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09 オッサン、女神様(大)と対面する

ストック尽きかけです。

週末書き溜めて月水金投稿に切り替える予定です。

姑息ですみません。


ブクマありがとうございます。

 


 どうも。初戦闘? を終えたばかりのオッサンことタケシです。


 もっと穏やかに訪問したかったのですが、門番らしい二人の天使みたいな人形さんたちが問答無用で襲い掛かってきました。オッサンはただ両手を挙げてワタワタしていただけですが、あっという間に戦闘は終わってしまいました。盛大な自爆です。これはシュレに感謝しなければいけないのでしょう。なにせオッサンは一歩も、いや、一歩しか動けなかったのですから。


 今、開けっ放しだった大門を潜って神サマのお宅に進入中です。


 門前であれだけ激しく戦闘? をしていたので他の天使人形とか神の尖兵とか神サマ自身がワラワラ集まってくるかも、と心配していましたが、どうやら門番はあの二人だけだったようです。人手不足なのかな?


「うわ~。中もでっけえ~」


 大門を潜ると中の建物が見えました。門からかなりの距離があるようですが、遠近感が狂うぐらい大きな建物。正に巨人のお城です。


 あれだけ大きいと人一人探すのは困難だ。

 そう考えた私は迷わずケータイを手にします。


 便利すぎるのは逆に問題だと普段は考えていますが、今回は女神クエストの最中。効率優先です!


 さて、スーパーケータイですが、下界? では個人宅などはプライバシーの関係かカメラが入れなかったのですが、ここは特別のようです。マップで建物の構造が3Dで見ることができます。もちろん『リアルタイム・ストリー○ビュー』も。

 これはクエスト期間限定サービルなのか、はたまた神サマのお宅は公共施設扱いなのか、判断に困るところですが、まあ、都合がいいに越したことはありません。あ、もしかしたら、謎スキル『ご都合主義』が何気にがんばっているのかも。


「まあ、どうでもいいかな~っと。おや~?」


 私はマップ検索で『創造神』と入力。位置を検索しました。

 すると、検索はできたものの、妙な引っ掛かりを覚えます。


 目の前に聳える大宮殿とケータイのマップを何度も見比べるオッサン。首を傾げても可愛くない。


「まあ、行ってみればわかるか。転移!」


 念のため、『視覚隠微』と『気配遮断』の最強コンボを発動させてオッサンは転移しました。









 その後、二度(・・)ほど転移して、今は大宮殿最上階の部屋の前にいます。


 ここに目的(・・)の人物(神サマ)がいるはず。マップ上ではそうなっていますので。


 大門ほどではないですが、大きなドアをノックします。既に『視覚隠微』と『気配遮断』は解いていますよ。


 大門でもそうでしたが、オッサンの来訪は周知されているようです。ノックの後、音もなく巨大なドアが開いていきました。自動ドア?


「何者ですか?」


 広い広い部屋の中から静かではあるけれども力強い声がしました。女性のようです。


「はじめまして。タケシと申します。創造神サマにお会いしたくやってまいりました」


 一応(・・)神サマ相手です。オッサンは丁寧に挨拶をします。

 まだ向こうの許可がないので中には入りません。細かいところにこだわるオッサン。


「……入りなさい」


「失礼します」


 中に入る。だが、広い、遠い! まだ相手の姿が判別できない。どうやら巨人ではなさそうだ。

 かなりの歩数歩いて、やっとご対面。例えるなら野球場のマウンドに応接セットが置かれている感じだ。件の人物はソファーに座ったままである。まあ、神サマだから文句はないのだけれど。


 相手は座っているが、オッサンもいきなり座るわけにはいかない。

 さりとて、コッチの世界どころか、地球でもこんな場面でのマナーなど知らぬ! その上相手は神サマ。う~ぬ、五体投地かそれとも騎士みたいな片膝を地に付けたポーズか。悩むところだが、交渉役は強気でいたほうがいい。略式で構わないだろう。


「改めまして、タケシと申します」


 30度のお辞儀。

 向こうはちょっとムッとした感じだった。


 改めて件の人物を観察してみる。

 仮面ではないので人形ではなさそうだ。長めの金髪、緩いウェーブがかかっている。

 歳は、人間で言うと25歳くらいに見えるかな。幼女のシュレと比べるべくもない、『大人の女性』なメリハリがそこにはあった。おうっ! 寒気が。


 神サマといえば白い服。このパターン、今回も健在です。ただ、門番たちよりかなり高価な感じが地位の高さを表しているようだ。


 オッサンが『高速思考』を駆使して観察をしていると、お声がかかった。


「……神域にどのようにして入り込んだのか、そもそも何故この場所がわかったのか。只者ではありませんね。門前でのことを含めて聞きたいこともありますので同席を許可します。ですが、無礼は許しません。覚悟しておきなさい」


 随分と上から目線。しかも、やっぱり門前での戦闘は知られているようだ。まあ、神サマだからねえ。


「はい。気をつけます。それでは失礼して……」


 今更神サマに対して無駄にビクビクするオッサンではない。文句を言われない程度にドッカリと女神様の対面に腰を下ろした。


 さあ! 交渉を始めようか!


「早速ですが、創造神サマに会いたいのですが……」


 オッサンの先制パンチ! さあ、どう出る?


「わ、私が創造神です! 控えよ! 無礼者!」


「……そうでしたか。あまりに若くお美しい方でしたから考えが至りませんでした。お許しください」


 控えよ、とか言われたが、オッサンは軽く頭を下げるだけに留めた。

 女神様も怒りの表情が一瞬で解けた。


「う、美しい……よ、よろしい。今回は見逃してあげます」


 チョロい。ちょっと褒めただけなのに、シュレもそうだったが、人間に面と向かって褒められ慣れてないんだろうなあ。


「か、確認しますが、う、美しいと『創造神』には見えませんか?」


「ええ。私は『美の女神』ではないかと思いました」


「ま、まあ! そんな……」


「私がイメージする『創造神』サマとは、白髪でやはり長い白髯の老人を模ったような方で、白くて長い衣装に螺子くれた木の杖を手に持った――」


「わ、わ、私が! 創造神で間違いありません!」


 オッサンが滔々とイメージを披露していると、女神様が慌てたように再度自己紹介をしてくる。

 ふむ。これはオッサンも負けてはいられない。もっと突っ込んだ自己紹介をせねばなるまい。


「そうですか。では、『創造神』サマに聞いていただきたい事が二つあります」


「……話次第では容赦しませんよ。ここは神の領域なのですから」


「わかりました。では一つ目ですが、私に『創造神の加護』を授けていただきたいのです」


 本来ならシュレの『女神クエスト』を優先させるべきなのだろうが、任せたとシュレに言われていることと、とある状況の変化に絡んでこちらを先に済ませることにした。


「……あなたは人間なのではないのですか? 魔人、いえ、ヒトに変化した魔物……」


 やはり、この世界の人間(・・)は種族問わず『創造神の加護』を持っているものらしい。

 女神様、ジッとオッサンを見つめている。色っぽくはあるが、そんな理由じゃないだろう。


「どうぞ、『鑑定』でも『神の眼』でも使って確かめてみてください」


 使われているのは表情でわかったが、あえて言ってみる。


「み、見えないのです……あなたは、一体何者なのですか?」


 おや、戸惑った表情だと思ったら、見えてないのか。何でだ? 王宮とかギルドでは見えたのに。シュレが小細工でもしたのかな? 別に秘密じゃないだろ。面倒な。


「これから説明します」


 堂々とした態度の中に微かな怯え。これまでは確かにそうだったが、女神様、今は震えを誤魔化すのに精一杯というところだ。


「まず、私が人間であることは間違いありません」


「で、ですが、それなら何故神である私にステータスが見えないのですか! それに、人間なら生まれながらに『創造神の加護』を持っているはずです! わざわざここにそれを求めて来るのはおかしいです!」


「落ち着いてください。そのことも証拠の一つになるでしょう。何故なら私はこの世界で生まれた人間ではありませんので」


「え……それはどういう……」


「こことは違う世界、『地球』という異世界から来ました」


「異世界人……ゆ、勇者……はっ、勇者でも『創造神の加護』はあるはず! いえ、むしろなければ勇者の称号も与えられない……」


「はい。私は勇者ではありません。同じ世界の出身ではありますが」


「し、しかし、それでもおかしいです!」


「異世界人でもこの世界に来たら自動的に『創造神の加護』が与えられる。そう聞きました」


「え、ええ。その通りです。そういったシステム(・・・・)がありますから」


システム(・・・・)ですか……その件ですが、どうやら召喚された際アクシデントがあったようなんです」


「アクシデント……」


「はい。そのときに、とある(・・・)神サマに拾われたのです」


「えっ……」


 絶句する女神様。

 さあ、どうなるのかな♪


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