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現在進行 鳥の国 4  作者: 蓮尾 純子
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全面重機がけ   2008年2月 すずがも通信168号掲載

全面重機作業  保護区はいつも現在進行   2008年2月  すずがも通信168号掲載


 いやあ、みごとな晴天。年明け以来、ほとんど風もなく美しい青空がひろがっています。年末の大掃除も引っ越し騒ぎのおかげで今年はとても楽。観察舎は休館中なので、お客様にはとても申し訳ないのですが、年末ごろからいよいよ保護区内の管理作業が本格的に始動中です。11月から用水をとめて干上げにかかっている新浄化池第四系列は、年末から全面草刈り開始。1月4日から刈った草を集めて燃やす作業を始めました。

 背丈より高く伸びたアシは刈り倒しただけでは重機の邪魔になります。焼却がいちばん楽で養分を還元できるよい方法なのですが、ダイオキシンの規制以来、煙が出る作業ぜんぶがご法度になりました。仕方なく、積んでおいて草刈り機で細かくしたり、重機で押してどけたりしていましたが、たしか一昨年から「特定外来生物・(ナガエツルノゲイトウ)の処理」のために、刈った草を保護区内で燃やすことが認められるようになりました。市川市役所の清水前課長のおかげです。何トンもの刈り草をどけるのはほんとうにきつい作業だったのですが、燃やすのははるかに楽。夏場はつらい草焼きも、冬には気持ちよいたき火で、おまけに焼き芋などのありがたい副産物も。

 4段、13枚にのぼる新浄化池第四系列のうち、ほぼ3段目までの草刈り終了。草焼きはまだやっと2段目にかかったばかり。気候がゆるんで雨天が続くようになる前に、ユンボ―やトラクターといった重機にしっかり働いてもらう予定。もっともしばらく動かしていなかった重機さんたちはバッテリーが上がっています。手入れや燃料補給を済ませて、順調に作業を続けて行く予定。

 さて、これだけ徹底した植生管理と銘打っても、どの程度アシやガマの勢いをそぐことができるのか、この夏はきちんと植物の状態を見ておきたいもの。それにできれば水質浄化の状態も確かめておきたいなあ。干上げてきちんと天地返しをした浄化池は、そのままの状態を続けているほうと比べて、だいたい3カ月程度は浄化能力が高いようなのです。月1回の定期的な水質調査ではこの程度しかわからないのですが、意識して水の再導入からしばらく水質を見ておきたいもの。やっぱりやっておきたいのに手が回らないことは多々。

 全面草刈りや全面干上げ、全面重機がけといった大掛かりな作業は、そこで暮らす生きものにとっては大激動ですし、かける人手等含め、経費的にも生易しいものではありません。とりまとめも作業のうちと考えてやっておくべきだなあ。それに、結果を公表できるように意識しなくては。

 実は蓮尾純子個人(業務ではあるけれど)としてとても困っていること。この6年続けているカワウの繁殖状況調査、観察舎(アスベスト除去で入れない)からは当然出来ないのですよね。月2回義務付けられている観察舎からのカウントは、「みどりの国」の観察壁からで代用しようと思っています。丸浜川沿いの道路でのカウントもなかなか楽しいし、ついでに通行量調査もやってみました。「人+自転車」「人+犬」等々、200m、10分そこそこの距離で、すれ違う人、10名は下りません。

 繁殖状況のほうは、時間をもらって下北岬か小島岬に出てみることにしました。寒いです! 秋には一時3000羽をこえる時期もあったコロニーのカワウですが、12月に入ると若鳥のほとんどがみるみるうちに姿を消してしまい、精鋭の繁殖羽連中が9割以上を占めるようになりました。若鳥たちはどこに行くのでしょう。1月1日に調査した時には既に100巣以上が作られたり、つくりかけという状態でしたが、がっちり抱卵という感じの巣は見られませんでした。次回にはそろそろ尾をぴんと立てて座る(みずかきの上に卵を乗せて暖めるのでこういうスタイルになるらしい)抱卵個体が見られるでしょう。寒いけど、がんばらなくっちゃ。

 観察舎駐車場付近の欠真間三角方面にコハクチョウ2羽とカナダガンが落ちついていて、いつ行ってもオオバン、マガモ、カルガモ、コガモが近距離で見られます。反対方向のみどりの国入口付近ではたいていハシビロガモやカワセミが。むろん餌場ではユリカモメ・セグロカモメ・オナガガモ+αが見られ、観察用具なしでぶらっと歩いても、心楽しい鳥見ロード。そろそろ赤い木の実は食べつくされそうですが、トウネズミモチやセンダンの実で、小鳥の食堂は当分健在。

 保護区も、観察舎も、前へ、すすめ。いつもながらの現在進行でした。



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