なんか新しい蟹なんですけど
誤字脱字報告感謝です。皆様のおかげで、読める文章になります。(‘、3_ヽ)_
しばらく飯テロな感じになります。蟹や海老がモンスターだしね。仕方ないね。
『アカガニ』と『バイシロ』を処理しながら、階層を進んでいく。余計な戦闘を避けつつも、最短でダンジョンを突っ切る。『海の貴婦人ダンジョン』は、最高到達階層が42階。出現するモンスターの殆どが食用可能であり、特産品として収穫するために、かなり深い階層まで人の手が入っている。中には養殖施設なども整備されている為、本来は20階層まで無線施設が準備されている。
ただし現在、それら無線設備は4階層までしか機能しておらず、途中の中継地点である10階層にある管理施設も、機能停止中であることしか確認が取れていない。
そして、私達は7・8階層を抜けて、9・10階層へと辿り着く、ここまでで大体、2時間といったところだ。…腕時計は午後1時30分程度を示している。
「ココまでは『アカガニ』と『バイシロ』程度だったが、いよいよそうは言ってられなくなるな。」
「そうだな、他にもモンスターはいるけど、上層で手こずりそうなのはそいつらぐらいだしな。」
「そうっすね、そろそろ中層のモンスターが上がってきていてもおかしくないっす。」
「…佐藤、感知あり、『アオガニ』だ。あと数秒でぶつかる。」
「やはり、上がってきたか。スタンピードで間違いないな。」
「あぁ。」
「金田、任せた。」
「了解。」
海中から、突如大量の水が吹き出してくる。金田さんは器用にその水を斬ったあと、そのまま、海中から姿を表した2メートルはある蟹の脳天を、そのまま『スパン』と叩き切る。
「一丁上がり。」
「次来るぞ、鈴木は左、堺は右。」
「了解っす。」
「…分かりました。」
左から飛び出してきた蟹は、ハサミを振り下ろすが、鈴木さんがそれを弾く。直後、素早い動きで蟹の懐に潜り込んだかと思うと、バチバチと、閃光と火花…つまりはスパークが起きる。
「スパーク・ブロー。」
アオガニの全身が痙攣を起こし、小刻みに震えると、シュゥシュゥと音を出しながら、泡を吹き始める。やがて、ピクピクと痙攣を起こしたかと思えば、あちこちから水蒸気が上りはじめる。内部が焼けてしまったのだ。
「終わりっす。」
堺さんの方を見てみると、右のハサミを落とし、左のハサミを弾いたところだ。もう少し時間がかかりそうだが、怪我は一つもない。だが…なぜだか焦っているように思える。
「ガキン」
「しまったっ。」
高い澄んだ音がしたかと思ったら、目の前で堺さんの剣が真っ二つに折れてしまった。剣の破片は、海に落ちて、沈んでいく。
「くっ…。」
「アイスニードル。」
霧島さんが撃ったアイスニードルが、アオガニの頭を撃ち抜いた。アオガニはその場で力なく崩れ落ちる。
「…ありがとうございます。」
「大丈夫ー。剣の予備はあるー?」
「はい…。あります。」
「堺、焦りすぎだ。時間がかかっても大丈夫だ。きちんと関節を狙え。」
「…はい、今のはタイミングを誤りました。自分でも分かるぐらいに。」
「…佐藤さん、金田さん。」
「どうした?」
「どうすれば、金田さんみたいに、一刀両断できますか?」
「…最低でも5年ぐらい修行がいるかな。俺はもともと剣道やってたし、真剣も鍛錬を積んでる。あとは場数がいるだろ。どうしても。」
「…そうですか。」
「焦ってるようだが、一刀両断なんて狙わないで、マニュアル通り対処すれば何の問題もないぞ?」
「…いえ、佐藤さん。…はい。」
倒された『アオガニ』を見ているが、これも中身がつまっていて、美味しそうな見た目をしている。…お醤油が欲しくなってきたな。
「黒川さん、一応『アオガニ』には近づかんように。まだハサミが動くかもしれんわ。」
「西園寺さん、もう死んでるように見えますが…。」
「死んでてもハサミが動くことが有るんよ。それで、真っ二つにされる探索者が毎年出るんよ。」
うへぇ。まじか。
「『アオガニ』のハサミは岩をも綺麗に両断するし、水魔法も使う。ハサミも振り下ろすだけで、地面が凹むほどの脅威や。アカガニよりも力も強くて大きいんで、これが数出てくると、大変なんよ。」
「そうなんですね…。」
「それに、中層には、他にも厄介なやつが出るからな。気ぃつけるんやよ?」
「分かりました。」
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