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 8回目。私はマッハでエルキュールのところに向かった。7回目と同じような会話をし、リュカを呼び出してもらう。リュカにはレイピアよりフルーレがいいと最初に申し出て、そのおかげで体力が持って、リュカの警邏当番の時間まで、体力が持って練習ができる。最終的にまた同じ階段の踊り場で死んだぜ。



 9回目。リュカ曰く、「どこかで練習なさったことございますか?初歩ですが型の基本が出来ていますよ。ちょっと私と対戦してみましょうか」。

イエーイ!



 15回目。初歩の初歩から大分進んできた。割と最初からリュカと対戦できる。スタミナ不足のせいで長時間戦うと全然歯が立たないが、最初の一戦くらいならリュカに対していい線つくようになってきた。


ところで駐屯所にかなり近い場所に人気のない庭園があることに気が付いた。わざわざ王宮の人気のない階段まで戻るよりと考えて、ふらふらとそこをさまよったところ、見事に悪魔憑きに襲われることが出来た。もう面倒くさいので、タイパ考えて今後は階段まで行かないでそこにするわ。



 20回目。リュカ君教え方がいいから、私強くなってきたぜ。やっぱりスタミナ無いので(これは繰り返しでは鍛えることが出来ない)継続すると負けるけど、最初の一戦はリュカ君をかなり追いつめられるようになってきた。



 30回目。「えっ、どこかで修業なさいました?僕じゃ教える様な内容はありませんよ?!」と最初の一戦でリュカ君が青ざめた。可愛い。エルキュールもちょっと不思議な顔をしている。副団長のユベールが面白がって交代した。リュカ君とは桁違いに強いので、調子に乗らずにまた謙虚に教えを乞うこととする。


 ちなみにユベールはがっしり型のエルキュールと違って、すらりとしており、黒髪ツーブロックを一つにお団子にまとめている奇麗系のため、これはこれでファンが多い。エルキュールとは阿吽の呼吸で、お互いに憎まれ口などきいており、男×男のカップリング二次創作を好む『ラ・ギルランド』のファンのお嬢様がたは、二人の関係に見えないはずのものを見ておられる様子である。



 35回目。最初に騎士団から簡素な服を借りた。ユベールのもの。端麗な顔立ちで細身なので私が着ても少しぶかぶかくらいだ。修行も結構ハイレベルになってきたので修道女のベールも邪魔くさかったから助かる。その話をきっかけとしてもう最初からユベールに出てきてもらうことにする。



 40回。ユベール強い。エルキュールも、マルグリットの思いもよらない強さにぎょっとするものの、最終的にユベールが勝つと満足そう。リュカ君も含めてキャッキャしている。お前らみんなで仲良しか。



 49回。ついに、ユベールの、剣を、受け流した……!だからと言って勝てはしないのだがめっちゃ成長したぜ~!!!



 55回目。ユベールにはとにかく勝てる気がしねえ~。マルグリットが強いのでユベールは面白がって相手してくれているが、どうにもこうにも苦戦。とにかくスタミナと筋力不足で無理。でもマルグリットの強さはエルキュールの好奇心を抱かせたらしい。最近は、自分の腕前が上がるのが楽しみで、悪魔憑きに抵抗していない。さくさくdeathっている。



 60回目。ユベールは強いけど、初戦の動きは読めるようになってきたので一戦目だけは引き分けに持ち込めた。「よろしけば、エルキュール様と手合わせ願いたいですわ」って言えばエルキュールはどう来るかなと思ったら、めちゃくちゃ面白そうにノって来た。


 多分「超美貌の元王の愛妾が今は修道女なんだけど俺に剣技を学ぼうとしている件」みたいな感じで楽しいのだと思われる。いや、しかし私もだいぶ強くなってきたのでもしかして結構互角だったりはしないかしら?ふふ。


 ……と、思っていた時期が私にもありました。エルキュール、馬鹿強い。勝てる気がしない。



 70回目。記念すべきだよね。マジで勝てない。一線ユベールと戦ってエルキュールを引っ張り出すことはできるけど、なかなか向上しない。エルキュールやべえよ。でも長時間付き合ってくれるエルキュールには感謝。

 最近、なんでこんなことをやっているのか見失いつつある。剣の練習楽しい!私とマルグリットが目指す場所はもしかしてこのスポ根だったのか?世界一の剣豪に俺はなる!?



 80回目。エルキュールの癖は読めてきた。彼の剣は受け止められないから流す。流すと次は突きを出してくることが多い。それを払ってから懐に飛び込んでいけば。



 89回目。エルキュールの胸元に飛び込んだ。私も長剣フルーレだから振り回せる距離じゃないからそれでは勝てない。でも忍び持っていた練習用の木製の短剣を彼の首筋に付きつけることが出来た。


 エルキュールの目が見開く。そして彼は破顔一笑。

「お見事!」

 私は短剣を下ろし、一歩引く。愛妾ごときに一本取られたにもかかわらず、彼は豪快に笑っている。バチクソいい男じゃないか、結婚するなら絶対こういうタイプがいい。でも私もエルキュール×ユベールだな。二人の仲良しの様子を100回近く拝見しておりますもので。尊い。


「修道院で反乱の準備でもなさっておられたか。とても貴婦人の腕前ではない」

「おやめください。わたくしの立場的に、それは冗談とわかっていても縛り首への近道ですわ」

 差し出された手拭いで私も汗を拭う。

「よろしければそのフレールは差し上げましょう。おいリュカ、お前には新しいの支給してやるからちょっと待ってろ」

 ああ、じゃあ、とユベールがエルキュールの腰に刺さった短剣を勝手に奪い取る。


「こちらもどうぞマルグリット殿」

 恭しくエルキュールの短剣を勝手に差し出してくる。

「あらまあ」

「おい俺の剣だぞ。勝手に差し出すな」


「本当は渡してあげたいんでしょう。今日の午後だけで、マルグリット様の大ファンになってくせに。これいい物なんですよ。ほら、柄も象牙で飾り石もついてます。実は本当は、これ処分したいと思ってるんですよ」

 確かに短剣は彼のような豪胆で実利一辺倒な人間が持つようなものでもない。少し不思議だ。

「まあ、とても貴重なものに見えますが」


 私はそれよりもさらに疑問なことがあるので、つい尋ねてしまう。

「エルキュール様は、わたくしが宮廷でどのような立ち位置だったかご存知でしょうに、どうしてこのように親切にしてくださいますの?」

 エルキュールは黙って私を見つめる。すっとユベールがリュカを連れて立ち去り、この一角には私と彼しかいなくなった。


「……俺の出自からして、あなたのような身分の方を悪し様に言うのは嫌なのです」

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