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ママはVTuber  ~ホテル王に溺愛される~  作者: 富士とまと


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ランチミーティング?

「親し気に、肩をたたいていましたが」

 あっと、小さく息をのむ。

「そ、そうなんですよ、あの、部長が私の肩を叩いていたのを見てセクハラじゃないかって言っていましたよね?うちの会社では男女関係なくその、ジェンダーのその……肩を叩くのは日常的でセクハラだというんではなくて……でも、そうですよね、えっと、女性が男性の肩を叩くのだって、セクハラなんですよね……。気を付けます。すいません」

 素直に頭を下げる。

 それで、こんなに冷たい声なんだ。

 セクハラに厳しい感じだものね。

 あ、それとも、男になれなれしく触るような女は信用置けないと、私に対して女嫌いが発動したのかな。

「あなたが触れられるのも気に入りませんが、あなたが男性に触れるのはもっと嫌な気がしますね」

 うわー。怒ってる。めちゃくちゃ怒ってる。

 男性になれなれしく触れる女性……なんかセクハラまがいにいろいろ触られた経験が社長にあって、それを思い出させちゃったのかも。

「本当に、気を付けないといけませんね。息子のような感じがして気安くなりすぎちゃうんですよね」

 同じオタクだと思うと。つい。

「息子……?男性ではなくて、息子のように見ていると?」

「あ、大丈夫です。東御社長には触れたりしませんから」

 東御社長がポロリとつぶやきを漏らす。

「僕には、触れない……?」

 はい。決して、女嫌いを加速させるようなことはないと誓います。

「いえ、あの、社長にはじゃなくて、不用意に男女とも触れないようにします」

 セクハラだめ。女性が女性にだってあり得る話だから、男女関係ないわけだよね。はい。

 会議室で向かい合って席に着く。部長の姿はない。

 え?2人きりなの?

 確かに出向中の打ち合わせだったら、部長は出向してこないけど。聞いてないっ。

 花村さんが、カップにはいったコーヒーを運んでくれた。2つ。

 それをテーブルに置くと、すぐに出ていく。

 東御社長が、コンビニの袋から牛丼弁当を取り出して置いた。

 牛丼……。

 それから、プリンを2つ。

 2つ?

「深山さん嫌いでなければ」

 1つを差し出される。

「え?ありがとうございます。うれしいです。プリン好きなんです」

「ここと同じですね」

 はい?

 僕と同じって言った?

「東御社長もプリンはお好きなんですか?」

「好き」

「そうですか。好きなんですね」

 東御社長がなぜか顔を伏せてフルフルと小さく頭を振った。

 なんでしょう?

「好きです」

 恥ずかしそうに東御社長がつぶやく。

 もしかして、甘いものが好きだというのがちょっと恥ずかしいみたいなそういうことだろうか。

 息子も甘いもの大好きだし、男性が甘いもの好きでも全然かっこ悪くないですよね。

 お弁当箱をテーブルに置いてふたを開く。

「ご飯に卵焼きにプチトマト」

 東御社長が私のお弁当を見て声を上げる。

「あとは昨日のおかずの残りです」

 手羽元の骨をはずした肉と一口大に切った大根を甘辛餡に絡めたもの。

 息子のお弁当には冷凍食品としてスマイルポテトを入れたけれど、私のには冷凍インゲンを入れている。解凍してそのまま食べられるものだ。保冷剤替わりにもなるし、野菜をもう少し食べたいので。息子はいんげんのあのきゅっとする食感が苦手だというので入れてない。

 東御社長が想像していたお弁当はどんなものなのかは分からないのですが。ごくごく普通のお弁当だと思うんです。

「それで、来週の打ち合わせというのは?」

 食事をしながら話を進める。


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― 新着の感想 ―
[一言] >プチトマト 突っ込むべきか、突っ込まざるべきか…… 来週の打ち合わえのための打ち合わせ(のための以下略) 東御社長ならやりかねん(笑) 副社長「全然出社なさらず、もう社長じゃなくて相談…
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