なんか仲良くなりたいんですけど
委員長が眼鏡を直しながら、私の方を睨みつけてきた。
「そもそも黒川さんって、いつも7限目大体いないですし、サボってるんですか?そんなんだから、クラスメイトの名前も分からないんじゃないです?」
…委員長の方がちょっと私に不満があるみたいだな。7限目うんぬんはたぶん簿記のことだろうけど、それは私悪くないんだけど。
「いや、7限目は簿記の方は受けるなっていわれてますし、探索者課程の方は大体出てたじゃないですか。サボってなんかないですよ。」
心外ではあるので反論をする。実際、サボったことなど一度もない。
「まぁまぁ、利香っち、そもそもサボりだったら先生が言うでしょ」
風紀委員のちょっとギャルっぽい方が委員長の方を止めてくれた。っていうか、ギャルっぽいのに風紀委員やってるのか。今頃気付いた。
「それはそうですけど」
「あー、黒川さん。私の名前は雨森京子だよー。よろしくねー。」
雨森…初めて聞く名字だな。
「よろしくおねがいします。」
「そんでこっちのツンツン眼鏡が、青山利香ちゃんね。ただ、黒川さんクラス付き合い悪いからさー、たまにはクラスメイトと遊びに行こうよ。」
「ツンツン眼鏡は余計です。」
…たしかに7限目が終わったら、すぐに帰ってはいろいろやってたからなぁ。LINEとかも奏とやるぐらいだし、確かにクラスの皆とは全然しゃべってなかったな。あと、悪いけど確かにツンツン眼鏡なんだよなー青山さん。
「…それは、確かに付き合い悪かったかもしれないです。是非誘ってください。」
「まぁまぁ、今日はこの4人で班なんだし仲良くいこうよ。」
更に、奏が青山さんとの間に入ってくれる。奏と雨森さんが私と青山さんの間に入ってくれたおかげで、青山さんが落ち着いてくれたようだ。
「…確かに、二宮さんの言うとおりですね。言い過ぎました。申し訳有りません。京ちゃんが紹介してくれましたが、私が青山利香です。よろしくお願いします。」
よかった、これを機会に仲良くなれるようにしたほうがいいな。というか、確かに高校になってから、友達を作ってなかったね。まぁ作るような余裕が私にはなかったんだけど…これは反省だなぁ。
「いえ、人付き合いが悪かったのは自覚がありますので。こちらこそ、ごめんなさい。こちらこそ、強く返しすぎました。あらためて、黒川理恵です。よろしくお願いします。」
「二宮さんも黒川さんも、私のこと京ちゃんって呼んでね!」
「それだったら私のことも是非、カナって呼んでくださいー。」
なんか奏と、雨森さんはすぐ仲良くなれそうだな。ところで…
「…奏ってカナって呼ばれてるの?」
「うん、そうだよー。まぁ理恵ちゃんとは付き合い長いし、今まで通り奏でいいよー。」
知らなかった…。まじか。長い付き合いだしずっと奏って呼んでたし。そういや、二人で遊ぶ時もずっと愛称とかで呼びあったことなかったや。
「黒川さんのことはなんて呼べばいいですか?」
青山さんが一歩踏み出してくれた。ちょっと嬉しい。
「特に呼ばれたことがないので…好きに呼んでいただけると。」
「「じゃぁ、りえちで!」」
奏と雨森さんがハモる。やっぱりこの二人相性良さそう。
「それでは、私もりえちとお呼びしますね。」
そしてやっぱ真面目だな青山さん。
「雨森さんは京ちゃんで、青山さんのことはなんて呼んだらいいですか?」
「それでは利香と呼んでください」
京ちゃんに、利香ちゃんね。
「そろそろ自己紹介、終わりましたかね?大丈夫ですか?」
あ、佐藤さん待っててくれたんだ。




