なんか都市があるんですけど
前々から来ていたPARAM関係の誤字修正しました。
誤字脱字報告が来たところは全部修正できたはずです。
『解放』とすべきところが全部『開放』になっていて頭を抱えてました。
なにやってんだこの作者。
誤字脱字報告ありがとうございます。(‘、3_ヽ)_
「空に海がある…。」
「暗いのに明るいわ。本当にダンジョン最下層なのか疑わしいぐらいやな。」
「潮の香りと、海の生物由来のなんというか、生臭さがきついっす。」
「全く見たことが無い景色の中に、見たことが有る建物が混在している…奇妙だ。」
私達は今、このダンジョン最下層の文明都市を案内されている。どこか見たこと有るような景色と、全く見たことが無い景色が混ざっている。まず一番最初に目に入るのは、空に浮かぶ海だ。都市には空気があるんだけど、すぐ真上の空をみると、海の中に有ることがわかる。ほの暗い空の海には、あちらこちらに、様々な魚型モンスターが泳いでいるのが分かる。『ミズウオ』なんかはかなりの数が泳いでいるのが見えるし、他にも種類がわからない…所謂深海魚と呼ばれるようなグロテスクな魚たちが多数を占める。
あの後、イドラさんに『ミズウオ』の竜田揚げなどをごちそうになった。うん。なんというか、すっと竜田揚げが出てくるよね。つまりは、料理法とか料理名とかをイドラさんは知っているって事になる。更に言えば、どこからかその知識を仕入れて来ているということだ。やはりそれなりに地上と交流があるのは、ほぼほぼ確定と見て良いだろう。そして食事が終わった後、私達は、この海底都市『リーリエ』を案内されている。
ダガンさんが、この『リーリエ』についていろいろと説明をしていくれる。まず、空に海がある理由だが、はるか昔に古代都市から逃げてきた人達が持ち込んだ、魔道具やテクノロジーによって、都市全体を結界で包んでいるためだそうだ。お陰で、私達でもこの空間で呼吸ができるし、濡れることを心配しなくて済む。この『リーリエ』という名前もその古代都市の名前が元になっているそうだ。光が届かないダンジョン深層の深海にもかかわらず、あちこちに発光する石だったり、光を出すモンスターがいるため、全体的に薄暗いがまったく暗いという訳では無い。全体に薄暗いため不気味さは感じる。まるで濁った夜みたいな感じだ。
次に目に着くのは歪んだ建造物群だ。妙に歪んだりねじくれたりした建物が多い。これらは、やはり移住元である元古代都市をイメージして作られた建物達らしい。一方で、私達が先程までいた宮殿だったり、神殿だったりという建物は、古代ギリシアの建造物影響がみられたり、中世のイタリアルネッサンスの建築様式がみられたりと、年代も建築様式も違う建物が、いびつな建造物群の中に唐突に現れたりする。
都市の建造物は基本的には全て石造り。そして、所々にタコやイカのような触手を模した石像が、あちこちに置かれている。これらももとの古代都市をイメージした品々で、この古代都市の信仰の対象だそうだ。いろいろと歪というか、ちぐはぐというか、このダンジョン都市独自の文明と、私達の文化というものが中途半端にミックスされた、一言で言うなら『奇妙』な都市だと思う。
街の住民達は、半魚人ばかりかとおもったが、ぱっと見人間に見える人達も多い。ダガンさんやイドラさんみたいに、両方の形態をもっている人もいれば、持っていない人もいるってさ。半魚人だけじゃなくて、イカやタコみたいな触手を持っている人や、大きなエラが特徴的な人、半魚人でも鮟鱇みたいな人がいたりなど、見た目は決して良いとは言えない。ぬるぬるの粘液だったり、トゲだったり、基本的には魚っぽい特徴を持つ人が多い。話している内容に耳を傾けてみたが、やはり未知の言語であり聞き取れない。
市場を通りすがりに見ることができたが、タコやイカっぽいモンスターや、ミズウオといった魚型モンスターが大量に並んでいた。全体的にぬるぬるとした粘液を持っていたり、半透明でぶにぶにとしたような魚(のモンスター)が多かった。
だが、いろいろと質問をしてみる限り、生きた人間がここにたどり着く事はほとんど無いそうだ。特にこの十年程度の間は、地上との直接の交流はほとんど無く、死んだ探索者の遺体が上層から流れ着いたり、漂流品が流れ着いたりする程度だったと。
「申し訳ありません。ちょっと気持ち悪くなってきました…。」
「いえ、お気になさらず。かつて訪れた方々もそうでしたが、私共に合わせて作られた建造物や都市を、地上の人々が長時間見続けると、やはり気持ち悪くなるようです。無理をせず、おやすみくださいませ。」
なるほどねぇ。
ちなみに、この最下層はかなり広い。そもそも都市が一つすっぽりと入るだけではなく、さらに外部に広大なスペースがある。もとから、ダンジョンは下層に進むほど、広くなる。この『海の貴婦人ダンジョン』では、15階層より下は、基本的に水没し海中のダンジョンとなる。ところどころにあるセーフゾーン等には、呼吸ができる空間があったりするらしいが、私達はその道中をすべてすっとばしてここまで連れて来られてしまったため、この目で確かめた訳ではない。
この私達が持ってきた魔道具も、その海中エリアを進むために必要なアイテムだ。つけているだけで水圧から使用者を保護し、水中で呼吸を可能にしてくれるアイテムだ。結局はダガンさんに捕まってる間しかまだ使って無いんだけど。…あっ、クーちゃんに渡したままかも。帰りには返して貰わないと駄目だな。
設定管理にVSCodeのエディターを導入したので、修正箇所の確認が簡単になりました。
新作あり〼
触手 in クーラーボックス(仮)
https://ncode.syosetu.com/n1200kj/




