なんか特別濃いやつらしいんですけど
決着?
たぶんだけど、『■■■■■の鱗』を強奪することに成功した。本体から切り離して、パッケージングスキルを使って、対象を鱗に、開封場所を私の手の上に指定した。拡大解釈なのは重々承知だったので、ごっそりとMPを持っていかれたけどなんとか想定通り、手のひらには鱗?っぽいものが現れた。併せてその瞬間、ぶよぶよから無数に生えていた触手が、音もなく消失する。
『…何が…一体!?』
お前は無駄だと言ったけど、『パッケージング』スキルがあれば無駄じゃないんだよ。まぁ知られてれば、対策されていただろう。だが、このスキルを持っている人が数少ないからね。その存在をしらなければ、理不尽な初見殺しだろう。そして、魔力観察をしなくても分かる!大幅に弱体化したという事が!
「黒川さん!下がって!西園寺!鈴木!『オイラン』にやったやつ!」
「「分かったわ(っす)!」」
中川さんが指示を出す。そう、今なら深域魔術じゃなくても通るはずだ!
「アイアンロック!」
「ライトニングフォール!]
降り注ぐ金属の柱が、ぶよぶよに命中する。それ自体はなんのダメージも産まずに、ぶよぶよの中へとずぶずぶと沈んでいくが、その金属の柱めがけて、雷が落ちて火花が走る。そして、その金属を通して、ぶよぶよの表面ではなく、中に雷が走る!
<<バチバチバチバチバチバチバチバチ>>
巨大な灰色のぶよぶよ全体から、スパーク音が聞こえ、白い煙が立ち上る。ぶよぶよが感電し、全体が痙攣する。頭上に浮いていたぶよぶよが、徐々に高度を下げて地面へと落ちてくる。
『ギギギ!?人間の魔術如きで!?アバババ!!!』
『地面に落ちるならば!私も!えーい!』
クーちゃんが脚の触手から、粘液を分泌してぶよぶよへと発射する。ぬるぬるネバネバした粘液が、ぶよぶよにまとわりついて、段々と絡みつく。暴れるぶよぶよだが、次第に粘液が地面と糸を引き始めて、徐々に徐々に動きが鈍くなっていく。次々とネバネバした粘液が雨のように、ぶよぶよへとに降り注ぐ。
『特別!!濃厚なヤツですわ!!』
『なぜ!?こんな粘液如きで!?ここは私の領域なのに!?』
分かるんだけど、その言い方はやめたほうがいいよクーちゃん。うん。…さて、地面に落ちたということは、私も攻撃に参加できるということだ。飛ばせる魔法もあるけど、私が使える一番強い魔法はやはりこれだ。魔力の残りは心許ないけど、やってやろうじゃん!
「黒川さん!」
分かってるよ!中川さん!
「アイシクル・パニッシャー・クロス!」
私の最強の魔法が、地面を走って命中する。氷柱自体は、ずぶずぶとぶよぶよに沈んでいくだけど、纏われた光魔法が、やはりぶよぶよを内側から焼いていく。お前みたいな上位存在に有効なのは、ナイアと双子で検証済みだ!内側から!焼けてしまえ!
『ギャァアアアアアアアア!!馬鹿な!馬鹿な!馬鹿な!!』
灰色のぶよぶよの内側から、ついに青い炎が吹き出て全身を包んでいく。どんどんとぶよぶよが小さくなっていき、やがて、火が消えたと思ったら、ポツンと灰色の玉のようなものがその場に残る。
『ぐ…ぐぐぐ…。この程度では死なないけれど…まさかここまで負けるなんて…。』
まじか、これで死なないのか。
特別濃厚な粘液。…正しいはずなのに、字面が終わってるのはどうして。
そして、明日は作者の誕生日ってマジ?
別作あり〼
触手 in クーラーボックス(仮)
https://ncode.syosetu.com/n1200kj/
青空設置しました。
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