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なんかクーちゃんが頼りなんですけど

朝起きたら21℃でした。涼しくなったね!…じゃないんだよ!

段階をッ!段階を踏めッ!!

 お互いに時間稼ぎの利害が一致した結果、ペラペラと舐めプしてくれたおかげで、一筋の光明が見える。おそらくコイツの自信の源は、おそらく『■■■■■の鱗』を取り込んだ事で、それなりの力があることだろう。それから長い力をかけて食べてきた方もやっかいそうだけど、なんとなく、それにしてはプレッシャーが弱いんだよな。…そういえば、分体とS級冒険者(化け物)が戦ってるんだっけ?そっちの方にリソースが割かれてるのかもしれない。


 まぁそっちの問題も深刻なのだけれども、問題なのはそのコイツが取り込んだ『■■■■■の鱗』の事だ。『■■■■■の力を完全な形』で取り込めていない上に、『その後の吸収』がよくない事を、(後者は明言はしていないものの)吐露してくれた。つまりは、『■■■■■の鱗』を、コイツから引っ剥がすことができれば、ヒュドラの力が格段に落ちる事を意味する。


 つまりは、ヒュドラがS級探索者(化け物)にリソースを取られている、今のうちに、あのぶよぶよの中にあるだろう、『■■■■■の鱗』の位置を特定して、強奪する。うん。言うのは簡単だけど、やるのはめんどくさいヤツだこれ。…っていうか、クーちゃんならもしかして位置とかわからないかな。


 「クーちゃん、クーちゃん。」

 『なんですのー?』

 「あいつが取り込んだ『■■■■■の鱗』の位置とか分かったりしない?」

 『考えたことも無かったですのー!でももとは私とお母様のものだから、そう言われればたぶん分かる?』


 おや?今聞き捨てならない事を言わなかったか?


 「…ん?クーちゃんのものでもあるの?」

 『そうですわね!お母様の鱗ですけど、私に託されたものだから、持ち主は私ですわね!』

 「なるほどね。」

 『だから、今まで考えたことも無かったですけど、お母様との繋がりを使えば、たぶん位置ぐらいは分かるですわー!』

 「できるだけ位置特定してくれない?」

 『わかったですのー!』


 そんな会話をしていたら、触手が飛んできて目の前の空間を叩きつける。直撃こそ避けたものの余波で、軽々と吹き飛ばされてしまう。


 『ちょっとそれは、看過できないかな。洗脳してから食べたかったけど、早めに食べる事にするわね。あ。あと、先にきたお友達にも手伝ってもらおうかな。』

 「黒川さん!」


 そういうと、ぶよぶよ(ヒュドラ)の中から堺さんがでてくる。先に取り込まれていたらしい。そして見ただけで分かるが、明らかに正気を保ってない。まずいな、他にこっちに連れてこられた人を、ちゃんと把握していない。全員ではないだろうけど、後は誰が膝をついていたっけ。


*****************************


 <<バキバキボリボリ>>


 本来、戦場やダンジョンには似つかわしくない、咀嚼音が響く。また新たに、触手の塊(ご馳走)が影に丸呑みにされて、同じ結末(木花の胃袋行き)を迎える。


 「うーん。良い歯ごたえだね。あと気づいたけど、触手部分は美味しい。あの緑のタコと同じ味がするね。ただ、触手の中に、なんかはいってるなぁ。ちょとネバネバしてる。それの味はいまいち。生臭いし。」

 「おや?つまり、あの触手の中にコアになるものがあるということですか?」

 「そうかな、そうかも?」


 木花と千種は、邪魔をする触手共を食べ進めていると、とある洞窟にいきついた。いままでにない数の触手の塊たちが、洞窟前を占拠している。


 「で、こいつら、どうもあの洞窟に入ってもらいたく無さそうだよ。あからさまに、洞窟前に集結してるもん。ちょっと数的にアレだし、少し本気だして食べていい?」

 「あー、駄目です。洞窟まで食べたらまずそうなので。私がやります。」

 「食べたいんだけど。」

 「めっ、しますよ?」

 「千種ちゃんきらーい。」


 そうはいいつつも、木花は渋々と引き下がる。


 『腐食魔術(ユニーク)


 その瞬間、すべての触手達がどろどろに溶けて原型を失い、海中へと溶けていく。


 「それにしても千種ちゃんが、ユニークを使うのは久々だねー。」

 「そうですね。普段は木花さんだけで事足りるので。あと、レポート書くのが面倒です。」

 「ちゃんと書かないと駄目だよ?」

 「それは、一度でも自分で…書かせると駄目ですね。貴女のレポート書くだけで手一杯なんですよ。」


****************************


 『おもったよりシツコイわね。』

 「ぐ…理不尽すぎます。佐藤、そろそろ限界です。」

 『まぁ、貴女達は、倒れてる味方は見捨てられないものね?何人もの探索者が、それで全員食べられていったわ。ほら、ほら、ほら!』

 『ミラージュ。』

 『ちっ、またソレ。厄介ね。』


 佐藤と霧島、そして龍崎とナイアは、倒れた味方を守りつつもジリ貧の状態に追い込まれている。ナイアはやはり、あの女に直接手出しをできないようで、手助けはしてくれるものの、攻撃はしてくれない。だが、ナイアがつかう『幻惑魔術』により、相当の時間を稼ぐことに成功していた。だが、同じ手は長くは通じそうにはない。


 『そろそろ私の「ミラージュ」にも対応してくる頃です。』

 「分かっている。分かってはいるんだ。」

 『何か手はありますか?』

 「…あるぜ。とっときのが。」


 そこで声を上げたのが龍崎だ。

別作あり〼

触手 in クーラーボックス(仮)

https://ncode.syosetu.com/n1200kj/


青空設置しました。

https://bsky.app/profile/sternjp.bsky.social

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― 新着の感想 ―
更新お疲れ様ですー 急に寒くなってきましたね… お体には気をつけて頑張ってください!応援してます!
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