なんか両方とも無くなってるんですけど
利香ちゃんと仲良くなれた気がする。もう既に友達だと思っていたけど、なんというか、ほんのちょっと一歩だけ踏み出せたように思える。お互い同じ様に思ってたみたいだし、なんとなくやっぱりシンパシーを感じる。これからも、もっといろんな事を話せればいいな。
「あ、霧島さん、そう言えば、なんで霧島さんが黒川さんと一緒にいるんですか?」
「あー、それはねー。黒川さんが、私の弟子だからだねー。」
「あ、そういえばそうでしたね。」
「あ、やっぱりそうだったんだ。」
まぁ、赤池先輩も白鳥先輩ももともと霧島さんと知り合いだし、気づくよね。白鳥先輩は霧島さんから指導を受けてるみたいだし、姉弟子…?とでも言えるのかな?白鳥先輩には直接伝えてなかったけど、まぁ薄々勘付かれてたみたいだ。
「そもそもー、理恵ちゃんがホテルにいるのはー。お部屋が壊れたからだけどー。なんで壊れたかが問題ー。」
「…そういえば、なんで壊れのりえち?」
「確か、天井と床がこわれたんでしたっけ?」
ようやくその話になった。今回ばかりはちゃんと伝えないと駄目だね。
「まぁ原因は、モンスターに襲われたからよ。いろいろあるんだけど、それで私が黒川さんの護衛についているって訳ね。」
霧島さんが真面目モードになって、説明してくれる。
「「「「えっ。」」」」
「まぁ、実はそうなんだよね。」
「…りえち、また襲われたの?」
「…りえち、また狙われたの?」
あぁ、うーちゃんと、さーちゃんは覚えがあるよねぇ。双子に襲われた時は、この二人、もろ当事者だし。あの時は大変だったなぁ。…特に、BBチーズケーキのことは絶対に忘れない。絶対にだ。
「また変なことに巻き込まれてる。」
「また襲われたの?スライムの次は一体何に?」
そういえば、最初にスライムに襲われた事は、奏達も知ってたっけ。そういえば、ここにいる皆、転校生の比良坂さんと成宮さんを除いて、なんやかんや、部分的に私の秘密知ってるんだよな。
「…まぁ、何に襲われたとかは、まだ言うわけには行けないのよ、というわけで、この後、黒川さんと私は用事があるので、皆とは別行動になるわ。申し訳ないんだけど。」
「分かりました。そういうことなら、仕方がないですね。」
「霧島さん、私達もいた方が良いですか?」
白鳥さんが霧島さんに提案する。
「そうねぇ…人手不足だからいてくれると助かるんだけど、私の一存では決められないわ。また今度にしてくれる?」
「了解しました。」
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まぁ、なんやかんやあったけど、皆で温泉に入るのは楽しかった。それに実際、親睦は深まったきがする。利香ちゃんとも一歩踏み出して話す事ができたし。比良坂さんと成宮さんは、まぁちょっと要注意かなぁ。ま、ともかく、この後は、申し訳ないけど皆とは別行動だ。一緒に行動すると危ないかもしれないし。
さて、着替えたら、霧島さんと一緒に仕事だね。内容とか聞いてないけど、まぁなんかあるんだろう。
…そう、だから、さっさと着替え――脱衣所の私のロッカーの扉があいてる。
「霧島さん。ロッカー。」
「…理恵ちゃん、鍵もってる?」
「えぇ、間違いなく手首にあります。」
「…皆さがって。海、悪いけど、前衛お願い。」
「畏まりました。雫、補助をお願いしますわ。」
「了解です。」
裸のまま、おそるおそるロッカーに近づいていく。
「私の探知だと、何もいないはずなんだけど…ロッカー、これ壊されてるわね。いつのまに侵入されたのかしら。見回りは何をやってるの…。まぁ今それを考えてもしかたないか。海、これまで狙ってきたモンスターの戦闘力は大して無いわ。そのまま蹴りをぶつけるだけでも勝てるはずよ。」
「はい。」
赤池先輩は、私のロッカーを確かめる。ロッカーの中には、着替えしかないはず。
「…大丈夫です。モンスターはいません。」
「そう、もう逃げたあとね。警戒解除。…にしてもなんでロッカーを?」
うーん。そうだよね。私自体じゃなくて、なんで私のロッカーを狙ったんだろう。私物もないんだよね。私物の方は全部クロに見張ってもらってるから。
「理恵ちゃん、なんかなくなってるものある?」
「私は自分のロッカーの中をみる。タオルに、服に…うん。大丈夫そ…う…。あっ。」
「理恵ちゃん?」
「…。」
「…あれ?理恵ちゃん?どうしたの?」
「…下着が無いです。」
「…は???」
「脱いだやつも、替えのも。」
「…えぇ。」
なんでだよ。ここまで大掛かりな事しておいて、狙ったの下着かよ!なんでだよ!…いや、本当になんでだよ!!
別作あり〼
触手 in クーラーボックス(仮)
https://ncode.syosetu.com/n1200kj/
青空設置しました。
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