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なんか変わっちゃってたんですけど

 さて、思いもがけずマジックバッグを手に入れる事ができたので、いろいろとやりたいことがある。そのためにまずは、()()()()()()()の中にマジックバッグを収納し、ウエストパックの入口を開けられないように、縫い合わせてしまった。本来はマジックバッグに直接アイテムを入れなければならないので、これだとマジックバッグを持っている意味がない。


 しかし、私には『パッケージングスキル』がある。このスキルのほんのちょっと、拡大解釈して使うことで、私はマジックバッグに直接出し入れしなくても、任意のアイテムを収納することができる。もちろんマジックバッグの容量には気をつける必要はあるが、そこらへんのバッグに入る程度の量ぐらいならば、なにも問題にならない。


 なぜ『()()()()()()()』を選んだのかというと、まずハンズフリーで持ち運べる多用途なバッグであること。次に、さらに大きなカバンに収納することができるサイズであること。また、完全防水かつ頑丈であるため、市販品でありながらダンジョンに持ち込んでも違和感がない事。それでありながら普段遣いができる事…。これあらの利点から、ウエストポーチではなく、()()()()()()()を選んだ。肌見放さず持ち歩くにはこちらのほうがいいのだ。


 そして、それとは別に大きめなカバンも用意する。これは、カモフラージュ用だ。マジックバッグから中身を取り出すときに、こちらのカバンの中に指定することで、違和感なく取り出すことができる。中身はある程度消耗品ぐらいは入れておいてカモフラージュする。これで、私は身軽に行動できる。


 とりあえず、これでマジックバッグはOKだ。これでようやく、いろいろと隠さなければならないアイテムを、このマジックバッグに隠す事ができる。…そうなると、いい加減、アレの件をどうにかしなかればいけない。そのためには、クーちゃんにいろいろと聞かないとなー。


 「クーちゃん。ちょっと確認したいことがあるんだけど?」

 『はーい!』


 すっかり我が家に馴染んだクーちゃんは、食後に私のベットの上に横になって、沢山の漫画を読み漁っていた。ちなみに今読んでいたのは、お兄ちゃんの部屋から借りてきた『あの◯き助け◯いた◯いたモ◯ス◯ー娘で◯。』だ。


 「クーちゃん、話すのが遅くなったんだけどさ。」

 『なんですのー?』


 ベッドの上で横になったまま、クーちゃんが返事をする。…うん。だいぶん馴染んだのか、それとももとからこういう生活をしていたのか。


 「クーちゃんのお母さんの鱗の事なんだけど。」

 『…あっ!』


 これは、クーちゃんもすっかり忘れてたな。


 「あの日、クーちゃんに譲ってもらった鱗なんだけどさ、これなんだけど。」


 私は机の引き出しを引き抜いて、その裏に隠してあったカバンを取り出し、机の上に置く。そして、そのカバンの中から、あの『■■■■■の鱗』を取り出す。あの日、取り返した後からずっと私が握りしめていた鱗だ。その後、気がついたら病院で、着替えもさせられていたにも関わらず、誰からもこの握りしめていた鱗を取り上げられなかった。そこから、現在、この鱗は誰にも見えてないんじゃないかって予想している。


 すぐにクーちゃんにも確認を取りたかったが、結局家に帰るまでに会えなかったし、クロや他の人からも見えなかったので、そのままカバンの中にしまい込んだのだ。ちなみに、私にはバッチリ見えているしちゃんと触れられる。ちなみにクロに触れないかの確認を頼んでみたけど、見事にクロの肉球は鱗を素通りした。見えもしないし、触れもしないようだ。


 クーちゃんはベットから起き上がり、私の机の上に置いてある鱗を確認する。


 『…あれ?確かにこれですわ。これですけど…。なんだろう?』


 おっ、クーちゃんにはちゃんと見えているみたいだ。となると、何からしら見えるようになる条件があるのかもしれない。…いや、最初からからな?そもそもこの鱗って、私達が取りに行ったときには既にあの、ぶよぶよ(ヒュドラ)に取り込まれた後だった。その後も、この鱗を直接視認した人って、実はいないハズだ。なぜなら、ぶよぶよから奪還した後は、そのまま私がずっーと握り込んでいたからだ。


 つまり、私が取り返す前に、この鱗を見た人は少なくともあの時、一緒にダンジョンに潜ったメンバーには、クーちゃんしか存在しない。ダガンさんとイドラさんも見たことはありそうだけど…あとは、ありえるのはナイアぐらいか?ヒュドラには当然、見えていただろうけど。


 ただ、なにか違和感があるようで首をかしげている。そして、すこしの間鱗を見つめ続けた後、こう続けた。


 『間違いなくコレが、『■■■■■の鱗』ですわ。ですけど…なんか変質してる気がしますわ。』

 「えっ!?」

 『なんとなくですけど、あのぶよぶよから感じたのと同じ魔力が感じられすわ。おそらく、あいつから取り返したときに、あのぶよぶよの力の一部も、一緒に引っこ抜いたのかもしれませんわ。』


 私達のやり取りを、まるまりながら聞いていたクロが、それを聞いてなにかを思い出しようで、むくりと起き上がる。毛づくろいをしながら、念話で話しかけてくる。


 『そういえば、あのヒュドラ。S級探索者に丸呑みにされる時に、「なぜだ!力が出ない!」とか、騒いでいました。もしかすると…。』


 ごめん、気になる情報を教えてくれたところ悪いんだけど、S級探索者に丸呑みにされるって何。その話聞いてない。っていうか、そうだ。私が寝てる間の話、何も聞いてないじゃん。S級探索者が化け物ってのは聞いてたけど、丸呑みってどういうことなの…。ぶっちゃけそっちのほうが、めちゃくちゃインパクトがでかすぎて、気になるんだけど。

別作あり〼

触手 in クーラーボックス(仮)

https://ncode.syosetu.com/n1200kj/


青空設置しました。

https://bsky.app/profile/sternjp.bsky.social

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