なんか緑のタコの正体がおかしいんですけど
どうもやはりダガンさんとイドラさんは信用出来ないし、クーちゃんとクロから得られる情報には違和感が多い。あの都市の建造物みたいに、噛み合っているのに、噛み合っていない。なにもかもが捻じくれている。なにか、根本的な前提条件が間違っているような気がしてならない。
どうもやはりリーリエとスタンピードには、関係があって関係が無い…矛盾した言い方だが、そんな気がしてならない。直接的な原因はリーリエではないけど、なにかがリーリエを起点として起きているんじゃないか?とりあえずクーちゃんのお母様について確認してみるべきか。
「クーちゃんのお母様ってやっぱりダガンさんみたいなの?」
「違いますわね。」
「じゃぁ、クーちゃんと同じくスキュラみたいな見た目なの?」
「違うけど触手があるのはそうですわね。」
「…私達が分かるように言うとどんな感じ?」
「タコのような頭部と、沢山の触手に、ぬめぬめとした鱗や瘤があって、コウモリみたいな羽に、あと鉤爪もありますわね。ただ、それ以外の姿を取ることも出来ますわね!」
『ガッツリモンスターじゃないか!』というか、そんな生物本当に存在するの?みたいな容姿を説明されてしまった。というか、クーちゃんが人型&スキュラなのに対して、本当に血の繋がりがあるのか疑わしい。いや、まぁ触手あたりが共通点と言えなくもないのか?
「ちなみに、あの緑のタコはもとはお母様の一部ですわね。」
「「「「は????」」」」
『肯定、事実です。』
今とんでもない発言が飛び出した。何かの間違いだと思いたかったが、間髪を入れずに、クロから肯定されてしまう。昨日の晩ごはんに食べた、あの緑色のタコ。タコそのものだったんだけど、あれがお母様の一部?えっ?一部!?あの、しこたま食べたんですけど。確かに色はアレだったけど、普通にタコのカルパッチョだったし、魚の油で煮たものは、生臭さが気になるものの、本当に美味しかったんだよ。
あれが?お母様?一部? いや、そもそも、市場にも売っていたけど、普通にタコだったはずだ。というか、動いているのも見ている。というか、今もこの洞窟に無数に棲息しているし、なんなら足元でも蠢いている。敵対していないので、モンスターというよりは、動物扱いをしてスルーしているが、この緑のタコ全部がソレなの?
『もとは、本来のリーリエの支配者にして、大いなる■■■■■の触手の切れ端の一部が、自我を持ったものです。知能は低く、リーリエでも食材として扱われています。』
クロが説明をしてくれたが、肝心の名前を呼ばれているところが、ノイズがかかったよに聞き取れない。というか、おそらく人間の発音ではない。しかもリーリエの支配者…?その切れ端の一部が食材扱い?
「食べ過ぎると、エラが生えたり、触手が生えたり、鱗ができたりとかしないですよね!?」
「そうっすね、まさか魚人になったりとかはしないっすよね!?」
「まさか、そんなことはないよな?」
満場一致で、やはりそこが気になる。私だって気になる。まさかとは思うが、食べ続けると、あのリーリエの住民のような姿になったりはしないだろうか?なんなら、皆平気でおかわりしてるんだよね。私なんて、2匹分ぐらいはぺろりと平らげてるし、たぶん皆それぐらい食べてる。だって、美味しかったんだもん…。
「しませんわよ?」
「…本当に?」
『肯定。食べすぎて体に変化が起きることはありません。』
クーちゃんもクロも否定しているが、今回ばかりは半信半疑だ。それこそ、人体実験とかしないと分からないはずだ。本当に疑問だ。
『えぇ、そこの姫と不定形の言う通りですね。私も実験したので間違いないですよ。』
「プリミティブ!」
ヤツの声がした瞬間、プリミティブを発動。声がした方を振り返ると、案の定ナイアがい…あれぇ!?佐藤さんや霧島さん達も一緒にいる!?なんで!?
別作あり〼
触手 in クーラーボックス(仮)
https://ncode.syosetu.com/n1200kj/
青空設置しました。
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