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【⭐️5,000ブックマーク】愛用のクッションがどうもなにか変【累計350万PV】  作者: 一級フラグ建築士
第1章 なんか探索者(仮)になりたいんですけど

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やっぱりなんか初期装備が木の棒なんですけど

 「今日は黒川さんは、形式的には探索者基礎の補習ということになっています。」


 探索者協会の岬さんより告げられる、いきなりの補習授業のお知らせだ。だが、形式的にはってことは、どういうことなんだろう?あと今気づいたけど岬さんが持ってるのは、棍棒のように見えるけど、もしかして新しい私のかな?


 「前回の授業で棍棒が駄目になってしまったので、その後の棍棒の使い方の授業の追加講習という形ですね。実際に扱わないと分からない部分もあるので、明日の授業の前にうち(探索者協会)が出張して、指導をしに来たという形です。」


 「あぁ、そうなんですね。」


 「棍棒の使い方は、探索者仮免許の要件である『短剣術・棒術・剣術・弓術いずれかの習得』にも必要になってくるので、早い段階で使えるようになってもらいたいんですよね。なので一日遅れた分も取り返してもらいたいんですが…。本当は校庭がいいんですけど、別クラスの邪魔になりますし、一人なら空き教室でもいいだろうということで、この部屋になりました。」


 「というわけで、用意した棍棒がこちらです。」


 岬さんが持っていたのは、やはり棍棒だった。手渡しされた、それをそっと受け取る。


 「…うーん、なんか前のと形とか大きさは一緒ですけど、なんか違くないですか?」


 新しく受け取った棍棒は、黒色をしていて前のよりも少し重たい。見た目はそれほど変わらないけど、なんというか、ちょっと威圧感があるような?というか、やっぱ棍棒って、見た目木の棒なんだよなー。初期装備…正確には二代目装備?だけど、やっぱりこんなもんなのかな?初代はあっさりへし折れちゃったし、木の棒なんかで大丈夫かなという気持ちはやっぱりあるよね。


 「この時期は、全国の高等学校に棍棒が納品されるので、同じ形の棍棒が当協会では在庫が用意できませんでした。また、前回と同じ型番の棍棒では「また壊れるんじゃないか」と不安もあるだろうということで、…ちょっと差額が出るんですけど、いや本当はちょっとどころじゃないんですけど…、もう少し丈夫な棍棒として、上位モデルのものを用意させていただきました。クラスの他の人のとは違うものになるけど、協会側の認定品になりますので、授業で使っても問題ないものになります。」


 どうやら少しお高いやつになるらしい。ラッキーと言えばいいのか、どうなのか。あと、やっぱり簡単に折れた事は協会の方でも不安に思っているみたいだ。


 「というわけで、早速扱ってみてください。とは言え、室内なので軽く振るう感じで大丈夫です。今日は最低限取り扱えるかどうかだけ見たいので。」


 「わかりました。」


 私はお二人と距離をとって…というか、お二人が距離をとった?さっきまで、すぐ近くにいたはずなんだけど、いつのまにか十分な距離を離れてる。いつのまに移動したんだろう?そういえば佐藤さんって有名な探索者の人だったっけ?それぐらいにもなるとあれだけ動けるのかなぁ?


 「振るい方は前回の授業で、佐藤が説明していると思いますので、やってみてください。あぁ、そうそう、室内ですのでかる~くでいいですよ。後ろにはみんなに支給する盾などがあるので、万が一壊れたら大変ですので。かる~くでお願いしますね。」


 あぁ、後ろにあるあの段ボールの山、明日支給される盾なのか…。


 「ではいきますねー。」


 ヒュン


 縦・横・払い・突き…と、軽く棍棒を振るう。振るい方は、前回佐藤さんが教えてくれたように、面で当てる感じで。まず、当てることを意識する。


 「どうですかね?」


 私は一通り振るった後、岬さんに尋ねる。…あれ?岬さんがなんか渋い顔をしてる?


 「取り扱いには問題はないですね。ないですが…いえ、問題ありません。ダイジョウブですよ。」


 んー?一体、なんだろう?まぁでも大丈夫ならいいのかな?

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