベルって…どういう意味ですか?私はまだ、そう、高校1年生ですよ?ダンジョンに潜ったのも今日がはじめてです。初めてなんです。それに、なんで私のレベルの話になるんですか?高橋と山田が3Fに無断侵入したって思われるだけじゃないですか。ひどい言い方にはなりますが、私には関係ないですよね?ダンジョンで行方不明になったのが危険なのは分かりますが、ここまでの話から判断するに、おそらくはあの二人の自業自得のハズですよね。意味が分からないです。」


 そう言うしかない。それに、これは本当のことだろう。事実、あの二人は素行が悪いという話だったし、かいつまんで聴いた感じでも、ありありとこの集団探索をバカにしている様子だった。『スライムなんて敵にならない。』『自分たちは強い。』『探索者よりも上位のJOBもある。』だから3Fでも十分だ。そんな短絡的な考えが読み取れる。軽薄だ。


 「全部伝える暇が惜しいんだけど…まず結論から言うね。狙われてるのはほぼほぼ黒川さんだよ。」


 ―えっ、何言ってるの?私のレベルとか、なんで狙われてるとか、えっ狙われている?なんでその話になるの?前後が繋がらない。高橋と山田が消えたから、なんで私が狙われるの?高橋と山田に?あの二人は3Fに向かったんじゃないの?


 「簡単に、順番に説明するね。まずあの二人は、何かしらの手段を用いて、現役冒険者2名の目を欺いている。そもそもいくら剣士や冒険者のJOBを持っていても、所詮は仮免許。中堅どころの探索者2名を独力で欺く力なんてないんだよ。」

 「…それは同意します。」


 それはそうだ。そうであれば、先輩探索者からの指導なんていらない。


 「山田君と高橋君の二人は、普段の指導態度を見ていてもかなりの熟練度不足だ。まぁそもそも皆スタートが一緒なんだから、当たり前の話ではあるんだけど。今回合流する時も、当然、戦闘やダンジョンへの慣れは感じられなかった。うまく偽装してた可能性はあるけど、普段の短絡的な行動を見る限り、その可能性はまず無いと見ていいだろう。」

 「…」

 「さて、一方で指導・引率という名目でつけた鈴木と中川の二人だが、両名とも中堅の探索者だ。鈴木は言動こそ軽薄な感じがあるが、当地区の探索者の中で最速でCランクに昇格した将来有望な実力派だ。当然FPダンジョンの2Fの地理も把握している。そして、中川は次期Bランクが確実視されている、中堅の中でも筆頭の探索者だ。探知・探索のスキルに優れていて、普段の探索では斥候の役割も担う。インビジブル(透明化)程度であれば、まず間違いなく気付ける。そもそもが3F入口の監視を任される程に信頼されている保安要員でもある。」

 「…そんなに…すごい方たちなんですね。」

 「では、その二人を欺いた、高橋君と山田君は、()()()()()姿()()()()()と思う?」

 「…」


 そう言われると変だ。


 「事実、今までFPダンジョンの集団探索で、ロスト者は出ていない。出すほうが難しいんだよ。事故があったとしても、不注意による崖からの転落や、川や水たまりで溺れたっていうぐらいの可愛いものさ。中堅探索者がついておいて、仮免許の生徒二人を見失うことなどこの1・2階層では決して無い。しかも今回は現役の中堅探索者、しかも探知に優れた探索者の監視付きだ。ただの仮免許保有者如きが欺ける訳がないんだよ。最初から勝負になんてならない。」

 「…」

 「そしてその中堅探索者二人が、揃いも揃って『消えた』と言ったんだ。」

 『「!」』

 「―第三者の介入がある。それも()()()()()()()()()()()()()が介入したと考えるのが妥当だよね?」


 「…そう…かも…ですね。」

 『…佐藤、続きを。』

 

 「じゃぁ次、なんでそれほどの実力を持つヤツが、『なぜ素行の悪い仮免許二人組に手を貸す?』あぁいや、この可能性もあるか、『あるいはなぜ仮免許の者を拉致する?』のか。しかもこんな集団探索で、大勢の生徒がごったがえしてる中で。」

 「…分かりません。」

 「そうだね、分からない。普通に考えれば。」

 「…」

 「そもそも、今日が変なんだよ。明らかに、『FPダンジョン支部』では管理しきれない数の集団探索の受け入れをしていて、本来厳重になるはずだった2Fの警備は、ぎりぎりまで人数が削られた。結果として、今も応援人員を呼ぶことができていない。この12校もの集団探索を受け入れる事が可能なほどに、広大なダンジョンでかき集められた人員がたった10名だ。」

 『…!』

 「FPダンジョン支部内に協力者がいる。」

 『…ッ集団探索の受入履歴を調べて!受付した者と承認した者を!』

 

 ―私は、いや、


 ―()()は一体何に巻き込まれようとしているの?

昼間は室温31℃とかあって、夜中にちょっとずつ書き進めてます。よしなに。


岬『T県探索者協会西部支部へ応援要請』

T県西部支部『了解。十文字支部長の指示を仰ぐ。』


探索者協会ギルド組織図


日本探索者協会

各都道府県探索者協会(ただし東京は日本本部が兼任)

(場合によって地区支部)→ T県西部支部はココ!

各ダンジョン支部 → FPダンジョン支部はココ! FPは大型ダンジョンのため支部設置対象。

各ダンジョン出張所


※ダンジョンの規模によっては支部や出張所がなく、出入り口に監視員がいるだけの場合がある

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