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【⭐️5,000ブックマーク】愛用のクッションがどうもなにか変【累計350万PV】  作者: 一級フラグ建築士
第2章 なんかついに集団探索なんですけど

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なんか集団探索なのに別行動なんですけど

 「…ではそろそろ、もう少しスライムの多い場所に移動しましょうか。このままでは、今日の目標が達成できないので。」


 「佐藤さん、今日の目標ってなんですか?」


 「『1レベルアップ』なので、それぞれが保有するEXPによりますが、EXP換算で200~400程度ですね。経験値補正込みで考えると、スライム1体で5~6程度なので、40体~80体ぐらいですかね?まぁ1レベルぐらいならこれぐらいで大丈夫だよ。3レベルともなると、スライムから得られる経験値が減っちゃうから辛いけどね。」


 1レベルUPか…うーん。そうだよね、普通は500EXPでLVUPだよねぇ。…私には焼け石に水だなぁ。


 「そういえば、そもそもEXP稼ぎに来てるんだったっけ。びしょ濡れになって忘れてた…。」


 奏が遠い目をしてる。


 「ごめんよ奏…」

 「いや、逃げだすスライムが悪いし…」


 …それはそうだけど、違うんだ。私のせいなんだよ。


 「あー。あと、ちょっと他の班と合流するね。黒川さんを別行動にしたいので。二宮さんは、青山さんと雨森さんと一緒に、スリーマンセルを組んでください。」


 えっ、なんで!?私だけ仲間外れ!?


********************

 

 というわけで、近くにいた別の班の人と合流した。


 「おーい、ちょっといいかー?」


 佐藤さんが別の班に声を掛ける。


 「あれ?佐藤さんじゃないっすか?どうしたんっす?」


 引率してる冒険者の方が答える。


 「ちょっと話したいことがあるので、生徒の皆はちょっとそこで待機しててくれ。鈴木はこっちに。あと、無線で巡回の中川を呼んでくれ。」


 「了解っす。」


********************


 合流したのは探索者の鈴木さんが率いる班だった。向こうの班にいたのは、女子のペアと、男子のペアで、女子のペアが「田中・中田」の田中田ペアで、男子のペアが「高橋・山田」の高田ペアだ。…いや、私は名前覚えてなかったんだけど、利香ちゃんと京ちゃんが教えてくれたよ。…うん。今度からもうちょっとクラスのことを覚えようか。全然記憶になかったよ…。更に鈴木さんが無線で呼び出した、探索者の中川さんが引率に加わった。


 というわけで、佐藤さんと私だけが別行動になった。一方で「二宮・青山・雨森」「田中・中田」「高橋・山田」の3組を、鈴木さんと中川さんが引率する形に。向こうの組は、湿地帯の奥の方に行って、スライムがたくさんいるところで、経験値とジェル稼ぎをするそうだ。


 ただ、利香ちゃんと京ちゃんが、ちょっと気になった事を言っていた。


********************


 「うーん、高橋と山田かぁ…」「ちょっとまずいかな、あんまり関わりたくない。」

 「ん?どうして京ちゃん、利香ちゃん?」

 「あの二人あんまり素行よくないのよ…」 「普段からわりと問題児」

 「しかも、剣士と冒険者のJOBを持ってるって公言してて、「スライムとか雑魚すぎ」とか言ってるぐらい。真面目にやってる、他の生徒を煽っては先生に怒られてた。」 「なにかしら絶対やらかしそう。」

 「集団探索前にも「3Fぐらい余裕だろ」とか言ってたし。」 「見て、ほら、田中さんと中田さんも、声をかけられて、嫌そうな顔してるでしょ。」


********************


 …大丈夫かな。


********************


 さて、私()()は、佐藤さんの引率で皆とは違う場所に来た。小川の川辺のスライムの多いあたりだね。あっちこっちでうごうごしてる。ただ、川辺は川辺でも、それなりに開けてて十分な広さがある。


 「黒川さんだけごめんねぇ。黒川さんが近づくとスライムが逃げちゃうので…それに黒川さんの戦い方だと、ジェルが集まらないし、周りに被害が出るので。ここなら飛び散っても大丈夫だし、次から次にスライムが出てくるポイントなので、黒川さんの戦い方でも十分に稼げるはずだよ。」


 まぁ、それはそうか。私がスライムの多い場所に行ったら、他の皆がスライムを倒せなくなっちゃうか。それに確かにあちらこちらに、スライムが山のようになっている。なんなら、川からスライムがぽよぽよと、上がって来ている。あー、よく見ると小川に流れてるのかスライム。それが、この小川のカーブ部分に堆積して、溜まってて、そのスライムが陸地に上がって来てると。あ、よく見るとあの水たまりにいるのも全部スライムだな。


 「と言うわけで、このあたりには他の班もいないから、思い切ってやって大丈夫ですよ。」


 「確かに、ここなら困ることはなさそうですね。」


 なんかようやく『スライムを討伐しに来た』って感じがするなぁ。

山田「かったるい」

高橋「スライムとか雑魚でしょ」


田中「(うっさいなこの二人)」

中田「(引率の人の話も聞かないし大丈夫かなぁ…)」


鈴木「(うーん、この二人ちょっと注意っすねぇ…何事もなくおわればいいっすけど。)」


山田「(高橋、作戦通りな)」

高橋「(おう)」


中川「(うーん、俺は巡回と3F入口の監視も兼ねてたんだけど、確かにこの二人やばいな。こっそり本部に巡回人数増やすように要請しておくか…。)」


協会職員「中川から『3F入口の巡回ふやせ』ってきたけど、すぐ動けるやついる?」

岬「…人員かつかつです、12校の集団探索中ですよ?」

協会職員「…まずいな、近くの支部から人呼べ」

岬「たぶん到着まで2時間とかかかりますよ。下手するとそっちも集団探索中かも。」

協会職員「やっべ、どうしよ」

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― 新着の感想 ―
下の方の山田氏と高橋氏の会話に誤字報告が出来ないのでコメントします。 作戦どうりは通り(どおり)です。
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