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27 はるばる来たぜ、バルハラ

新作・ヘイスが征く!! ~邪神の使徒になってしまった男の苦労譚~

https://ncode.syosetu.com/n5622hm/

よろしくお願いします!



海賊船どころか海竜・リバイアサンに遭遇してしまったオッサン一行の乗る船便は命からがらバルハラ教国まで逃げてきた。


実際は海賊船は処理済だったし、暴れるリバイアサンはヤラセ、しかも海神サマのコントロールする海流サービスまで付いているので安全この上ない船旅だった。事情を知らない他の乗客や船員たちは船を降りるまで生きた心地がしなかっただろうが。

ちなみに海神サマは船を降りた時点で海に帰っていった。『帰った』であって決して『還った』ではないのでご注意を。ちなみのちなみにチビ妖精は消えたり現れたりしているが、透明になっているのか森に帰っているのかはオッサンにはわからない。今は港の入管みたいなところにいるので、セーラの頭の上に姿を消して停まっているそうだ(本人談)。


入管は大きな都市の門と同じシステムで、冒険者ギルドなんかのカードがあったりすれば問題なく通れるし、なくても入国税を払えば誰でも通れる。いや、誰でもってのは言いすぎか。指名手配犯やあからさまに怪しい人間以外は比較的スムーズに通れるってことだ。


で、オッサンはというと……


「名前をもう一度言ってください」


「ハチベエです」


「……証明できるものは? ギルドのカードはありませんか?」


何故か入管の職員に怪しまれていた。


「いやー。あいにく落としてしまって。ほら、リバイアサンが出たでしょう? あのとき慌ててしまってカードの入っていた荷物を海に落としてしまったんですよ。あ、お金は別にしてたんで、ちゃんと入国税は払えますよ?」


「……そうですか……では仮の入国カードを発行しますからこれに触れてください」


職員が取り出したのはフランシスカ王国の王宮や冒険者ギルドで見たステータスを調べる水晶だ。

異世界モノの定番なので転移当初はワクワクもしたが、今となっては秘密が多すぎる。しかもたった今偽名を名乗ったばかりだ。

さて、どうしよう……


「(タケシよ、そやつの言う通りにするのじゃ)」


「うをっ!」


突然脳内通話が始まってビックリしてしまったが、すぐに状況を理解することができた。なにせ異世界に来てからはアカシックさんやシュレとはケータイ以外でもこうして脳内通話することが多かったからな。神託だと思い込んでいたが遠話というスキルだと知ったのはついさっきなのは置いといて、爺さんたち神サマズとも旅行中子供に聞かせられない話題はやはり脳内通話していたので慣れているといえば慣れている。ま、オッサンは根が凡人だから不意打ちには弱いけどな。


「? どうかしましたか? 何か問題でも?」


「い、いや、ここでその装置が出てくるとは思わなかったからビックリしただけだ」


「……拒否すると拘束して取調べることになりますよ?」


「(タケシよ、ステータスの名前は変えてある。安心するがよい)」


さすがは創造神。すべてお見通しのようだ。

オッサンは安心して水晶に手を載せる。


「勿論拒否なんかしませんよ。これでいいですか?」


「……確かに申告どおりです。では仮のカードを発行しますから少々お待ちください」


そう言って席を外した職員の表情は残念そうだった。

何がどうなっているのだろう?

オッサンが疑問に思っていると遠話スキルで脳内通話が再開された。


「(お主が勇者ではないかと疑われておったのだ)」


なんでさ!?


「(手配書が配られておる。おそらく国境の施設や街の門すべてにじゃろうな)」


だから、なんでさ!


「(ふむ。フランシスカ王国に洗脳された勇者がバルハラに進攻する恐れあり、発見次第身柄を確保せよ、だそうじゃ。お主、心当たりがあろう?)」


洗脳て! 自分たちを棚に上げて、どこまでも人聞きの悪いことを!

でも、まあ、心当たりか……あるな。王都の冒険者ギルドで演説かました。教国のスパイが遠話スキル持ちだと言うならその後の工作員の行動にも納得できる。さすがに本国まで警戒しているとは思わなかったが。


「(本国こそ警戒するじゃろう? ジャマーンであれだけ騒ぎがあったのじゃから、なおさらじゃな)」


し、仕方ないだろ? 思いつかないものは思いつかないんだから! こちとら凡人のオッサンだよ!? 勇者なんかじゃありません!


「(管理神様の使徒が何を言っておる。ところで、これからどうするつもりじゃ?)」


だ・か・ら! いちいちオッサンに聞くなっての!


で? オッサンの正体は結局バレたのか?


「(そこは安心せよと言ったじゃろ? ステータス表示までは疑えぬ。同行者や娘がいることも手配書と食い違っておるからの。そやつは偶然人相が似ている人間が来たということで処理するつもりのようじゃ。ま、普通なら金を取るだけの仕事が滅多にしない仮カードの発行をする羽目になってボヤいておるがの)」


ふ~ん? ならよかった。爺さんたちも仮カード発行するのか? 時間かかるかな?


「(いや? ワシらは疑われておるわけではないからの。カードも偽造じゃが人間に見抜けるわけでもないしの)」


ずるい!

あっ! そういえば爺さんに偽造カード作ってもらえばよかったじゃないか! そしたらこんな茶番しなくて済んだのに! 

あ、変装だってできたかも? 

いや、いっそのこと転移魔法で入管越えればよかったのか?


「(後の祭りじゃな。ワシは管理神様ほどの力はないからの。時間は戻せぬよ)」


わかってるよ!

くそっ、シュレのヤツ、絶対笑ってるだろうな。


ま、まあ、疑いが晴れたっていうならさっさとバルハラの街に行こう!


「(で? これからどうするのじゃ?)」


だ・か・ら! いちいちオッサンに聞くなっての! オッサンはタバコ買いにきただけなんだから!



次話は3月2日0時の予定です。

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