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【⭐️5,000ブックマーク】愛用のクッションがどうもなにか変【累計350万PV】  作者: 一級フラグ建築士
第三部 第9章 なんかスキュラ娘と同居するみたいなんですけど
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なんか家から追い出されたんですけど


 「海が綺麗だな。」

 「えぇ、こういうときでも無ければ満喫していたんでしょうけど。」

 「まぁ、こうなった以上は仕方がない。私は仕事にいくけど、お前たちはホテルでゆっくりしてなさい。理恵は今日は学校は休みだ。」

 「まぁ、そうなるよね。」


 ここは『雨岩温泉ホテル』。雨岩ダンジョン近くにある、西部支部との提携ホテルであり、かなり昔からあるホテルだ。子どもの頃に何度か泊まりに来たことあるけど、小学校も低学年の時だから、微妙に記憶がアレだ。ちなみに一度、建て替えをしているみたいなんだけど、建て替え前に来たのか、後に来たのかすら記憶があやしい。


 このホテルに来た理由は言わずもかな、私のお部屋の天井に開いた大穴と、バキバキになった床の犯人である、蜘蛛型モンスターのせいだ。そのまま家にいれば、また蜘蛛型モンスターに襲われる危険性もあるため、話し合いの結果お家から追い出される事になりました。…えっ?天井と床を壊したのは蜘蛛型モンスターですよ?ワタシワルクナイ。


 このホテルじゃなくて、家の近くの近くのホテルでもよかったんだけど、西部支部の提携であるということと、大きな会議室があること。それから、蜘蛛型モンスターの発生源であると思われる、山間などのダンジョンから遠いこと…などが理由で、この雨岩温泉となった。海沿いのほうが安全そうなのは確かだけど、まぁ絶対ではないかな。そもそも、ダンジョンから発生したモンスターか、怪しいところもあるしね。


 とりあえず数日は、ここにお世話になるのかな?ちょっとこの後の予定はわかっていない。高台にあるこのホテルから、雨岩の海を一望できるので景色は最高なんだけど、この景色を堪能している場合ではないのが実情である。


 『すまない。理恵。全く接近に気がつかなかった。』

 「いや、私も、たまたま目が覚めたら気がついた訳ではないよ。」


 蜘蛛型モンスターを吹っ飛ばした後、音と衝撃でまず隣の部屋のお兄ちゃんが、続けて、お母さんとお父さんも私の部屋にすっ飛んできた。そして見たものは、壊れた天井と床。そして、原型を保ったままぺったんこになった蜘蛛型のモンスターと、それを叩き潰したクーちゃんの触手である。臨戦態勢のクロは、お兄ちゃんには見られたけれど、お父さんとお母さんが来る前に解除できたためセーフ。


 で、真っ先に飛んできたのが、西部支部の風見さん。私の家を監視をしてた人から連絡がいったようで、その到着は本当に早かった。警察とダンジョン警察の方も手配してくれたみたいで、そちらもすぐに来てくれた。当然、ダンジョン警察に私の部屋を調べられる事になった。いや、本当に、いろいろ隠したいものをマジックバッグに仕舞った後で本当によかった。クッションも、お兄ちゃんが部屋に来る前に、真っ先にマジックバッグに放り込んだのでなんとか隠せた。


 現場保存のために早々に、部屋を追い出されることとなったので、上着となるローブと、ウエストパックだけしか持ち出せなかった。棍棒などの装備品は、そのまま置いてくる羽目になってしまったので、ちょっと困っている。蜂蜜の水筒も持ち出せなかったのが痛い。これは予備の蜂蜜と、装備をマジックバッグに常備しておいた方がいいね。


 さて、クーちゃんによってぺしゃんこにされた蜘蛛だが、大きな魔石がむき出しになっており、明らかに通常の蜘蛛ではない。どっからどうみてもモンスターだ。どっから侵入してきたとか、どこからこの蜘蛛のモンスターがやってきたとかも分からない。そうなると、とりあえず部屋にはいられない。というか、この家にいたらまた蜘蛛型モンスターが襲いに来る可能性もあるので、そもそも家にいられない。


 当然ながら、偶然、私の部屋にモンスターが侵入したとは思えない。人為的なものだろうが、その手口は不明だ。狙われる理由にはいくつも心当たりがあるが、今回襲ってきたのは、今まで(上位存在共)とは違い、普通のモンスターのように思える。すくなくとも、触手で叩き潰された蜘蛛型モンスターからは、知性を感じられない。


*****************************


 「…まぁ一応聞くけど、狙われる覚えは?」

 「心当たりが多すぎますね。」

 「…そうよねー。」


 はい、岬さん、お疲れ様です。形だけの取り調べだけど、うん。もはや話す必要すらない。西部支部は、私が『白濁した宝玉』を持っていることも知っているし、クロが神話生物であること、クーちゃんが■■■■■の娘であることも当然しってる。これらの内容だけで、襲われる理由としては十分だ。ナイア(サイコパス)双子(傲慢と慢心)ヒュドラ(瓶詰め肉)にという、やばいやつも私を狙っている事が判明しているし。…今なんか変なルビがついた気がする。


 まぁ今回、少なくとも今の3つはない。ナイアなら直接来るだろうし、双子は奇襲をしないだろう、ヒュドラが復活するには早すぎる。となると、本当にモンスターが襲ってきただけか、あるいは、私の情報がもれてどっかの誰か…つまり、人間が裏にいる可能性も排除できない。…まぁ、本命は、また上位存在あたりが介入して来たと考えるのが自然かなぁ。

別作あり〼

触手 in クーラーボックス(仮)

https://ncode.syosetu.com/n1200kj/


青空設置しました。

https://bsky.app/profile/sternjp.bsky.social

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