なんか今回の件に特に関係ないお土産が、沢山あるみたいなんですけど
岬「えぇ、これらのお土産は、特に今回の件とは特に関係がありませんので。実際。」
「さて、ということで、本日からトライアルという事でよろしいでしょうか?一時金は3営業日中に、公金受取口座に振込させていただきますので。」
「畏まりました。」
えっまじで?それでいいのお父さん?いや、私は反対ではないけど。お母さんは?クーちゃんは、見た目からして分かるけど、モンスターだよ?もっとなんか抵抗とか無いの?私は、あのヒュドラとの戦いで、一緒に共闘した仲だしクーちゃんの事は信用できるけどさ。知性のあるモンスターと一緒に暮らすのに、抵抗ってないの?
「あなた、大丈夫なの?」
「まぁ、大丈夫だろう。」
「そうそう、奥様にお土産が有るんですよ。今回の件とは特に関係の無いお土産なんですけど。」
そう言って岬さんがお母さんに渡したのは、まだ発売していないあの蜂蜜を使用した、高級化粧品セットだ。そういえば、あの日ちょっと試したっけ。めちゃくちゃ良いものであるのは認める。女性なら誰もが欲しがるだろう。
「あら、あらあらあら!これ!今CMで宣伝しているやつじゃないですか!」
えっ、あの化粧品?いつの間に発売が決まってたの!?…あ、いや、私達がダンジョン最下層にいる間に話が進んでいたのか。ちゃっかりしてるなぁ。というか、私達が試す前からもう販売の話が進んでたのかな?手が早いなぁ。…あれ?蜂蜜?そう言えば何か忘れてるような気が…。まぁ、いいか。今はそんなことより、クーちゃんの事だし。
「えぇそうです。完全限定生産で、もう1年先まで予約でいっぱいの新製品ですね。私も利用していますが、見て下さいこの肌。」
「あらあらあら!」
お母さんが、岬さんから化粧品セットを受け取って、がっしりと抱きしめる。これはもう決まりかな。まぁ古今東西、この手に限るとは思うけど、自分の両親がそれをやられるのを見るのは、なんかこう複雑だな。しかもやってる相手が、自分の知り合いときたものだ。
「それでは、今日から、こちらの家でトライアル開始ということでよろしいですか?」
「えぇ!まぁトライアルぐらいなら大丈夫よね?理恵?」
あ、うん。いいよ。まぁクーちゃんなら大丈夫でしょ。…で、私へのお土産は?岬さん?
「あと、理恵ちゃんにもお土産があるのよ。これなんだけど。」
そういって岬さんが渡してきたのは、ただのカバンだ。…いやまて、これはもしかして。
「じゃじゃーん!小容量だけどマジックバッグよ!後で所有者の証明書も渡すから、機密保持の誓約書に署名してね!あと、蜂蜜の新製品のスイーツセットもあるわ!」
「今日からよろしくね!クーちゃん!!」
そうだよね。岬さん!そうこなくっちゃだよね!ウェルカムだよクーちゃん!一緒に暮らそうね!
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とはいっても、流石にいきなりクーちゃん用の部屋は用意できないので、今日は私の部屋で寝ることになる。ただ流石にスキュラ娘の状態だと、お部屋が狭いので人間態になってもらう。狭いベッドの上だけど、まぁ二人一緒に寝れないこともない。
『漫画が!漫画が!こんなに!!』
「好きなだけ読んで大丈夫だよー。」
そして、クーちゃんが、私の部屋にはいって一番にとびついたのは、本棚に並んでいた漫画本だった。お兄ちゃんの部屋に行けば、青年漫画ももっといろいろあるが、流石に勝手に入るわけにはいかない。まぁ私の部屋にも色々とおいてあるので、それでも大丈夫だろう。何を選ぶかなと思っていると、やっぱり、週○少年ジャ○プの連載作品あたりが気になるようだ。まぁそうだよな。リーリエでもその辺のタイトル挙げてたもんなぁ。
…うん。お兄ちゃんの部屋からモンスター娘系がでてくる作品を持ってきて、読ませた方がいいかもしれないね。スキュラ娘として、これから地上で生活するなら、そういう漫画を読んで馴染んでもらったほうがいいかも。あとは、冒険者や探索者関連の漫画を読んで、「探索者になる!」とか言われても困るかな…?そうなると、日常系のゆるゆるな漫画も適度に読ませた方が良いかも。まぁ、娯楽と教育のバランスが取れるといいかな…?
まぁそれはそうと、クーちゃんには私も用事があったんだよね。この際、その話も進めてしまおう。…当然、『■■■■■の鱗』についてだ。クーちゃんに返したほうが良さそうな気もするんだけど、これはまだ、私が所有してるんだよね。どうもやっぱり、他の人には見えてないっぽいし。
さて、いつ話を切り出そうかな。
昼30℃、夜24℃…。なんだこれぇ。
別作あり〼
触手 in クーラーボックス(仮)
https://ncode.syosetu.com/n1200kj/
青空設置しました。
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