28 オッサン、公文書偽造?
はい、ドン! これが今のオッサンのステータス。
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名前:タケシ・ハンムラ
人種:ヒューマン?
職業:魔法剣士(元勇者候補)
年齢:42
性別:男
レベル99
HP:999 MP:999
力:999
素早さ:999
器用さ:999
知力:999
運:999
スキル
剣術Ⅱ 格闘術Ⅱ 全属性魔法Ⅴ 錬金術Ⅴ 付与魔法Ⅴ 転移魔法Ⅵ 結界魔法Ⅸ 高速思考Ⅵ 回復魔法Ⅵ 毒 異世界言語
ユニーク・スキル
ご都合主義 アイテム・ボックス(極大) *** **** 魔道の極み 武術の極み
称号
二度落ちた者 管理神の** 邪神の父親 設定を覆す者
加護
創造神の加護
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もうね、シュレに抗議の電話をしましたよ。二度も。
一度目はレベルアップのコール音について。シュレめ、笑ってやがった。笑いながら謝ってきたが、単なる冗談だというので仕方なく許す。特別サービスだと思え、だと? 思えるか! 一々気になってしょうがない。
二度目は、そう、オッサンのステータスを確認した時だ。神サマズ呆気に取られてたぞ。
なんだよ、レベル99って! ステータス値オール999って、どこの銀河鉄道だ! オール無限大よりはマシだが、それでもこれは酷すぎる。『運』まで999? 悪運の間違いじゃないか? スキル群もニューフェイスが参戦。『全属性魔法』まである! レベルが軒並み五以上。その中で『剣術』と『格闘術』が二なのがわざとらしい。アイテムボックスがユニークスキルに引越ししたのはどういうわけ? しかも極大って書いてあるし。シュレ一押しの『毒』スキル! 消えない! 消せない! 伏字のままのスキルも健在だ。最後に称号が増えている。何ですか、『設定を覆す者』って? 『設定』ってあの『設定』ですよね? 『邪神の父親』って、怪しいことこの上ないな! バレたら人類の敵まっしぐらで迫害対象だよ!
そんなわけで電話したのだ。
だが、現実は残酷だった。
シュレが言下に否定。レベルアップ・コールの悪戯はしたが他に一切手を加えていないとのこと。信じられずアカシックさんにも確認したところ、本当だということがわかった。
だが、ならばこのステータスは何なのか。
神サマズにも相談してみた。
「今始めて創造神様の加護をもらったのなら異世界人補正が付いたんじゃない? 勇者候補だったんでしょ?」
魔法に詳しそうな魔神様のお言葉だった。
『異世界人補正』って、随分都合のいい言葉ですね? ありそう。ステータスにはないけど、『経験値○倍増加』とか『レベルアップに○%のプラス補正』とかですね?
「今までの人生の経験が反映しているのかもしれぬ。それに、私の眷属竜を倒しただろう?」
含蓄のありそうな竜神様のお言葉。
確かに、こちらの世界に来てからの時間ではなく生まれてからのすべての経験というのなら、ヒャッハーな若年主人公よりはオッサンの方が世知辛い日本で40うん年生きてきただけ経験豊富だろう。それがステータスに反映? 『剣術Ⅱ』と『格闘術Ⅱ』が他に比べてしょぼいのは日本でちょっと剣道と柔道の経験があるってことなのだろう。うん、悪いことではないが他の数値が数値なだけに理解に苦しむ。それに、魔物を倒したっていっても一匹だけですよ? しかも事故で。それでレベルアップ?
それにステータスが作為的すぎる。99に999ってカンスト?
その点について、この世界のシステム(設定)にカンストはないそうだ。少なくとも神サマズも知らないみたい。999でストップしたのはそこが所謂『壁』だからで、今後の成長次第だって。
そして創造神の爺さんが言葉を濁しながら語った。
「造られた記憶じゃから何とも言えんが、過去に異世界人が召喚されたことがあってのう。そのものはレベル100を越えていたぞ」
ん? そういえば、シャルさんの国も大昔に勇者召喚をしたって言ってたな? あれ? 世界の発生って、もしかして過去まで遡って生まれるってこと? ワケがわからん。
まあ、オッサンには関係ないか。前例があるならそれほど問題にはなるまい。
ちなみに、今の『魔王』のレベルは113だって。それでも弱い部類らしい。あー、よかった。オッサン魔王越えはしてなかった。
「いや、僕たちが驚いてたのは逆だよ?」
「は?」
オッサンは魔神様のお言葉に間抜けな返事をする。
「いやいや。だって、キミの結界強すぎるよ。他の魔法もそうだし、軽く僕たちのレベルを超えて10000ぐらいあるんじゃないかって思ってたんだから」
「ああ。そういうこと。前に言ったかも知れませんが、これは俺の力じゃなくて、管理神サマに借りた力です。ほら、これ」
何か過大評価されていたオッサンだが、理由がわかれば何のことはない。スーパーデラックスウルチマガラケーを改めて見せてやった。コイツがスゴイのは当然だ。逆に隠す必要がないくらいだぜ!
「「「「おーっ! これぞ神器!」」」」
おいおい。神サマズなんだから神器の一つや二つ、百や二百ぐらい持ってるだろうが。
名前こそそうだが、格が違うとのこと。おかげで神サマズに物ほしそうな目で見られた。いや、やらんよ。今度シュレにでも頼みたまへ。
蓋を開けてみればオッサンも神サマズも納得のステータスだったようだ。『魔道の極み』『武術の極み』は規格外だそうだが。ま、一つ二つチートスキルがあってもいいか。
だが、『まったりほのぼの異世界ライフ』のため、ちょっとは弄る必要がありそう。
爺さんにやってもらってもいいんだが、折角『魔道の極み』があるので自分で試してみる。
『視覚隠微』はケータイの機能で使ったことがあるが理論が判らん。『隠微』というより『隠蔽』『改竄』の方がしっくり来る。まあ、シュレ由来のチートスキルだ。思い込めば勝手に発動するだろう。
「いんび~。いんぺ~。かいざんしろ~」
「何をブツブツ言っておるのじゃ……おお? お、お主……出鱈目じゃのう……」
私を『鑑定』で見ていた爺さんが失礼なことを言っている。
どーれ、オッサンも確かめてみるか。ステータス・オープン!
こんなん出ました。
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名前:タケシ・ハンムラ
人種:ヒューマン?
職業:魔法剣士(#元勇者候補)
年齢:42
性別:男
レベル29(#99)
HP:290(#999) MP:330(#999)
力:280(#999)
素早さ:280(#999)
器用さ:300(#999)
知力:300(#999)
運:99(#999)
スキル
剣術Ⅱ 格闘術Ⅱ 土魔法Ⅳ(#全属性魔法Ⅴ) 錬金術Ⅳ(#Ⅴ) 付与魔法Ⅳ(#Ⅴ)
転移魔法Ⅳ(#Ⅵ) 結界魔法Ⅳ(#Ⅸ) 高速思考Ⅳ(#Ⅵ) 回復魔法Ⅳ(#Ⅵ) #毒 #異世界言語
アイテム・ボックス(#極大)
ユニーク・スキル
ご都合主義 #*** #**** #魔道の極み #武術の極み
称号
二度落ちた者 #管理神の** #邪神の父親 #設定を覆す者
加護
創造神の加護
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完全に隠したのは『元勇者候補』『毒』『異世界言語』『全属性魔法』、それから『ご都合主義』以外のユニークスキル。『ご都合主義』を残したのはワケがわからん癖に妙に説得力があるからだ。そして謎称号『管理神の~シリーズ』と『設定を覆す者』『邪神の父親』だ。多いな!
あとは数値を弄る方向で。シャルさんよりちょい強いぐらいかな。まあ、そこら辺はこっちの世界の常識を把握してから再調整すればいいだろう。ステータスなんてそうそう他人に見せるモンでもないし。『鑑定』持ちの連中には注意だな。
『アイテムボックス』はユニーク枠から通常のスキル枠に再移籍。(極大)を隠せば大っぴらに使っても構わないだろう。これで運搬チート使い放題。『全属性』を『土魔法』に偽装したのは『錬金術』と合わせてよく使うと思うから。『火』や『水』は『生活魔法』だと言って誤魔化そう。あ、『光』もか。そういえば、『生活魔法』ってスキルがないな?
お、アカシックさん情報。ふんふん。なるほど、『生活魔法』は通称で、それぞれ『火魔法』『水魔法』『光魔法』の初歩レベルか。スキル欄に乗らない人もいる、か。なるほどねえ。スキルがないのに簡単な魔法が使えるのが『創造神の加護』の影響か。よくできてんな。すごいぞ『設定』! これでオッサンも気兼ねなく『生活魔法』を使えるぞ。感謝!
そして最後になるが、
「も一つ確認したいんだが、人種のところ、『?』が付いてるんだが、これは何だ?」
そう、気にはなっていたが、他の数値がインパクトありすぎでつい後回しにしてしまったのだ。
「知らんぞ? まあ、ワシらからすればお主が『ニンゲン』でないと言われたほうが納得じゃがな」
創造神の爺さんの答えに神サマズが全員頷いていた。ナニコレ、神サマズから人外認定? 失礼なやつらだ。
しかし、とオッサンはキレることなく考えた。
『人外』といわれても、ある意味正しいのではないか。私は『異世界転生』したのではなく『異世界転移』でこちらの世界に来たのだ。もしかしたら本当にこちらの世界の『ヒューマン種』とは人種が違うのかもしれない。オッサンはホモサピエンスにしてモンゴロイド。
「……そうか、おいおい調べてみるさ」
これはいつか勇者君に会ったほうがいいな。結局シュレの『ステータスには一切手を加えていない』発言を信じるかどうかでしかないが、もし勇者君も『ヒューマン?』の表示だったら単純に異世界人仕様ということになり問題は、ないこともないが、別に考えればいい。
で、もし勇者君のステータスがフツーに『ヒューマン』だったら、『?』部分を隠して、シュレはお仕置きだ!
いや~。考えてみたら大したことナカタヨ。どうせオッサンの人生シュレにからかわれて終わるんだ。ステータス異常なんて序の口序の口……うう、言ってて悲しくなってきた。
「パパどうしたの? ないてるの?」
おっと、娘に心配をかけてはいけない。もっとポジティブにいかねば!
「大丈夫だよ~。セーラはやさしくていい子だね~」
「うん! セーラいいこ!」
なんじゃ、この可愛い生き物は! もうオッサン人目をはばからず抱きしめちゃう! ギュウ~。




