なんか意外な人が知り合いなんですけど
めちゃくちゃ久しぶりに雨が振りました。
ちょっとだけ気温が下がった、少しだけ立ち直りました。
「もしかして、それで隠しているつもりだったのかしら?」
酷い言われようである。確かに魔法使いであることを当てられて、動揺はしたけど…。だが、その反応から、赤池先輩から出た言葉がコレである。
「なんで魔法使いだと思ったんですか?私はまだ1年生ですよ?」
とりあえず、誤魔化す。
「そう言いたいのならば、まず魔力を絞りなさい。ダダ漏れよ。それから右耳のイヤリング。名前までは分からないけど、魔法系統のブースト効果があるわね?氷の魔力を感じるし、ずっと黒川さんの魔力と繋がっている。『魔力識別』を使わなくても見えるぐらいに。」
えっ。
「おそらく、魔力が高いわね?普段は隠そうとしてても、感情が揺れると簡単に魔力が漏れる。原因は圧倒的な経験不足。魔力制御がお粗末だからそうなる。たぶん、指導者辺りからも普段から「もっと魔力制御を鍛えろ。」って言われてるんじゃない?」
図星。それから、イヤリングも。普段から付けるようにしていたけど、付けっぱなしだと良くないか。いや、でも「とっさに魔法が使えないと困る」という事情もある。もし、ナイアが目の前に現れたらと考えると、やはり普段から付けておいた方が安心だ。
「…そんな事まで分かるんですね?」
「まぁね?こう見ても高校生でCランク探索者ですからね?」
えっCランク!?
「今、えっこの人がCランク!?って思ったでしょ。伊達に探索者同好会の会長をやってないんですよ。こう見ても中位探索者なんですよ私。」
ひえ。
「というわけで、前衛は私にまかせて、黒川さんには支援をお願いしてよろしいかしら?」
まずいな。コレ以上はどうしようか。そんな事を考えていると、聞いたことの有る声が割り込んでくる。
「はーい、そこまでー。私の弟子をー。いじめないでくれるかなー。」
「あ、霧島さん!」
「赤池ちゃーん。気になるかもしれないけどー、この事は黙っておいてもらっていいかしらー?」
「あら、貴方、『叡智の魔女』の弟子だったの?…それにしては魔力制御が甘いのね?」
「そこは赤池ちゃんの言うとおりー。もっと精進ー。」
ぐぇ。というか、霧島さんは、何故ココに?それに、赤池先輩と知り合いなんだ?そもそも、自然に会話に入ってきたけど、いつから聞いてたんだろう?
「というか、霧島さんと、赤池先輩って知り合いだったんですね。そして霧島さんはなんでココに?」
「まず、後者の質問からー。『海の貴婦人ダンジョン』の『海砂』を取りに来たのよー。西部支部の依頼でねー。そして、赤池ちゃんはー。友達の妹ねー。赤池ちゃんが小学校の時から知ってるー。」
「霧島さん勘弁してください。」
「昔みたいにー、お姉ちゃんって呼んでもいいのよー?」
「ごめんなさい、勘弁してください。」
あらまぁ。
「とりあえずー、赤池ちゃんはあとでお話ねー。説明したいことがあるからー。」
「…分かりました。」
「理恵ちゃんはー。買うもの買ったら帰りなさいー。少しぐらいは海を見てっていいけど、遅くならないようにねー。」
「分かりました。」
ということは、大分前から聞いてたね。私達の会話。
「それからー。…二人共、中間テスト、酷かったら許さないわよ。」
「「はい!!」」
せっかくだが、『海の貴婦人』ダンジョンに入るのは、また今度だ。海を見たら、お土産を買って帰ろう。
『海の貴婦人ダンジョン』には、また来ることになります。今回は顔見せ。
新作あり〼
触手 in クーラーボックス(仮)
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