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07 オッサン、ついに神域へ

 


 紳士の国? から一路氷の国まで。


 面倒事にこれ以上巻き込まれるのは御免なのでギルドの裏口からドロン! 煙幕は張りませんでしたが、気配遮断の結界を張って裏路地にプイ、はしました。フフフ、領主の遣いとやら、一生待っているがいい!


 あ、長距離転移ですが、イメージできれば行ったことのある場所へはケータイのマップを見なくても跳べるようになりました。地道な努力、確実な成果。


 で、一旦テント前に戻って来ましたが、このテント、何気に活躍してるな。あれだけ値切ったのに。



 さて、離脱優先だったから受け取った金の確認もしていなかった。

 内訳説明もこちらから断ったし、足元見られてても自己責任だな。まあ、魔物の相場なんて知らないから説明されてもふ~ん、でお仕舞いだろうな。

 とりあえず金額だけ確認しておこう。

 これから大仕事が待っている。瑣末なことは先に済ませておくべきだ。


 無人島なので人目は気にしない。テント前の地面にジャラジャラと皮袋の中身を空ける。


「うお! 金貨結構入ってる! ……違うな……あ、これ、大金貨か!」


 金貨が二枚入ってればシャルさんからの借金返せるな~、と思っていたら、なんと大きさの違う金貨が混じってた。しかも何枚も!


 数えてみると……

 大金貨(見るからに大きくて立派!)25枚

 金貨(これも初めて見たけど、たぶん金貨)8枚

 大銀貨(これを二十枚シャルさんに借りたんだ)7枚


 計2,587,000アース


 でした。


 ええーっ! まさかの200万越え! たった一匹の魔物で儲かりすぎだろ、冒険者!

 オッサン、未だにこの世界の金銭感覚が掴めていませんが、大金なのはわかります。色からしても。


 まさか大金貨と金貨間違えてないよな、などとワタワタしながら、なけなしの経験をもとに価値を計って見ます。


「え~と、シャルさんが、金貨一枚で数ヶ月暮らせるって言ってたな。それからそれから……刀とタバコは特殊だとして……あ、メシか。メシは大体一食分が50アース前後だった気が……」


 庶民のよくある価値基準。何回食事できるかをザッと計算します。ちなみにオッサンが日本にいたときは一回の食事500円で計算していました。ワンコインいいよね。


 そうすると、食事5万回分という答えが出ました。


 再び、ええーっ! です。

 日本にいたときでもそんな高額な買い物したことありません! 平教師の年収なんて……


 どどど、どうしよう……


 地面に散らばった金貨たち。それを見ながらオッサンは慌てふためきます。小市民ですから。


 まて、落ち着けオレよ。

 おお、内なる私が何か閃いたらしい。


 金額がデカイのは単純に売り物がデカかったせいではないのか。ふと、そう思いました。


 ふむ。

 あの魔物、シードラゴンだったか、確かにデカかった。地球ではお目にかかれない、いや、ジンベイザメとかクジラよりは小さいのかな。少なくとも10tや20tはあるだろう。

 計算しやすく25tと仮定すると、キロ当たり100アース。


 おやおや~? 一気に庶民的になったぞ? 二食分?

 オッサンがよく利用してた近所のスーパーじゃ、部位とか知らんが豚肉100g98円なんてよく買ってたし、牛肉も国産じゃなければ特売でそれぐらいの値段だった気がするな。


 う~む。かなり強引だったが、驚きは薄れた気がする。よし、もう悩むのはよそう!


 とはいっても、大金は大金なんだよね。始末に困る。

 シャルさんに借りているお金を10倍にして返して、残りは……バラ色の『異世界まったり生活』のために貯金だな! 



 いや~、よかったよかった――うおっ! ビックリした! 電話か。


『金勘定は終わったか、なの』


 神サマは見ていました。無人島で金勘定、挙動不審だな。心に大ダメージ!


「ちょうどいい。俺も連絡しようとしてたトコだ」


 そんなことおくびにも出さず、オッサンは自分の用件を優先させる。


「――あの島の結界なんだが、どうやって越える? 転移で通過できるのか?」


『ちっ、うろたえんヤツじゃニョロ。ああ、何か心配していたみたいだから連絡してみたが、大丈夫じゃ、結界はその大陸の海岸沿いに一枚だけだワン。お主の転移で十分じゃワイ』


「そうか。わかった。あと、グリーンランドって広いだろ? 神サマのいるところって……」


『行けばわかる。というか、見えておるJAROが』


 オッサンは西に目を向けた。雲の上に建つ宮殿。

 う~む。何度見てもファンタジー。


「いや、あれって、どう見ても幻影とかのニセモンじゃね? まさかコッチの神サマって巨人族?」


『ふっ、そんなこと行けばわかるピョン。では、今度こそ務めを果たすのだぞ、だっちゃ』


 シュレにしてはあっさりと会話を終わらせた。

 さっさと行けってことだな。まあ、行くけど。


 ケータイ準備! 

 とりあえずの目標は神サマ結界(現地バージョン)越え。グリーンランド上陸だ。『ス○リート・ビュー』で海岸の様子を確かめる。


 魔物なし! 人の姿もなし! ついでに雪もなし!


 安全確認! 転移!





 シュタっ!

 到着! ついにグリーンランド、神の国に辿り着きました! スゲー、転移魔法スゲー。


 前世? でも来たことがない未知に大陸。地理の勉強をしたことがあるだけ。

 だが、周囲を見渡すと違和感が……


「ここは熱帯雨林なのか?」


 お隣のアイスランドでも思ったのだが、植生が絶対地球とは違うよね! そこら中に森があったから。なんだろう? 魔物の木なのか?

 グリーランドはジャングルそのものです! 試しにマント脱いでみたら、暑かった。うん、おかしい。あ、結界が温室みたいになってるのか? よし、そういうことにしておこう。オッサンの精神安定のために。


 気を取り直してクエストを再開。

 本来なら自分の足と目で探索するのが人間としての在り方だろう。


 だが、これは『女神クエスト』。

 遠慮なく神サマ機能を使う。


「えーと、行けばわかるとか言ってたが、雲の上じゃあ、ここからは見えんな……」


 到着した海岸から西の方角、内陸部を見ると、高い高い山が聳えています。現実なのか神サマエフェクトなのかわかりませんが、頂上付近は雲に覆われていてアイスランドから見えた宮殿はここからでは確認できませんでした。

 よって、スーパーケータイの出番です。


「お? 新機能? 俯瞰図だけじゃなくて、3D映像でも見れる!」


 マップが進化していました。アカシックさん、感謝です!


 オッサンはマップ上で登山中。

 ただいま八千メートルを越えました。

 えーっ! どんだけ!


 ここはアマゾンなのかエベレストなのか。ワケがわかりません。流石ファンタジーです。地理は地球と同じだと思っていたところに、見事に裏切られた気分です。まあ、自力登るわけじゃないからどうでもいいんだが。


 マップでの登山は早いです。どうやら目的地が見えたようです。地上一万メートル、あるはずのない高山の天辺に巨大な宮殿が建ってました。ちょっとアラビアンなイメージです。北欧系の神サマじゃなかったのか? まあ、北欧系とか言っても、オッサンはイメージできないけど。


 マップの表示によると、『創造神の宮殿』と出ている。よし、間違いなさそうだ。

 じゃあ、門まで行ってみますか。おっと、高山だから空気が薄い可能性もある。ファンタジーだからといって甘く考えない方がいい。対策は採っておこう。


 オッサンは昨日覚えた全身結界&空調魔法を身に纏い、ついでにケータイの結界も張って二回目の転移を行った。


 あっさりと門の前に到着。


「さて、これからどうするか……」


 本当に巨人族でもいるんじゃね? と思われる巨大な門は閉ざされており、オッサンは行動の選択に迷う。


 インターホンがないのは仕方ないとして、ノッカーやそれらしい呼び出し装置がない。さりとて、こういう門に付き物の門番の姿もない。

 ナイナイづくしの中、自力で巨大な扉をこじ開けるか、いっそ転移魔法で中まで進入するかで悩んでいると、大きな音が聞こえてきた。ゴゴゴ、とか。ギギギ、とか地響きレベル。


 大きすぎてわかりにくいが、門が少し開いたのだ。


 そして二人? の人? が姿を現す。


 流石神サマ。監視カメラはなさそうだったのに訪問者がいることがわかったらしい。この人? たちが門番なのかな?


「侵入者ハ排除スル」

「命が惜シクバ速ヤカニ立チ去レ」


 ……わかってたけど、また問題が発生しました。


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