ついにダンジョンに潜るみたいなんですけど
ついに念願?の『探索者仮免許』を取得しました!と言っても、試験には合格済みだったので後は発行するだけだったんだけど、なんとか発行できてよかった。後は、探索者協会で団体で発行手続きするだけだったからね。ちなみに、この『高校生向け探索者仮免許』は『学生証』のICチップに埋め込まれてるので、新たに顔写真とか撮る必要もないので、探索者協会に行って、鑑定のアイテムで鑑定受けて、そのデータをそのまま、機械で学生証に書き込んで、数秒で発行完了。それと別に、プラスチックカードのやつも発行されるけど、そちらは顔写真なしの簡易なものだ。
ダンジョンにまで学生証を持ち込むわけにはいかないし、探索中にロストしてしまう可能性もあるので、ダンジョン内には、そちらのプラスチックカードの方を持ち込むってわけだね。
で、探索者仮免許に書き込まれる情報は「名前」「性別」「所属する探索者協会名」「探索者ランク」「探索者番号」の5つだ。それと別にICチップの方に追加で「鑑定時のステータス(数ヶ月に一度書き換え、必要があれば都度)」「口座情報」が書き込まれている。ただし、高校生向け探索者仮免許では「深い階層」まで潜れないので、多額の換金の心配がないため「口座情報」は省かれている。ちなみに、一般の探索者だと「マイナンバーカード」を使う。
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ダンジョンに入場するにあたっては、まずは受付で仮免許を使って入場手続き(今回は集団入場なので教師と協会側が一括で手続き)し、更衣室のロッカーの鍵を借りる。これは更衣室を使わない場合でも借りる必要がある。そして、更衣室で着替えと貴重品の預け入れを済ませた後、鍵は受付に預ける。つまり、受付履歴とこの鍵によって「入場中」の確認が取れるようになっている。
全員、ヘルメット、胴体プレート、盾、棍棒と、ドロップ品を入れる袋(リュック、あるいは腰などにつけられるポーチが望ましい)を装備した状態で、待機広場に集合している。ちなみに、探索者仮免許のプラカードは、必ずホルダーに格納して、チェーンやストラップで落とさないような状態にして、ポケットに入れていなければならない。今回は集団探索なので、学校側が用意したホルダーが事前に全員に配られている。
入場はクラスごとに行われる。今回、私達のビジネスマネジメント科は一番目だ。ついに、ダンジョンに入場…ではあるが、クラスの特に男子連中には、なんとなく気の抜けた空気が漂っている。こんな感じで大丈夫かな…?
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「ついにフォレストパークダンジョンでの実践です。君たちの仮免許で入れるのは、1Fと2Fまでとなってます。3F前の階段には、協会職員が在駐しているので、まぁ、奥にまで進むような人はいないでしょうが、絶対に3Fまで降りてはいけませんよ!」
引率の冒険者の佐藤さんが説明を続ける。
「特に、少したるんだ雰囲気が感じられます。確かにFPダンジョンはローリスクで安全なダンジョンです。日本でも有数のリスクゼロの判定を受けていますが、それでもダンジョン内では常に危険がつきまといますので、事前の指導どおり、絶対に気を抜かないようにしてください!」
至極ごもっともであるが、それでも話半分に聴いてる連中が出るものだ。
さて、ダンジョン内ではさらに班ごとに別れる。ツーマンセルを基本として、2組で行動。つまり4名で1班。そこに監督の冒険者が入って5名での集団行動。クラス人数は20名なので、1クラスで5班に別れる。今回私のツーマンセルの相方は、友達の奏である。
だが、そんな奏も初めてのダンジョンに緊張してる部分もありつつ、楽しみと興奮で少し浮ついた感じがしている。これは、私がカバーした方がいいかもしれない。
一方で班となる、もう一つのツーマンセルの方はこれまた女子二人組である。一人はクラス委員長の真面目な人で、もう一人も風紀委員のやっぱり真面目な人だ。うん、緊張してる感じで、周りを警戒してるし、班として行動するのならこれ以上ない組み合わせかもしれない。…えっと、名前なんだっけ。
「名前なんだっけ?って顔してますね。黒川理恵さん。」
―あははは、やばいな。ばれてる。
そういえば、作品含まれる要素とかタグ?とかって何つけたらいいんですかね?




