なんか今日は何も考えたくないんですけど
『おはよーですわ…。』
「おはよー。クーちゃん。」
『おはよう理恵。』
「おはよー。クロ。」
あのあとは、結局、興奮したクーちゃんに漫画とかいろんなことを質問攻めされながら、ゴロゴロと過ごして終わった。なんとかなるかな?って思ってたけど、それでも一つのベッドに、二人で寝るのは狭かったので、今日からは何か考えないとかな。
そして、やはり同室者がいると、賑やかだね。クロとクーちゃんが来る前は、朝は静かだったけど、今は起きてすぐ挨拶する存在がそこにいる。お兄ちゃんはめったに部屋から出てこないし、兄弟でなにかするってことも、いままであんまり無かったから、同じ家に住んでるけどあまり顔を合わせないんだよな…。
寝坊助状態のクーちゃんの髪を整えて、着替えさせる。パジャマは一応私のでなんとかなった。まぁなんと体型も似ていたからなんとかなった。流石に下着はやめてもらったけど…。そういうのも色々と買い出ししておかなきゃいけないけど、お母さんにまかせてもいいかな?っていうか私学校だし、そうならざるをえないか。
『眠たいですの~。』
うん。クーちゃんは朝が苦手みたいだ。そもそも深海に住んでたし、メイドと執事もいたお姫様だし、まぁそんなものなんだろう。いきなり全部やれとは言えないけど、一つずつ、自分でできるようになってもらわないといけないね。ほら、クーちゃん。朝ご飯が待ってるよ。二人?と一匹でリビングに行こうね。
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リビングで朝食をとる。この香ばしい匂いは、今日はパンだね。蜂蜜とシナモンの匂いもする。というか、最近の定番メニューだ。この匂いを嗅いで、クーちゃんの目も覚めたみたいだ。お腹のぐぅと鳴る音が聞こえる。
『すごく、良い匂いがしますの。』
「トーストしたパンと、シナモンと蜂蜜が焦げる匂いだね。」
当然この蜂蜜は、私が持ち帰ってきたアレだ。朝から食べるには、かなり贅沢なハズだけど、私だけは沢山持ち帰れるから、いくらでも食べられる。ちょっとカロリーが心配にはなるけど…いや、よく考えたら、あれだけダンジョンでハードな目にあってるんだから、大丈夫か。
「「『『いただきま(ー)す。(ですのー。)』』」」
香ばしく焼き上がったハニートーストにかぶりつくと、口一杯に蜂蜜とシナモンの香りが溢れる。うん。最近の定番メニューだけど、飽きることがないどこから、中毒性すらあるんだよね。寝起きの脳に、これ以上はない刺激になる。ちょっとバターを使ってもいいんだよね。
クロの方は、猫用の餌皿に、蜂蜜と牛乳。他にも色々食べれるみたいだけど、今のところは本人が蜂蜜を強く希望しているので、このメニューだ。栄養の偏りが心配になるけど、まぁ神話生物だし大丈夫だろうと考えている。
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「クロ、クーちゃんとお部屋をよろしくね。行ってきまーす。」
『分かりました。行ってらっしゃい理恵。』
『行ってらっしゃいですのー!』
「行ってらっしゃい。ちゃんと帰ってくるのよ?」
「大丈夫だよお母さん。ちゃんと帰ってくるって。学校行ってくるだけだから。」
「帰ってくるのよ?」
「ごめんよ。許してよ。ちゃんと帰るよ。」
苦笑いしながら、お母さんに返事をする。まぁうん。私は悪くないけどお、私が悪いしね。しばらくは、このやり取りが続きそうだな。
賑やかになった日常に、新しい同居人。スリリングなダンジョン探索が、全部嘘だったかのように平和だ。のんびりと過ごせればいいなと思う反面、私はそのスリリングなダンジョン探索に身を投じなければならない。一応楽しくは有るけれども、本意では無い。しかし、そうでもしないと早晩に私は詰むだろう。
…ま、せめて、学校にいる間はそういうのを全部忘れて、友達と遊んでいたいかな。今日ぐらいは、難しいことを考えるのはやめにしよっか。そういう日があってもいいでしょ。たぶん。
嵐の前の
昼暑くて、夜寒いのなんなん(‘、3_ヽ)_
別作あり〼
触手 in クーラーボックス(仮)
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青空設置しました。
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