1話 いつも通りの日常が…
20××年のある日の朝。
「奏にぃ、早く起きて!学校の時間だよ。」
でも、眠たかった僕は無視を決め込んで2度寝しようとした。
「もう、奏にぃ、今7時30分だよ。」
その言葉に青ざめてばっと布団から出る。
「嘘でしたー。起きてるの分かってるよ。でも、もう7時だよ。あ、あと朝ごはん出来てるよ。」
「分かったよ。ありがとう。」
そう言った僕は、制服に着替え階段を降りて行った。
テーブルに並ぶのは、ご飯とお味噌汁と卵焼きだ。
「さすがだね。美味しそう。頂きます。」
どれもが妹の花が作ってくれたご飯だ。
と言うのも、家の父さんと母さんは事故で死に、僕と花しかこの家には、住んでいない。
朝ごはんを食べ終えた僕は、歯磨きをし靴を履いて学校に行く準備をし、
「いってきまーす。」
「気をつけてねー。いってらっしゃーい。」
花に見送られた僕は、学校へ歩いて向かう。
その途中、同じクラスの水島 美咲と出会った。
「おはよ。來崎くん。」
「うん。おはよ。」
彼女は、超絶美人で女子でも男子でも人当たりがいい。
そういうこともあってか、告白されることも日常茶飯事だった。
短い挨拶をかわした僕達は、一緒に学校へ行く。
会話に夢中になっていると、学校が見えてきた。
校門をくぐって下駄箱を通り、自分のクラスへ行く。
前の扉ではなく、後ろの扉から入った。
そして、後ろの角の席で5分ほど座って待つと、担任の
菜々草先生が入ってきてホームルームが始まった。
いつもの光景だった。
けど、ここで予想外のことが起こる。
なんと、クラスの床一面に魔法陣のようなものが描かれていた。
それは発光し、クラス全体を包み込む。
「なんだこれ?」
「落ち着いて下さい!」
クラスメイトが少しパニックに陥る中、來崎奏唄は考え事をしていた。
(これ、異世界転生っぽい!楽しみだなー!!)
そして発光に身体が飲み込まれて行った。