なんかいつも拉致されてるんですけど
必要な設定を詰めてたら本編が贈れました。
背中が寒い。
最初に気がついたのは背中で感じる寒さ。そして、次に手のひらに感じるザラザラとした触感。どうやら、また気を失ったようだ。…最近このパターン多いな。前々回は精神攻撃で、前回は催眠だっけ。…催眠耐性は獲得するとして、今回は何が原因だろう?今までと違うのは、ココに来る前の記憶がはっきり有る事か。
『まさかとは思うが、本当に繋げる事ができてしまうとは。』
誰かの声が聞こえる。少なくともクロやクーちゃんではない。っていうか、『■■■■■の鱗』を持ったら、これだ。これで気を失ったということは、考えられる犯人は、おおよそ二人?に絞られる。人間じゃないから人でカウントするのはおかしいんだけど。
なお、現在、目を開く事ができなければ体を動かすこともできない。いわゆる金縛り状態である。はっきりいってかなりまずい状態だ。だが、この声を聞けたのと、金縛りで動けないという、2つの事象。この時点で、今回の犯人を絞ることができてしまった。たぶんそうだろう。となれば、まぁたぶん大丈夫だ。
「…なにかご用事ですか?クーちゃんのお母さんですよね?」
『頭の回転が早い娘だ。』
ま、そうだろうね。ちなみに、想定されたもう一人の元凶は、ヒュドラの方。だが、今のヒュドラに私を金縛りにするほどの力が残っているとは思えないし、そもそも、私が覚醒するまえに、たぶん殺しに来る。前回みたいに悠長な交渉などは絶対に有り得ない。こっちとしても、もし出会ったら、そのまま討伐するつもりだったし。
そもそもとして、キーになったアイテムは間違いなく、『■■■■■の鱗』だ。このアイテムを媒体にしている時点で、もはや犯人は、クーちゃんのお母さんか、ヒュドラしかない。そして、私が死なない時点で、瓶詰め肉は選択肢から除外される。
「ご用件がないなら、すぐに戻していただきたのですが?」
『つれない娘だ、こうやって娘や眷属以外とコンタクトをとるのは久しぶりなのだよ。少しぐらいおしゃべりに付き合ってくれてもいいだろう。』
「…分かりました。少々お付き合いしましょう。」
『物分かりが良くて助かる。』
気持ちはわかるけど、ちょっと嫌なんだよな。どう考えてもナイアあたりと同格だろうし、これまで、上位存在と関わって禄な事になった試しがない。…まぁ、だが付き合う以外の選択肢はない。戦いになりたくもないし、断って帰してもらえる保証がない。更にいえば、今後も鱗を媒体にして、何度も呼び出されるのも困るし。これで満足してもらえるなら、付き合ったほうがいいだろう。
「ところで、女王様ははるか遠い海の底に封印されているというお話でしたが。」
『少し違うが、概ね合っているな。正確には王でも女王でもあるからにして。』
「…両性であられる?」
『正確には、我々に性別の概念は存在しない。現に、アレの親は我ではあるが、産んだのは■■=■■■であり、人間のスケールで考えるならば、本来私は、父親と言って良い。ただし、最近の殆どは、女王の姿をしている。その方が、リーリエの統治と、地上との交流に、都合が良いからだ。』
あー。うん。たぶんこれ、人間の尺度で測ったら駄目なヤツだ。女性型の方が良いのは、どうしてかは、私には皆目見当がつかないな。何かしらの影響があると思うんだけど、考えたら『SAN値がなんかピンチなんですけど』になりそうだ。絶対に考えない方が良い。いいか。絶対にだ。
『我がいるルルイエからは、ほんのわずかに人間に呼びかけることが関の山だが、我の一部を持っていればその限りではない。更に結果的にだが、あの慮外者の力によって、貴女であれば、ほんの僅かな時間だが、このルルイエに、魂だけなら持ってくることができる。…試しにできないかとやってみたが、本当に持ってくることができて驚いてはいるが。』
拉致じゃねーか!せめて持ってくる前に同意を取れ!「できるかも?」な安易な感覚で人を巻き込むのはやめろ!無防備だった私も悪いけどさ!あのさぁ!!上位存在っていつもそうですね…!私たちのことなんだと思ってるんですか!?
様式美 伝統芸能 いつもの また攫われる
作者「ピー○姫かな?」
黒川「お前が始めた物語だろ。」
別作あり〼
触手 in クーラーボックス(仮)
https://ncode.syosetu.com/n1200kj/
青空設置しました。
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