なんか全部蜘蛛型モンスターが悪いんですけど
いつも誤字脱字報告ありがとうございます(‘、3_ヽ)_
「良いタイミングなので、黒川さんの家をリフォームします。代金は西部支部で全額負担いたしますので。今日から3日間で」
「ちょっと待ってください、そんな数日で建設できるものなのですか?」
「魔法を使える探索者を動員すれば、造作もありません。」
「私物や家具などは?」
「こちら側で、すべて移動させていただきます。契約書にて許可をいただければ、マジックバッグによって中身を出さずに、丸ごと移動させるのでプライバシーも心配ありませんわ。」
なんか大掛かりな話になってきた。まぁもとの部屋に住めないのは同意だけど、リフォームか。まぁ、あの家に住み続けるのなら妥当だけど…。全額が、西部支部負担なのも嬉しい。まぁいきなり言われても、お父さんとお母さんも困るだろうけど。
「待っていただきたい…と言いたい所ですが、それで娘が安全になるなら、嫌とは言えませんな。」
「そうね。あなた。」
「だが、そうであれば、しっかりと安全な家にしていただきたい。」
「お任せ下さいませ。」
本来、いろいろと見積もりだのなんなのとしなければいけないだろうけれども、FPに新しく完成した西部支部の施設も、わずかな期間で完成させている。おそらく、何かしらで、強引に工事計画を推し進めることができるんだろう。問題はそこまでするということは、かなりの金額が動くはずだが、本当に良いのだろうか?という疑問がある。私だけのために、そこまでのお金をよく使えるな。
「申し訳ありません、私からも要望があるのですがよろしいでしょうか?」
「忍?」
「ご期待に添えるかは分かりませんが、お伺いいたします。」
「私、日本探索者協会の嘱託をやっておりまして、ダンジョンで発見される遺物の調査・研究を行っております。また、西部支部傘下にある『海の貴婦人ダンジョン』及び『FPダンジョン』にて、あるプロジェクトにも携わっております。中には部外秘の資料や会議もありますので、防音室の設置を希望いたします。」
「やはりでしたか。黒川忍さんじゃないですか。こちらが、もっと早く気がつくべきでした。いつもお世話になっております。理恵さんと御兄妹だったのですね。」
そんな気はしていたけど、FPの蜂蜜関連にお兄ちゃんも噛んでるってなると、やっぱり岬さんと顔見知りだよね。どこまで噛んでるか知らないけど。
「えぇ、いつもお世話になっております。岬さん。」
「そういうことでしたら、こちらとしても防音室は是非、設置させていただきたいですね。どれぐらいの広さなどが必要か、後ほど相談させていただいてよろしいでしょうか?」
「是非、よろしくお願いします。」
******************************
「では茶番はここまでとして、また今度は何をやらかしたんですか?黒川さん?」
「茶番と言うな、茶番と。」
「事実じゃないですか、風見さん。」
「気持ちはわかるが…。」
というわけで、お父さんはお仕事に、お母さんは職員さんにつれられて、私物の撤去の立会に。お兄ちゃんと私と、岬さん、それから後からやってきた風見さんの4人で話し合いだ。
「お言葉ですが、私はなにもやらかしていません。」
「天井の破壊跡、風魔法では?」
「…ちょっとワカンナイデスネ。」
「まぁいいわ。蜘蛛型モンスターが破壊した事になってるから。」
おもいっきりバレてるや。まぁまぁでも、不可抗力だし、そのことを分かってもらえているのか、深くは追求されなかった。それに、あのモンスターに襲われてなきゃ、魔法使ってないしね。正当防衛だよ。何も問題は無い。事実モンスターだったし。
「ちなみに、リフォーム予定は、クーちゃんの部屋と、クーちゃんがもとの姿も過ごせるように、大きめのお風呂とトイレへの変更。それから、クロやクーちゃんを除いて、登録したモンスター以外が接近・侵入すると警報がなるアラーム等の設置に、防音の徹底などね。クーちゃんが過ごしやすくするためと、防犯と防諜の徹底をメインにしてリフォームするから、実はそんな大掛かりにリフォームするわけじゃないわ。」
「なるほど。」
「まぁ表向きには、クーちゃんのための投資になるわ。クーちゃんの存在は、日本探索者協会も興味を示しているので、安全なモンスターとの共同生活のテストモデルとして、実は大掛かりなプロジェクトになっているので。この際、忍さんの会社にも一枚噛んでもらうわ。」
「それ、私の仕事増えませんか?」
「噛んでもらうわ。」
「自室全部防音にしていただいても?」
「…承りました。」
お兄ちゃんも強かだねぇ。
別作あり〼
触手 in クーラーボックス(仮)
https://ncode.syosetu.com/n1200kj/
青空設置しました。
https://bsky.app/profile/sternjp.bsky.social