なんかあの人がいるんですけど
今日は更新が遅めで申し訳なく。熱くて(‘、3_ヽ)_
『本日も越鉄波湊電車をご利用いただきありがとうございます。次は貴婦人駅、貴婦人駅です。波湊公園はこちらでお降り下さい。』
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検定試験は無事に終わった。焦ること無く、全部の問題を解ききれたと思う。特に、あれだけ間違いが多かった『連結会計』の問題を解いている時には、手応えすら感じることができた。午後1時30分から始まり、90分かかった試験が、これで終わったのだ。
これは、(まだ中間テストが残っているが)入学してから今日までの忙しい日々から、ようやく開放された事を意味する。これで私は自由だ。
そう思ったら、明日から中間テストだと言うのに、遠くまで遊びに行きたくなった。今から中心市街地へ行ったり、ショッピングに出かけたりするのも良いな。でもせっかくこの辺りにまで足を運んだんだ。もう少し遠出したって構わないだろう。
そんな事を考えていたら、ふと、波湊公園『海の貴婦人ダンジョン』の名産品を思い出した。少し遠いけれども、「今の私は自由」であるのならば、「なら別に、今から行ってもいいよね?」と、その場の思いつきに身を任せた。
商工会議所のビルを出て、正面。ちょうど今やって来た路面電車に、そのまま乗り込む。
『発車します。ドアにご注意ください。』
このまま海を見に行こう。
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波湊パークには、帆船、海皇丸がある。別名を『海の貴婦人』。そう、今から行く『海の貴婦人ダンジョン』の名前の由来である。そして、『海の貴婦人ダンジョン』は西部支部の管轄下だ。私の持っている『特別ダンジョン探索許可証』があれば、そのまま入れる。まぁ最悪、入れなくてもいい。海を見て、お土産を買って、帰れればいい。
西部支部の管轄には、人気ダンジョンが多いが、『海の貴婦人ダンジョン』も例に漏れず大人気ダンジョンの一つだ。その特産物は『海老』と『蟹』。1・2階層には、白くて小さな『宝石ヒラタエビ』に、真っ赤な色をした巨大な『アカガニ』の二種のモンスターが出現する。両方とも、生食で食べるのが美味しい。この、大きな赤い宝石と、小さな白い宝石。これが『海の貴婦人ダンジョン』が人気の由縁である。
なお、わざわざここまで来なくても、大量に出回っているので、スーパーでお刺身を買うことができる。だが、それとこれとは別だ。
それに、大量に出回っているのはここら辺ぐらいなものだ。
今回の私の目的は『宝石ヒラタエビ』の方だ。買ってもいいけど、自分で採取してもよいだろう。ダンジョン内にある海にさえ潜らなければ、防具もなくて大丈夫だ。ただし迂闊に潜った場合には、海の底で待ち構えている『アカガニ』と一戦交えなければならない。美味しいやつだが、好戦的で危険なのだ。対して、海老の方は網で掬えばいい。なんならば、凍らせてしまってもいいかもしれない。
路面電車の駅を降りてから10分。ようやく『波湊パーク』に到着する。ここのダンジョンは、確か出張所があったはずだ。どこかな。
「あれ!?黒川さん!?どうしてココに!?」
突如後ろから声をかけられる。聞いたことのある声だが、誰なのか思い出せない。振り返るとそこにいたのは…
「げぇ!赤池先輩!?」
「げぇ!とは、何よ。失礼ね!」
衝動に身を任せたのは、失敗だったかもしれない。
赤池先輩再び
新作あり〼
触手 in クーラーボックス(仮)
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