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【⭐️5,000ブックマーク】愛用のクッションがどうもなにか変【累計350万PV】  作者: 一級フラグ建築士
第8章 海の貴婦人攻防戦(後)

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化け物には化け物を

ほしいものリストからお紅茶を頂きました。

わーい!これで捗るぞ!って元気だしたらそのまま、33℃→24℃→29℃とかいう謎の気温変化を喰らいました。どうして。

 「なにこいつ。こんなところにいていい強さじゃないんだけど。」

 「なにより、数が多いですし、まだ貴方が一体も食べられていないのは珍しいですね。」

 「言ってるでしょ、こんなところにいていい強さじゃないって。なんとかならなくはないけど、45階層あたりの敵の強さじゃないかも。」

 「手伝いますか?」

 「まだ大丈夫かな~?強いぶん、齧れれば魔力も経験値も沢山手に入るし。食べ甲斐はあるよ?味はともかく。」

 「食べ甲斐と味ですか。」

 「食べてみる?」

 「いいえ。私は遠慮しておきます。」


 リーリエの近くでは、木花と蠢く触手の塊たちが衝突を繰り広げていた。蠢く触手の塊は、一体や二体ではない。木花の『暴食魔術』でも、やすやすと食べることが出来ないが、食べられない訳では無い。そんな個体が、それこそ無数に存在している。


 こんなふうに緊張感がない会話をしているが、実際には触手の攻撃が地面をえぐり、さらに木花の暴食魔術がそのえぐれた地面をさらにえぐる。敵の触手と木花の影がぶつかるたびに、爆発したかのような轟音が響き、衝撃波が周辺地形を破壊する。その衝撃はさながら、高速で走る大型トラック同士の正面衝突である。そのたびに、触手の方はほんの少し齧られ、影は少し小さくなる。


 触手が放つ魔術の数々も、木花の影が喰らい、木花もまた通常魔術を返す。傍目には分からないかもしれないが、先程から金属魔術Vや氷魔術Vといった、魔術攻撃の無数の釣瓶打ちが行われている。そのたびに、木花の魔力はへっているのだが、減った分、触手を齧っては回復している。


 「やっかいかも~。負けることはないけど、数が多すぎる。いわゆる飽和攻撃って奴?対多数は別に問題ないんだけど、持久戦って好きじゃないかも。さっさと食べて終わらせたいよ~。」

 「本気出さないとまずいですか?」

 「それほどではないかも?」

 「なら、我慢してください。持久戦ならばなおさらです。」

 「…は~い。」

 「貴方が暴走したら面倒くさいので、最悪、私()参戦しますけど、今は一人でなんとかしてください。」

 

 木花は実際、これぐらいならば余裕である。ただ、『食べて終わり!』で戦闘を終わらせたい木花にとって、食べにくい相手との持久戦が、性格上好ましくないだけだ。『モーめんどくさい!』とキレた場合、暴走するかもしれないからだ。故に千種も、最悪自分が対処する事を検討し始める。


 何度も言うが、千種の役割は『木花の監視』である。故に千種が戦闘に参加することは、基本的には無い。そもそも木花がいれば、戦闘はどうにでもなるというのもあるが、監視が任務の千種は()()()()を必要性がない場合は禁じられている。ただし、今回のように、『木花が暴走するかもしれない場合』は、十分その『必要性がある場合』の範疇だ。


 ――S級探索者(木花)がいるのに、付き添い(千種)が参戦する意味があるのか?


 「…それでも駄目なら、久々に私の()()()()を行使しますかね。報告書書くのがめんどいなぁ。」


******************************


 『ちっ、確かに少々暴れすぎたとはいえ、なんでこんな化け物まで降りてきますかね。どれだけ時間をかけて準備してきたと…。』

 『可能ならあの化け物は、分体で封じ込めてしまいたいですけど、難しそうですね。…リーリエの中には、ティアラも黒川理恵もいませんでしたし、ダガンとイドラの方にも感づかれましたね。』

 『ただ、それだけでは説明つきそうにない動きもあります。こっちの■■体系の■も介入してそうです。実にめんどくさい。』

 『長い事…長い事待ったのに、こんなイレギュラーに力を使いたくなかったんですが。仕方が有りません。まぁ、ダガンたちは、私の狙いがリーリエとティアラだと、誤認してくれてはいるみたいなので、それはよしとしましょうか。』

 『まぁどうせ、あの鱗を隠してあった、洞窟あたりに逃がしたはずです。流石にあの洞窟には分体で入るのは無理ですので、(本体)が直接出向くしかありませんね。』

別作あり〼

触手 in クーラーボックス(仮)

https://ncode.syosetu.com/n1200kj/


青空設置しました。

https://bsky.app/profile/sternjp.bsky.social

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